SEOとは?基本から実践的なノウハウまでまるごと解説

EcWork編集部

SEOとは?基本から実践的なノウハウまでまるごと解説

EcWork編集部

ECでの集客施策として、SEOに力を入れている事業者も多いのではないでしょうか。しかしSEOは年々複雑化し、施策にまつわる情報も入り乱れています。

そこで今回は、SEOに関する情報を体系的にまとめでご紹介します。基本的な考え方から実践的なノウハウまで、詳しく解説します。

SEOとは?

SEOとはSearch Engine Optimizationの略で、日本語では「検索エンジン最適化」と呼ばれています。Googleの検索エンジンの検索結果に、自社のWebサイトやコンテンツを上位表示させるための施策で、ECサイトには欠かせないマーケティング戦略の1つです。

SEOの大前提は良質なコンテンツを提供すること

さて、SEOに取り組む上でもっとも大切なことはなんでしょうか?

SEOの大前提となるのは、ユーザーにとって「良質なコンテンツ」を提供すること。これはGoogleが検索エンジンを運用する上での基本的な方針で、SEOに取り組む際もこれが絶対軸となります。

かつては獲得したいキーワードを大量に盛り込む手法や、自作自演の被リンクの獲得などが横行していましが、頻繁に実施されるGoogleのアルゴリズムアップデートによりこうした手法は一掃されました。アップデートの変更は今後も継続的に実施されますが、「良質なコンテンツ」を提供するという大前提が変わることはありません。

もちろん、タグの設定や構造化マークアップ、見出しの工夫といったテクニックは大切ですが、ユーザーにとって価値がある・為になるコンテンツを製作するという条件を満たした上でのアプローチであるとうことを、常に意識しておきましょう。

SEOのメリットは?

では、事業者がSEOに取り組みメリットはどこにあるのでしょうか。SEOのメリットとして、次のような項目が挙げられます。

  1. サイトへの集客効果が高まる
  2. 購入意欲の高いユーザーを獲得できる
  3. 施策を常設できる
  4. 広告費を抑えられる
  5. ブランディング効果が期待できる

メリット1.サイトへの集客効果が高まる

ドイツのSISTRIXが発表した検索順位別のクリック率の調査によると、検索順位1位のクリック率は28.5%。2位は15.7%、3位は11.0%と、上位だけで全体の5割以上を占めています。検索順位の結果がサイトの集客に大きく影響することは歴然とした事実で、SEOにより上位表示ができれば集客を大きく伸ばすことができるでしょう。

メリット2.購入意欲の高いユーザーを獲得できる

検索エンジンでキーワード検索をするユーザーは、すでに商品やサービスに興味を持っている場合や、何かしらの疑問や悩みを解決したいというモチベーションを持っています。つまり、購入意欲が高いユーザーだということ。こうしたユーザーにきちんとメリットや根拠を提示できれば、サイトのCVRを高めることができます。

メリット3.施策を常設できる

SEOではコンテンツを継続的に発信するコンテンツマーケティングが主流です。コンテンツマーケティングの強みは、ストック型の施策運営を実現できること。Web広告のように期間限定の施策ではなく、一度発信したコンテンツは基本的に常設することができます。そのため、中長期的に施策に取り組むほどコンテンツが蓄積され、自社の「資産」を築くことができます。

メリット4.広告費を抑えられる

SEOはコンテンツの製作やタグの設定といった、自社のリソースで完結できる施策が少なくありません。外部に委託するケースもありますが、社内できちんとした体制が整えば広告費を抑えることができます。また、継続して検索上位をキープできれば、新たに広告費を捻出する必要がない点もメリットです。

メリット5.ブランディング効果が期待できる

最後に、ブランディング効果が期待できる点も、SEOのメリットでしょう。SEOではユーザーの疑問や悩みを解決するコンテンツや、役立つコンテンツを発信するのが基本です。継続して質の高い情報を発信してくれるサイトは、ユーザーにとってもありがたくブランドの評価を高めることができます。

SEOの内部対策と外部対策とは?

SEOの具体的に施策は、大きく内部対策と外部対策の2種類に分けられます。それぞの違いについて見ていきましょう。

【内部対策とは】

内部対策は、自社サイトの内部で取り組む施策のことです。Googleの検索順位はクローラー(自動的にサイトを巡回して情報を収集するプログラム)によって得られた情報を元に評価されます。内部対策の目的は、このクローラーが「見つけやすい」「分かりやすい」ソースコードを設定(記述)すること。

クローラーに評価されるということは、ユーザーにとっても価値があると判断され、検索順位に好影響を与えてくれます。

具体的には、

  • タイトルタグの設定
  • メタディスクリプションの設定
  • 見出しタグの設定
  • alt属性の設定
  • 内部リンクの設置
  • モバイル表示への対応

といった施策が挙げられます。各施策の詳細な内容は、下記の記事も参考にしてください。

【外部対策とは】

外部対策とは、サイトの外向けに行うSEOに対策のことです。これは、被リンクの獲得がもっとも重要な項目となります。

被リンクとは、外部サイトから自社サイト向けのリンクことで、Googleでは「外部からリンクされる=ユーザーにとって有益な記事」と判断されます。

例えば、

  • SNSを運用する
  • 拡散しやすいUIを用意する
  • 分析ツールでリンク先を確認する
  • プレスリリースを活用する
  • 一次情報を記載する
  • 寄稿記事を書く
  • リンク元に相互リンクを依頼する

といった方法は、被リンクの獲得の具体策として効果的です。

そこが知りたい!SEOに関するよくある質問

さて、いざSEOの施策に取り組み始めると「この用語は何?」「この部分について詳しく知りたいんだけど」といった疑問に多く出くわします。

ここからはとくに気になるポイントを「SEOに関するよくある質問」としてQ&A形式でご紹介します。

Q1:質の高いリンクの獲得がどうして必要なの?

