EC向けクラウド型サービス3つのメリット・デメリット

EcWork編集部

ECサイトの構築方法にはさまざまな種類がありますが、近年注目を集めているのが「クラウド型」サービスです。

クラウド上に置かれたプラットフォームを利用してECを構築する手法ですが、サービスのメリットとデメリットはどんな点が挙げられるのでしょうか?

今回は、クラウド型サービスのメリット・デメリットについてご紹介します。

クラウド型サービスとは?

クラウド型サービスとは、クラウド上に存在するプラットフォームを利用して、ECサイトを構築する手法のことを言います。ネットワークを使ってアクセスを行うことから、自社でサーバー設備を用意する必要がなく、常にアップデートされた最新のサービスを利用することができます。

その利便性の高さから、EC事業者での導入も進んでおり、世界的な知名度と実績をほこる「shopify(ショッピィファイ)」や、国内シェア3年連続No.1の「ebisumart(エビスマート)」

パッケージ型として有名なecbeing(イーシービイング)のSaaS(サース:クラウド型サービスの形態の1つ)型サービス「メルカート」などがとくに有名です。

クラウド型は各サービスの「良いとこどり」

では、どうして近年クラウド型サービスが注目集めているのでしょうか?

ECの構築手法として代表的なのが、パッケージ型やASP型です。パッケージ型は、自社に合った細かなカスタマイズが可能です。一方で、費用面での負担が大きく、サイトを立ち上げるまでに手間や時間がかかってしまいます。

ASP型は、クラウド型と同じようにネットワークを通じてサイトを構築するため、コストや導入面での負担を抑えることができます。しかし、機能やデザインの制約が多いことから、独自色のあるサイトを作りたい事業者には物足りないサービスと言えます。

この両手法の「良いとこどり」をしたのが、クラウド型と言えるでしょう。クラウド型なら、ASPのように導入のコストや手間を抑制しつつ、パッケージ型のように自由度の高いカスタマイズを可能としてくれます。

このサービスとしてのバランス感覚の良さが、クラウド型が注目を集める理由で、EC構築向けサービスの中では、近年のトレンドとして注目を集めています。

クラウド型サービスの3つのメリット

メリット

ここからは、クラウド型サービスのメリットについて深掘りしていきたいと思います。メリットは、大きく次の3つです。

メリット1.最新のサービスを利用できる

EC向けクラウドサービス、1つ目のメリットは「最新のサービスを利用できる」点です。

クラウド上にプラットフォームが存在するクラウド型サービスは、サービス会社側が頻繁なシステムアップデートを行っています。これにより、事業者側は常に最新の機能やサービスを利用できることが可能。わざわざ自社で機能を追加する手間も省けることから、スピーディーなサイト運営に繋げることができます。

EC業界は、一般の販売業に比べトレンドの移り変わりが早く、新機能も次々とリリースされています。この流れに対応できず、後手後手の対応に回ってしまっては、売上の拡大は見込めないでしょう。ユーザーが求めるサービスや機能をリアルタイムで提供し、利便性や満足度を高めることが重用です。クラウド型はその点から言うと理想的なサービス形態と呼べるでしょう。

また、セキュリティを最新の状態に保てる点も見逃せないポイントです。大量の顧客情報を扱うEC事業者にとっては、セキュリティの脆弱性は致命的と言えます。アップデートによりセキュリティを最新に保てるクラウド型は、この点でもメリットが大きいと呼べるでしょう。

メリット2.パッケージ型に比べコストを抑制できる

2つ目のメリットは、「コストを抑制できる」ということ。

パッケージ型のサービスでECサイトを構築するとなると、数百万~1千万円を超える初期費用が必要となります。それに加えて新たな機能追加や、セキュリティのアップデートを図るとなると追加のコストも発生するでしょう。

その点クラウド型は、導入費用を数十万円程度からに抑えることができます。パッケージ型に比べれば、大きなコスト抑制が期待できます。また、サービスはクラウド上でアップデートを行うため、機能の追加やアップデートによる費用の増大を心配する必要もありません。

自社でサーバーを管理する必要もないため、ランニングコストを抑えられる点もメリットの1つでしょう。

メリット3.サーバーの容量を調整できる

クラウド型の3つ目のメリットが、「サーバーの容量を調整できる」ことです。

自社でサーバーを用意した場合、一度に大量のアクセスが発生すると、サーバーがダウンする可能性があります。これでは、せっかくの商機をみすみす逃してしまう上、ユーザーのイメージにもマイナスに作用してしまうでしょう。

クラウド型なら、サーバーの容量をその都度調整することが可能。アクセス増加が予想される際は、サービス会社との契約を見直すことで、素早く容量を確保することが可能です。また、閑散期にあわせて容量を減らすことで、無駄なコストを抑制することができるでしょう。

