ecbeingのクラウド型サービス「メルカート」とは?特徴や導入事例をご紹介
2019.07.24「ecbeing(イーシービーイング)」は、EC構築向けサービスを展開する、老舗ブランドです。パッケージ型のサービスとして有名ですが、2017年からはクラウド型(SaaS)サービス「メルカート」の提供をスタートし、大きな注目を集めています。
どうしてクラウド型サービスをスタートしたのか?
パッケージ型との違いはどこなのか?
などなど、今回はecbeingのクラウド型サービスに注目して、その概要や特徴について見ていきましょう。
目次
ecbeingのクラウド型(SaaS)サービス「メルカート」とは?
ecbeing(イーシービーイング)は1983年に創業した、EC構築向けサービスを手掛ける老舗ブランドです。業界シェアは11年連続No.1を数えるなど、同一サービスの中でも屈指の売上をほこっています。
同社ではEC向けのサービスをまるごと提供する、パッケージ型サービスとして地位を確立してきましたが、2017年2月にクラウド型(SaaS)サービス「メルカート」の提供をスタートしました。
※SaaS(サース)とは、クラウド上でソフトウェアを利用できる仕組みのこと。
導入の手軽さと低コスト化を実現
パッケージ型サービスは、事業者のニーズに合わせた柔軟なカスタマイズが可能な上、大規模ECへ対応できるなどさまざまなメリットを持っています。
一方で、初期費用やランニングコストがかさむ点や、導入までの時間や手間が掛かるなど、デメリットも存在します。とくに中・小規模のサイトを立ち上げる事業者向けとは言えず、ecbeingもこうした層に向けてのアプローチに課題を抱えていました。
そこで導入されたのが、クラウド型サービス「メルカート」です。クラウド型はインターネットを使って、クラウド上にあるサービスにアクセスする仕組みで、導入の手間やコストの負担を大きく低減することができます。
メルカートの料金設定は初期費用は300万円~、月額料金は89,000円~。パッケージ型では1,000万円規模の予算を組むことも多いことから、事業者にとってはより手軽にECサイトを構築することができるでしょう。
メルカートの3つの特徴
ここからは、メルカートのサービスが持つ特徴を、3つのポイントからご紹介します。
1.定期的に自動でバージョンアップされる
メルカートの特徴としてまず挙げられるのは、定期的に自動バージョンアップが行われる点でしょう。
これはクラウド型サービスの大きな特徴の1つと言え、ネットワーク上にサービスが存在する大きな利点と言えます。その上、ecbeingでは無料でバージョンアップに対応していることから、コスト面での負担を心配する必要もありません。
また、セキュリティ対策の面から見ても、自動バージョンアップは効果的です。セキュリティ対策は常に最新の状態に保つことが重要で、悪意ある攻撃から自社を守るには定期的なシステムのアップデートが欠かせません。その点サービスを自動でバージョンアップしてくれるメルカートなら、最新のセキュリティ状態を維持することができるでしょう。
2.機能やデザインのカスタマイズ性が高い
クラウド型(SaaS)サービスは、手軽に低コストでサービスを導入できる半面、機能やデザインのカスタマイズ性に乏しいと言われています。
その点ecbeingのメルカートは、100種類を超えるデザインテンプレートを用意。豊富な機能も用意されているので、他のサービスに比べカスタマイズ性の高さも魅力です。
また視点を変えると、デザインテンプレートが用意されているということは、事業者は細かな作業を行わずともおしゃれなサイト構築ができるということ。導入の手間をできるだけ省き、スピーディーなサイト開設を目指すにはうってつけと言えるでしょう。
3.ecbeingへの移行がスムーズ
3つの目の特徴として、パッケージ型のecbeingへの移行が手軽に行える点が挙げられます。
クラウド型は中・小規模のサイト構築にはメリットが大きいですが、より大規模な事業展開や柔軟なカスタマイズを目指すならパッケージ型が適してします。別々のサービスの場合、クラウド型からパッケージ型への移行はコストや手間が掛かりますが、ecbeingなら両方のサービスを提供しているので、スムーズな移行が可能です。
事業展開にあわせた柔軟なサイト構築ができるため、幅広い選択肢を検討することができるでしょう。
メルカートで利用できる4つの機能とは?
