クラウド型ECの情報を全網羅!概要から人気サービスまでご紹介

EcWork編集部

ECサイトの新規立ち上げやリニューアルを検討中の方で、クラウド型サービスが気になっている方も多いのではないでしょうか?

クラウド型とは、ネットワークを通じてクラウド上に存在するプラットフォームを利用してECを構築するサービス手法。オンラインで頻繁にアップデートが行われることから、最新のサービスを常時利用できる上、パッケージ型などに比べてコストを抑制することができます。

今回は、クラウド型サービスの導入を検討中の方に向けて、サービスの概要やメリット・デメリットを詳しく解説。あわせて、人気のクラウド型サービスについてもご紹介します。

クラウド型サービスとは?

ECを構築する際、フルスクラッチなどでゼロベースから開発する場合を除いて、構築向けのプラットフォーム(システム)を利用するのが一般的です。このプラットフォームをクラウド上に置くことで、サービスの利便性や低コスト化を実現したのが「クラウド型」サービスです。

クラウド型サービスでは、自社サーバーを持たずにサイトを作成することが可能。事業者はネットワークを通じてクラウドにアクセスすることで、いつでも・どこでもECサイトを作成することができます。

クラウド市場は拡大傾向を続ける

近年EC業界では、クラウド型サービスの導入が広がりを見せています。

クラウド 市場規模

1つデータを参照してみましょう。平成30年に総務省が発表した「情報通信白書」によれば、2017年の世界でのクラウド市場は1,639億ドル(約17兆7,000億円)とされています。これは2014年の606億ドル(約6兆5,400億円)と比べ約2.7倍の数字で、クラウド市場の急激な拡大が見て取れます。

同調査では今後の動向にも触れており、2020年には3,047億ドル(約32兆9,076円)に市場規模が達すると予想。引き続き右肩上がりの成長を続けるとされています。

従来まではサービスを「所有する」形態が一般的でしたが、情報技術の発展やデバイスの普及により、現在では「利用する(シェアする)」形態がスタンダードとなっています。この流れはEC構築サービスでも顕著といえ、クラウド型サービス拡大の最大の要因と言えるでしょう。

出典: 平成30年版「情報通信白書」(総務省)

クラウド型サービスのメリットは?

ここからは、クラウド型サービスのメリットについて見ていきましょう。メリットは大きく次の3つです。

  • 最新のサービスを利用できる
  • コストを抑制することができる
  • サーバーの容量を調整できる

メリット1.最新のサービスを利用できる

1つ目のメリットは、最新のサービスを利用できるということ。

先ほどもご紹介したように、クラウド型サービスはクラウド上にプラットフォームが存在します。そのため、常にサービス会社側がアップデートを行っており、最新の機能をリアルタイムで利用することが可能です。

ECサイトではユーザーのニーズやトレンドに合わせて絶えずバージョンアップを図ることが必要ですが、パッケージ型などのサービスでは機能の追加や開発に時間や手間がかかり、スピーディーな運営を妨げることがあります。

その点クラウド型なら、頻繁なアップデートが行われているので、タイムラグを極限まで少なくできるでしょう。

また、アップデートにはセキュリティの強化も含まれていることから、最新のセキュリティ体制を保てる点も大きなメリットと言えます。

メリット2.コストを抑制することができる

2つ目は、コストを抑制することができること。

パッケージ型やフルスクラッチ型のEC構築サービスでは、導入の際に数百万~1千万円の費用がかかります。大規模のサイトを構築する、資本力のある事業者なら大丈夫ですが、小規模や中規模のサイト構築を目指す事業者にとっては莫大なコストです。

一方クラウド型では、数十万円程度からサイトを構築することが可能。クラウドサービスなので、自社サーバーの用意やその他のランニングコストも抑えることができ、コストを抑制できます。これなら、予算に不安のある事業者でも手が届きやすい金額なため、サイト構築へのハードルを大きく引き下げてくれるでしょう。

メリット3.サーバーの容量を調整できる

3つ目は、サーバーの容量を調整できるということ。

ECサイトでは、急激なアクセスの増加によりサーバーがダウンすることがあります。これではせっかくのビジネスチャンスを逃すだけでなく、ユーザーからの評価が下がることも考えられるでしょう。

クラウド型なら、膨大なアクセスにも難なく対応可能。サービス会社の契約プランもPV数による変動プランが用意されているので、サーバーダウンの心配はありません。繁忙期や閑散期に合わせて柔軟にプランを調整することができるので、無駄のないサイト運営が可能となります。

クラウド型サービスのデメリットは?

