世界最高峰のクラウドEC「shopify(ショッピファイ)」とは?
2019.07.27世界規模でのEC構築向けクラウドサービスを展開する「shopify(ショッピファイ)」。
クラウド(SaaS)型としては業界で初めて10億ドル(約1,080億円)の売上を達成するなど、世界最大のECプラットフォームとして右肩上がりの成長を続けています。
今回は、国内でのユーザー数も激増する同社のサービスを詳しくご紹介。サービスの特徴や評判、導入事例などを見ていきましょう。
目次
shopify(ショッピファイ)とは?
「shopify(ショッピファイ)」は、カナダのオタワに本社をかまえる、世界的なECプラットフォームサービスです。
サービスの前身は2004年にスタート。わずか3人の創業者でスタートした事業が大きな成功を収めると、2006年に現在のshopifyを設立。同サービスは瞬く間に急成長を遂げ、2015年にはニューヨークとトロントで上場を果たすまでサービスを拡大します。
クラウド上でサービスを提供するSaaS(サース)型としては、業界初となる10億ドル(約1,080億円)の売上を達成。世界175か国で利用されており、サービスを利用して構築された店舗数は80万店舗、アクティブユーザーは100万ユーザーを数えます。
サービス上の売上も10兆円を超えるなど、世界最高峰のECクラウド型サービスとして成長を続けています。
2017年に日本へ本格参入
shopifyは、2017年に日本法人を設立し、国内市場へ本格参入をはたします。参入からわずか1年で、サービスを導入した店舗数は4倍に増加。導入店舗による流通総額は2倍を超え、新規の登録店舗数も3倍に膨らむなど、すべての分野で急成長を遂げています。
近年国内EC市場では、ユーザー・事業者の双方にニーズの高まりが見られ、世界市場で確かな実績を残してきたshopifyが成功を収める土壌は整っていたと言えます。ただ、こうしたアドバンテージを割り引いても、高品質なサービスが事業者から評価されたことに変わりはないでしょう。
shopifyは今後、日本市場でのさらなる成長を目指しています。ターゲットとしてEC化のニーズが高い「地方」に狙いを定めており、近い将来shopifyが国内市場を席巻したとしても、なんら不思議ではありません。
shopifyのサービス3つの特徴
次に、shopify(ショッピファイ)のサービスの特徴について見ていきましょう。
1.デザイン性の高いサイト設計が可能
1つ目の特徴は、デザイン性の高いサイトを設計することができる点です。
shopifyでは、100種類を超えるデザインテンプレートを用意。ユーザーはこの中から好きなデザインを選ぶことができ、イメージに合った最適なサイトデザインを実現できます。
また、テンプレートはパソコンとスマホどちらにも対応するレスポンシブデザインを採用。Googleのモバイルファーストの流れ以降、スマホサイトの構築はECにおける必須項目と言えるだけに、事業者にとってはメリットの大きいポイントと言えるでしょう。
2.2,500以上のアプリと高い操作性で簡単なショップ運営が可能
2つ目の特徴は高い操作性、使い勝手の良さ。
shopifyの管理画面は、直感的な操作が可能となっており、各種機能や分析ツールの管理も簡単に行うことができます。また、店舗管理はスマホやタブレットのアプリからも操作可能で、いつでもどこでも、フレキシブルなサイト運営を実現できます。
豊富な機能も揃っており、マーケティングやSNS連携、SEO対策など、各種目的にあわせて2,500種類以上のアプリを用意。事業者は必要なアプリを簡単に追加することができるので、機能面でのカスタマイズ性も高くなっています。
ECサイトでは、トレンドに合わせた最新機能への対応が随時求められますが、shopifyなら外部サービスとの連携も早く、スピーディーな導入を後押ししてくれます。
3.事業規模に合わせた柔軟な運営が可能
3つ目は、事業の規模に合わせた柔軟な運営を行えるということ。
shopifyは、個人でのショップ運営から大規模サイトまで、さまざまな事業規模に対応したサービスを提供しています。
世界規模でサービスを展開しているとあって、越境ECへの対応もお手の物。越境ECは世界的なトレンドとして導入を急ぐ企業も多いですが、その国にあったサイトデザインや外部サービスの連携など、国内ECとは違ったノウハウが必要となります。
その点、世界中で実績を残しているshopifyなら、結果に繋がるノウハウの蓄積があります。外部連携にも優れていることから、越境ECを目指す事業者にとって心強い味方となってくれるでしょう。
shopifyの利用料金は?