メルカートは豊富な機能が揃っているとご紹介しましたが、主な機能は次の4つに分類することができます。
- ショップ基本機能
- 販促施策・定期購入機能
- オムニチャネル・モール連携
- CRM機能
ショップ基本機能
ショップ基本機能では、ECサイトを運営するために欠かせない基本的な機能が用意されています。
商品検索機能や多彩な決済オプション機能、SEO対策やスマホへの完全対応機能などサイトの売上を高めるために用意しておきたい主要機能を網羅。利便性はもちろん、きちんと結果に繋がるサービスが揃っている点は、メルカートが人気を集める理由と言えるでしょう。
販促施策・定期購入機能
ECサイトの売上を高めるには、さまざまな販売施策が必要となってきます。メルカートでは、定期購入機能やフォローアップ、ステップメール機能、キャンペーンやクーポン機能など、多彩な施策に対応できる機能が用意されています。
事業者がいざアクションを起こしたいという時に、該当する施策機能が用意されていないと、一から機能を追加しなければなりません。これだけ充実した施策が揃うメルカートなら、タイムロスが生まれる心配も不要です。
オムニチャネル・モール連携
ECと実店舗を連携させるオムニチャネルや、モールへの出店はECのトレンドの1つです。メルカートでは、こうしたトレンドに対応する機能も搭載。また、POSレジ連携による事業の効率化も可能です。
CRM機能
顧客とのポジティブな関係を構築し、売上の促進やブランディングに活かすCRM施策は、EC運営で大きな注目を集めています。リピートユーザーやアップセル・クロスセルに繋げるには、ぜひとも取り組んでおきたいところ。
メルカートでは、CRM施策に関する機能も用意されており、会員分析や顧客へのアプローチなど多様なアクションを導入することができます。
メルカートの導入事例をご紹介
ここからはecbeingのクラウド型サービス「メルカート」を利用した、導入事例をご紹介します。
オッシュマンズ・ジャパン
アメリカ・テキサス州ヒューストン創業のスポーツショップ「OSHMAN’S(オッシュマンズ)」。その国内拠点の「オッシュマンズ・ジャパン」は、メルカートのサービスを利用してECサイトを構築しています。
同社では従来まで他サービスのパッケージ型サービスを利用していましたが、ランニングコストがかさむためecbeingへの乗り換えを検討。その過程で、自動アップデートやコスト抑制といったメリットが多いメルカートを採用し、現在に至っています。
サイトは白を基調としたシンプルなデザインを意識し、スマホでも閲覧できるレスポンシブデザインを採用。販促機能も積極的に活用することで、売上アップを達成しています。
パッケージ型はカスタマイズ性の高さが魅力ですが、コストや事業者の運営負担を考えると、オッシュマンズ・ジャパンのようにクラウド型に乗り換えるのも選択肢として有効でしょう。
アツギ株式会社
国内で初めて、パンティストッキングの販売を開始した歴史を持つ老舗ブランド「アツギ」も、メルカートのサービスを利用しています。
アツギでは、EC部門のニーズの高まり受けて、サイトのリニューアルを検討。しかし、専門的なノウハウは持っておらず、パッケージ型の導入はリスクが高いと考えていました。
その点ecbeingのメルカートなら、導入から運営まで専門的なスキルがなくとも、本格的なEC運営が可能となります。コストを抑えられる点も、同社にとっては大きなメリットでした。
サイトをリニューアルするにあたって、ユーザーが最適なストッキングを選ぶことができる新機能を導入。利便性を向上することができ、ユーザー満足度を高めることに繋がりました。メルカートが提供している分析ツールを使ったアプローチも効果を発揮するなど、クラウド型のメリットを存分に活かしたサイト運営を行っています。
まとめ
今回は、ecbeingのクラウド型(SaaS)サービス、「メルカート」についてご紹介しました。
メルカートは、パッケージ型サービスを手掛けるecbeingが、より手軽にECサイトを構築したいユーザー向けにリリースしたサービスで、導入の手間やコストを大きく軽減することが可能です。
サービスは自動アップデートに対応していることから、事業者は常に最新のサービスを利用可能。また、クラウド型の弱みと呼ばれるカスタマイズ性も、充実した機能やデザインテンプレートを用意することで、満足度の高いサービスを展開しています。
事業規模の拡大に合わせて、本家ecbeingへの移行も手軽にできるとあって、事業者の柔軟なサイト運営をしっかりサポートしてくれるでしょう。