A:リンクの質がGoogleの評価に影響するため

SEOでの被リンク獲得では、よく「質の高いリンク」という言葉が出てきます。質の高いリンクとは、例えば同分野における第一人者や著名人、公式サイト、大手企業・団体などが挙げられます。

こうしたサイトはすでに社会からの信頼が高く、Googleからの評価も高いといえます。こうしたサイトが自社リンクするということは、ある意味外部からの「お墨付き」を得られたということ。結果として、SEOへの効果が期待できます。

一方で信頼性が低く、意図的なリンク獲得を狙っているような「質の低いサイト」からのリンクはSEOへの効果は期待できません。とくに意図的なリンク獲得とはペナルティの対象となるため十分注意が必要です。

Q2:Googleのペナルティってなに?

A:Googleの品質ガイドラインを準拠していない・違反しているサイトに適応される罰則

Googleでは自社で品質ガイドラインを定めて、検索エンジンの質やユーザーへと有益性を確保しています。このガイドラインを準拠していない・違反しているサイトに対しては厳しい罰則措置が実行され、これをGoogleペナルティと呼びます。

具体的には、

  • 検索結果の掲載順位が著しく低下
  • インデックス削除
  • 検索結果への非表示

といったペナルティが下されるため、SEOに取り組む際もガイドラインを遵守することが重要です。

Q3:SEOってどれくらいで効果が出るの?

A:最適でも3ヵ月~半年程度は様子見が必要

SEOは施策の効果が出るまでに時間がかかります。具体的には、3ヵ月~半年程度は時間が必要で、ときには1年近くの時間を要することもあります。この期間についてはGoogleでも公式な見解を発表しておらず、担当者にとっては頭を悩ませるポイントです。

しかし「すぐに結果が出ない」→「SEOは効果がない」と判断して施策を打ち切ってしまっては、今後期待できる効果まで失ってしまうことになります。長く続けることで検索順位が安定すれば継続的な集客に繋がるだけに、SEOは定点的な効果測定をしつつじっくり腰を据えて取り組むのが得策です。

Q4:MFIとは?

A:Mobile First Index(モバイルファーストインデックス)の略称

モバイルファーストインデックスとは、Googleが打ち出したサイトの評価基準の方針のことです。

これまで検索エンジンの順位はPCサイトを中心とした評価を優先していましたが、MFIへの方針変更によりモバイル(スマホ・タブレット)を中心とした評価が優先されるようになりました。例えば、これまでPCサイトで検索上位を保っていたECサイトでも、スマホ未対応の状態ではクローラーから評価されず、検索順位を落とす可能性があります。

2021年3月からこの変更はすでに全サイトで適応されているため、SEOによる検索順位向上を目指すなら必ず対応しておきましょう。

Q5:E-A-Tとは?

A:Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、 Trustworthiness(信頼性)の頭文字を取ったGoogleの造語

E-A-Tとは、Googleの検索品質評価ガイドラインで明記されている言葉で、専門性・権威性・信頼性を満たしているサイトをより評価するという方針のことです。前述したように、SEOによる競争が過熱化するにつれて、Googleのクローラーの「裏をかく」ような手法が横行しました。

これを問題視したGoogleは大幅なアルゴリズムアップデートを実施するとともに、品質評価ガイドラインにおいてE-A-Tが重要であると定め、質の高いコンテンツの発信を呼びかけました。SEOの大前提は「良質なコンテンツ」であると述べましたが、これは「E-A-Tを満たしているコンテンツ」と言い換えることができるでしょう。

Q6:YMYLとは?

A:Your Money or Your Life(あなたのお金と人生)の略称

Googleの品質ガイドラインでは、YMYLという言葉もたびたび使用されます。お金や人生(健康や安全)に関わる項目は、ユーザーへの影響度が高く、とくに重要な情報です。GoogleではこうしたYMYLに関する評価をより厳格化し、人々が安心・安全な暮らしを享受できることを目指しています。

こうした分野の情報は先ほどのE-A-Tがとくに重視され、例えば「サプリメント」というキーワードを検索するほぼすべてのサイトがE-A-Tを高い水準で満たしています。つまり、信頼度の低いサイトやコンテンツは淘汰されるということ。

商材の分野がYMYLに該当するサイトがSEOに取り組む場合は、一般商材よりもSEOへのハードルは高いことを理解しておきましょう。

Q7:UGCとは?

A:UGCとはUser Generated Contentの略で、一般のユーザーによって作られたコンテンツのこと

近年ECサイトのマーケティングで注目されているのが、UGCです。UGCとは一般のユーザーによって作られたコンテンツのことで、例えば、商品のレビューやお客様の声、SNSでの投稿、ブログ等での商品レビューなどが挙げられます。

UGCはすでに商品やサービスを利用したユーザーの生の声です。そのため信頼度が高く、これから購入を検討するユーザーにとっても貴重な情報となります。また、外部リンクを獲得するという観点からは、SEOでの効果も期待できます。

まとめ

SEOはECサイトでの集客に取り組むためには、欠かすことができなマーケティング戦略です。一方で、すでに効果のない古典的なSEO施策に取り組んでしまうケースや、頻繁に更新されるアルゴリズムへの対応など、きちんと効果を上げるには適切な情報を入手することが重要となります。

本記事では、最新のSEOに関する情報を前提に、SEOに関する基本から実践的な手法を解説しました。各項目をより詳細に理解するためのリンクも用意していますので、そちらとあわせてご活用ください。