次にクラウド型サービスのデメリットについて見ていきましょう。デメリットは次の3つです。

  • サービス側への依存度が高い
  • 個人・小規模ではコスト増の可能性も
  • カスタマイズ性に乏しい

デメリット1.サービス側への依存度が高い

クラウド型のデメリットとして、サービス側への依存度の高さが挙げられます。

クラウド型サービスでは基本的にソースコードは非公開とされています。そのため、サービスの細部まで把握することや、自社で保守管理を行うことができません。

また、自社で開発した機能を追加するといったことができないため、欲しい機能もサービス側のアップデートを待つ必要が出てきます。

デメリット2.個人・小規模ではコスト増の可能性も

コストに関してはメリットの部分でもご紹介しましたが、個人や小規模のユーザーによってはコストが増加する可能性があります。

例えば、ASPなどのサービスなら、より割安な料金でECサイトの構築が可能です。初期費用も数万円程度に抑えることができます。もちろん機能面での制約はクラウド型に比べ多くなりますが、趣味でサイトを立ち上げたい場合や、とりあえずお試しでECに取り組みたいという場合は、ASPがおすすめでしょう。

デメリット3.カスタマイズ性に乏しい

クラウド型のデメリットとして、カスタマイズ性に乏しい点も挙げられます。

アプリ等を利用して豊富な機能を利用できるクラウド型サービスですが、パッケージ型やフルスクラッチ型に比べればカスタマイズできる割合は少なくなります。例えば、サイトデザインで独自色を打ち出したい事業者や、自社独自の機能を目玉にしたいといった場合は、クラウド型では対応できません。

この辺りはサービス手法を選ぶ際の大きなポイントとなるため、まずは「自社がどんな機能が欲しいのか?」「どれくらいの予算を用意できるのか?」明確にしておくことが大切でしょう。

おすすめのクラウド型サービス3選

では、実際にECサイトの構築を目指す際、どのサービスを選ぶのがおすすめなのでしょうか?今回は数あるサービスの中から、とくに人気を集めるサービスを3つピックアップしました。

shopify(ショッピファイ)

shopify(ショッピファイ)

クラウド型サービスの中でも、近年とくに勢いがあるのが「shopify(ショッピファイ)」です。

ショッピファイは2004年、カナダで前身となる事業を起ち上げると、2006年に現在のサービス形態をスタート。その後瞬く間にサービスは人気を集め、2015年にはニューヨークとトロントで上場を果たすまで成長をとげました。

サービスの特徴は、カスタマイズ性の高さと優れた操作性。100種類を超えるデザインテンプレートと、2,500以上の機能アプリが揃っており、事業者のイメージにぴったりなサイトを構築できます。また、直感的な操作を可能にしてくれる管理画面は、円滑なサイト運営の大きな味方となってくれるでしょう。

ショッピファイはSaaS型(クラウド型)として業界で初めて10億ドル(約1,080億円)の売上を達成。175ヵ国でサービスが利用され、店舗数は80万を数えます。2017年には日本法人を設立し、本格的に国内市場に進出。わずか1年で店舗数は4倍、流通総額は2倍に膨れ上がるなど、飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続けています。

ebisumart(エビスマート)

エビスマート

国内EC向けクラウドで、2年連続シェアNo.1に輝くサービスが「ebisumart(エビスマート)」です。

2004年にサービスをスタートすると、2007年に現在のエビスマートに名称を変更。その後、2010年にSaaS型にサービスを一新し、着実な成長を遂げてきました。2017年、2018年には国内シェアNo.1を達成するなど、クラウド型の定番サービスの1つと言えます。

エビスマートの特徴は、頻繁なアップデート。年間190回以上のアップデートが行われており、常に最新のサービスを提供。機能の追加はもちろん、セキュリティ面の強化も万全を期しています。

また、基幹機能以外の拡張性にも優れており、外部機能との連携のために公開されているAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)は709個。事業者のニーズに応えるための体制がきっちり整えられています。

ecbeing(イーシービーイング)SaaS「メルカート」

メルカート

EC構築向けのパッケージサービスとして有名なecbeing(イーシービーイング)。そのSaaS版としてリリースされているのが「メルカート」です。

パッケージ型は、カスタマイズ性や大規模ECへの対応などメリットも多いですが、費用面での負担が大きい点がデメリットと言えます。また、サービスを導入する手間や時間も必要となるなど、小規模や中規模のサイトを運営したい事業者には使い勝手の悪さがありました。

そこで従来のイーシービーイングのサービスを、より手軽に低コストで提供したのが、「メルカート」です。クラウド型としてリリースすることで、より幅広いユーザーの獲得に成功しました。

手軽なカスタマイズやアップデートの頻度などに加え、本家イーシービーイングへの乗り換えがスムーズに行える点も、メリットの1つでしょう。

まとめ

今回は、EC向けクラウド型サービスについて、サービス概要やメリット・デメリットをまとめてご紹介しました。

クラウド型サービスは、頻繁なアップデートにより最新のサービスを利用できる点や、コストを抑制できる点など、複数のメリットが存在します。一方で、サービス会社側への依存度が高くなる点や、パッケージ型などに比べカスタマイズ性に劣る点はデメリットと呼べるでしょう。

国内のクラウド型サービスの中でももっとも勢いがあるのがshopify(ショッピファイ)。世界市場で成功を収めたハイクオリティなサービスで、2017年の日本法人設立により国内ユーザーの利便性も格段にアップしました。

また、2年連続国内シェアNo.1に輝くebisumart(エビスマート)は、クラウド型の強みでもある頻繁なアップデートと外部連携に優れたサービスで支持を集めています。

ecbeing(イーシービーイング)のSaaSサービスとして展開する「メルカート」も、EC構築ノウハウに優れており、見逃せないサービスです。