shopify(ショッピファイ)には、目的や事業規模にあわせて3つの料金プランが用意されています。各プランの違いを見ていきましょう。
プランによってサービス内容や手数料に違いがある
プラン | ベーシック | スタンダード | プレミアム |
月額料金 | 29ドル | 79ドル | 299ドル |
(1ドル=108円) | 3,150円 | 8,585円 | 32,490円 |
スタッフアカウント数 | 2 | 5 | 15 |
ギフトカード | - | 〇 | 〇 |
プロフェッショナルサポート | - | 〇 | 〇 |
高度なレポートビルダー | - | - | 〇 |
外部サービスの自動計算 | - | - | 〇 |
上記は、shopifyの料金プランの内容をまとめたものです。掲載項目は、サービス内容が違う部分のみピックアップしています。
「ベーシックプラン」は、個人でのEC立ち上げや小規模のサイト運営を対象としたもの。月額料金は29ドル(約3,150円)と手頃な価格ですが、基本的な機能はしっかり網羅されています。
「スタンダードプラン」は標準的な料金プランで、本格的なEC運営にも対応した機能が整っています。サイトの管理を行えるスタッフアカウント数が2人→5人に増えており、ギフトカードの利用やプロフェッショナルレポートの利用も可能。月額料金は79ドル(約8,585円)です。
「プレミアムプラン」は、より大規模なサイトを運営する事業者向けのプランで、月額料金は299ドル(約32,490円)と高額です。その分サービスの充実度は抜群で、スタッフアカウントは15人、サイトのレポート内容を共有できるレポートビルダーや、外部サービスの自動計算機能も用意されています。大規模ECを運営するには、十分すぎるほどのスペックが整っていると言えるでしょう。
プラン | ベーシック | スタンダード | プレミアム |
クレジット手数料(日本) | 3.4% | 3.3% | 3.25% |
クレジット手数料(海外) | 3.9% | 3.85% | 3.8% |
また、料金プランによって、クレジットカードの手数料も違いがあります。上位プランほど手数料も低く設定されているようです。詳細な内容は、上記の表を参考にして下さい。
shopifyの導入事例をご紹介
80万を超える店舗がサービスを利用しているshopify(ショッピファイ)ですが、具体的にはどのような企業がサービスを導入しているのでしょうか。ここでは、ショッピファイを利用した導入事例をご紹介します。
ファッション┃X-girl(エックスガール)
ニューヨーク発の世界的ファッションブランド「X-girl(エックスガール)」。国内でも爆発的な人気をほこる同ブランドのサイトは、shopifyのサービスを利用した導入事例の1つです。
若い世代向けのファッションブランドらしく、おしゃれさとポップさを兼ね合わせたサイトデザインが特徴。ファーストビューにインパクトある写真を採用しつつ、個別の商品画像はシンプルで分かりやすいデザインにするなど、情報を「詰め込み過ぎない」バランス感覚の良さがサイトの魅力を引き立てています。
各商品ページには購入ボタンだけでなくSNSボタンを用意して、ソーシャルメディアでの拡散を狙う試みも面白いアイデアです。
食品│Kurasu(クラス)
京都に店舗をかまえるスペシャリティコーヒースタンド「Kurasu KYOTO(クラス 京都)」は、shopifyを使ったECサイトが始まりでした。
当初は海外向けに日本の雑貨を提供するサイトでしたが、徐々に人気の高いコーヒー商品に特化。コーヒー器具の取り扱いからはじまり、コーヒー豆の販売も開始。豆はサブスクリプションモデルを採用するなど、トレンドを掴んだ効果的なアプローチで成功を収めています。
その後京都で実店舗の運営をスタートし、国内外から注目を集める人気スポットとなっています。
サイトは越境ECを想定して日本語と英語に対応。シンプルで分かりやすいサイトデザインを取り入れることで、あえて奇をてらわず、コーヒーへの深いこだわりを感じさせる印象に仕上がっています。
>Kurasu KYOTO(クラス 京都)の公式サイトはこちら
雑貨│KANAGU(カナグ)
1903年の創業以来、暮らしの雑貨やインテリアを取り扱ってきた「KANAGU(カナグ)」。職人のこだわりが詰まった商品の数々は、洗練された日本の美意識を形にした逸品ばかり。
KANAGUでは同社の商品を全国から求めるユーザーに対して、shopifyのサービスを利用してECサイトを構築。サイトはブランドイメージを損なわない趣ある仕上がりに加え、SNS連携や詳細な商品ページの作成など、EC運営のポイントをしっかり押さえています。
ブランドイメージを引きたてつつ、ビジネスとして成立するサイトの構築は、カスタマイズ性や機能性に長けたshopifyならではと言えるでしょう。
まとめ
今回は、世界規模でECプラットフォームを展開するshopify(ショッピファイ)のサービスについてご紹介しました。
shopifyはクラウド型のEC構築サービスとして、業界初となる10億ドル(約1,080億円)の売上を達成。サービスを利用して構築された店舗は80万店にのぼるなど、世界最高峰のサービスとしての地位を確立しています。
2017年に日本へ本格参入すると、またたく間にユーザーを獲得。わずか1年で導入店舗数が4倍に膨れ上がるなど、その勢いはとどまることを知りません。
サービスはカスタマイズ性や操作性に優れており、個人展開から大規模運営まで幅広いユーザーが利用可能。料金プランも3種類が用意されており、事業規模に見合った効率的なサイト運営が行えます。
ECサイトの構築を検討中の方で、クラウド型のサービスを探しているなら、間違いなく第一候補に加えておきたいハイクオリティなサービスと呼べるでしょう。