このように、アクセスの増減に合わせて柔軟にサーバ-容量を調整できる点は、クラウド型のメリットと言えます。

クラウド型サービス3つのデメリット

デメリット

ここまで、クラウド型サービスのメリットについてご紹介してきましたが、サービスにはデメリットがあることも覚えておく必要があります。ここからは、クラウド型のデメリットを3つご紹介します。

デメリット1.サービス側への依存度が高い

クラウド型では、「サービス会社側への依存度が高い」点がデメリットに挙げられるでしょう。

クラウド型では、基本的にソースコードを開示していません。そのため、自社で保守管理を行うことができない仕組みとなっています。ソースコードを確認して、システムの全容を把握しておきたいという事業者には、デメリットの1つと言えるでしょう。

また、システムのアップデートが頻繁とご紹介しましたが、必ずしも最新のトレンド機能が追加されるとは限りません。こうなると、今すぐに機能を追加したいという場合や、セキュリティを強化したいというケースでは頭を悩ませてしまいます。

こうしたデメリットをできる限り回避し、円滑なサイト運営を目指すためにも、最初のサービス会社選びが大きな意味を持ってくるでしょう。

デメリット2.カスタマイズ性に乏しい

サービス会社側への依存という意味では「カスタマイズ性に乏しい」点もデメリットに挙げられます。

先ほど、クラウド型はASP型に比べてカスタマイズに幅があるとご紹介しましたが、それでもパッケージ型やフルスクラッチ型に比べれば見劣りしてしまいます。デザインテンプレートや各種機能は用意されていますが、すべてを自由にデザインすることはできません。

ブランドイメージを全面に押し出してサイトを構築したいという場合は、デザインの細部やオリジナルの機能にもこだわりたいところ。こうした事業者には、クラウド型はやや物足りなさを感じてしまうかもしれません。

デメリット3.小規模・個人向けとしてはコストが高い

こちらはASP型と比較した場合のデメリットとなりますが、「小規模・個人向けとしてはコストが高い」点もデメリットの1つです。

個人や小規模でECをスタートする場合、数十万円という費用はかなり高額と言えます。パッケージ型に比べればお得な金額ですが、月額料金で利用できるASPや無料のEC構築サービスと比べると、この差は無視できない額と言えます。

クラウド型を導入する際は、自社の予算や事業規模を念頭におきながら、最適な手法はどれなのか、しっかり検討しておく必要がありそうです。

クラウド型の導入を検討するポイントは?

ここまでクラウド型サービスのメリットとデメリットをご紹介してきましたが、この内容を参考にサービスを導入する際のポイントを確認しておきましょう。

事業規模はどれくらいなのか?

まずは、自社ECの事業規模がどれくらいなのかを検討してみましょう。個人での運営や小規模ECを想定しているなら、まずはASPなどを検討してみるのがおすすめです。その上で、サービス内容に不満がある場合や、もう少し本格的な事業展開を目指すならクラウド型はぴったりです。

また、クラウド型は中規模EC~大規模ECにも対応できます。しかし、パッケージ型のように細部のカスタマイズに対応していない点は、念頭に置いておく必要があるでしょう。一方で、導入の手間やコストの面では、クラウド型に軍配が上がります。

導入予算はどれくらいなのか?

クラウド型サービスを導入するには、数十万円程度の予算は考えておく必要があるでしょう。趣味や個人で手軽にはじめたい人や、とりあえず小規模でスタートしたい型は他の手法を検討する必要がありそうです。

ある程度予算を確保して、将来的にもEC事業の拡大を目指したいならクラウド型ぴったりと言えます。

EC構築ノウハウはどの程度なのか?

自社のEC構築ノウハウの有無も、クラウド型を選ぶ際の参考となります。例えば、フルスクラッチ型を導入するとなると、ある程度の管理運営や機能開発に関する専門的な知識が必須となります。

EC構築ノウハウが乏しく、手軽に本格的なサイトを構築したい場合は、クラウド型サービスを選びましょう。クラウド型ならサービス会社側のアップデートや機能の追加も頻繁に行われるため、事業者のノウハウに左右されにくいと言えます。

まとめ

今回はECサイトの構築方法の1つ「クラウド型」サービスのメリットとデメリットについてご紹介しました。

クラウド型サービスの最大のメリットは、クラウド上にプラットフォームがあるため、アップデートにより常に最新サービスを利用できること。また、導入コストやランニングコストも、フルスクラッチ型に比べ大きく抑制することができ、サーバーの容量を柔軟に調整することも可能です。

一方で、サービス会社側のアップデートへの依存度が高くなる点はデメリットと言えるでしょう。また、個人や小規模事業者からすると、導入コストは高くなってしまいます。カスタマイズ性はフルスクラッチに及ばない点もデメリットと言えます。

上記のように、クラウド型サービスにはメリットとデメリットがそれぞれ存在します。サービスの導入を検討する際は、自社の事業規模や予算、構築ノウハウを一度整理して、どのサービス手法が良いのかじっくり見極めてみましょう。