EC構築向けパッケージ型サービスの特徴をまるっと解説

EcWork編集部

EC構築向けパッケージ型サービスの特徴をまるっと解説

EcWork編集部

「パッケージ型」サービスは、ECサイトを構築するための手法の1つです。大規模のECにも対応することから、大手企業のサイト立ち上げや、事業の拡大に合わせてサービスを移行する際に多く利用されます。

本記事では、パッケージ型サービスの概要や、メリット・デメリット、人気のサービスについてまとめてご紹介しています。パッケージ型について詳しく知りたい方や、導入を検討している方はぜひチェックしてみてください。

パッケージ型サービスとは?

パッケージ型サービスは、EC構築向けのソフトウェアを利用して、サイトを立ち上げる手法のことを言います。ECに必要な基幹機能がパッケージとしてまとめられているので、事業者はこれを使って自社サイトを構築することが可能です。

大規模のECサイトの構築にも対応可能で、カスタマイズ性も高いことから大手企業の総合サイトなどに多く利用されています。また、ASPなどに比べてサポート体制が充実している点も、パッケージ型サービスの魅力でしょう。

その他にも、事業展開に合わせてサイトの規模を拡張したい場合や、より独自性の高い機能を追加したい場合に、パッケージ型に乗り換えるのも多く見られるケースです。

パッケージ型サービスのメリットは?

では、サービスをより詳しく見ていくために、パッケージ型サービスのメリットから見ていきましょう。

1.高いカスタマイズ性

パッケージ型サービスの最大のメリットは、カスタマイズ性に優れていること。サービスの基幹システムに機能を追加することはもちろん、新しい機能をオリジナルで製作することも可能。機能性が充実すれば、ユーザーの利便性も高くなるでしょう。

また、オリジナリティの高いデザインを実現することができるため、他社のサイトとの差別化やブランディングを図ることができます。ECサイトでは他社にはない独自性をアピールすることが売上アップのポイントとなっていますが、パッケージ型ならこの点もしっかりカバーすることが可能です。

2.大規模ECに対応

総合通販などの大規模ECを構築するには、高い技術力や豊富な機能を備えたサービスが必要となってきます。パッケージ型は技術力、機能性の両面で優れており、大量の商品データや顧客情報をしっかり管理することができます。

各サービス会社では、これまでに大規模ECを導入・運営してきたノウハウの蓄積もあることから、新規で事業展開を検討する方も安心してサービスを利用することができるでしょう。

3.サポート体制の充実

パッケージ型は、基本的な運営やセキュリティ対応といった部分を、サービス会社側が担ってくれます。専門のスタッフを整えている場合も多く、施策やトラブル、事業者からのニーズに対して最適な対応を提供してくれるでしょう。

また、EC業界では近年、越境ECやオムニチャネル化、マルチサイトといったさまざまなビジネスモデルがトレンドとなっていますが、それぞれのモデルによってサイト運営のポイントも違ってきます。サポート体制が充実していれば、新たなビジネスモデルに関するノウハウが乏しい場合でも、事業者は積極的なアプローチが可能です。

パッケージ型サービスのデメリットは?

次に、パッケージ型サービスのデメリットについて見ていきましょう。パッケージ型には、サービス導入の際に覚えておきたいデメリットがいくつか存在します。

1.導入コストが高い

1つ目のデメリットは導入コストが高いということ。

パッケージ型サービスは、機能性やサービスのサポート体制が充実している分、導入コストが高くなる傾向にあります。とくにASPなどに比べるとかなり高額となってしまうため、事業者にとっては大きなハードルとなるでしょう。

とくに大規模のサイト構築を目指すなら、コストの増加も見込まれます。サービスを利用する際は、しっかりとした運営計画を立てた上で、採算に見合っているのかしっかり見極めておくことが大切です。

2.ランニングコストがかかる

導入時のコストだけでなく、運営にかかるランニングコストがかさむ点も、パッケージ型のデメリットでしょう。

パッケージ型では、自社独自のサービスを追加するなどするため、通常よりも運営コストが高くなってしまいます。また、比較的大きいサイトを運営するとなると、保守や点検にかかる費用も膨らんでしまうでしょう。

運営面の業務をサービス会社が担ってくれる点はメリットですが、その分コストがかかる点を覚えておきましょう。

3.サイト構築に時間と手間がかかる

パッケージ型でECサイトを構築するとなると、多彩な機能の導入や新機能の開発、細部デザインの修正など、取り組むべきタスクが多くなってしまいます。その分立ち上げまで時間がかかる上、作業の手間も増えてしまうでしょう。

小・中規模のサイトを、できるだけ早くサイトを立ち上げたいという事業者は、ASPサービスなどを利用する方法も選択肢の1つでしょう。

メリット・デメリットから見えるパッケージ型がおすすめなのは?

さて、ここまでパッケージ型のメリットとデメリットを見てきましたが、サービスを導入するのがおすすめのはどんな人(事業者)なのでしょうか?

大規模ECの運営や本格的な事業展開を目指すには最適

まず、大規模のECを構築したい方には、パッケージ型サービスはおすすめでしょう。大規模ECに関するノウハウにも優れているだけでなく、カスタマイズ性も高いことから独自性の高い、柔軟なサイト運営を可能としてくれます。

また、本格的にEC事業を展開したいという方も、パッケージ型が良いでしょう。ユーザーのニーズに応えるための機能が豊富に用意されている上、サポート体制も充実しています。収益性を高めるためのさまざまなアイデアを形にすることが可能です。

一方で、はじめてECサイトを立ち上げる方や、個人や趣味で運営したいという方には不向きと言えます。導入・運営コストも高く、あまりに機能が多すぎることから、必要のない機能も増えてしまうでしょう。こうした事業者の方は、無料のECサービスやASPサービスなどからスタートし、事業の拡大にあわせてパッケージ型へ移行するという流れがベターです。

人気のパッケージ型サービス3選

ここからは、パッケージ型サービスの中でも、ユーザーからとくに人気を集める3つのサービスをご紹介します。各サービスの概要や特徴を見ていきましょう。

ecbeing(イーシービーイング)│業界シェアNo.1をほこる老舗サービス

ecbeing(イーシービーイング)は、EC向けパッケージの代表格とも呼べるサービスです。1983年の創業から着実な成長を続けており、業界におけるシェアは11年連続No.1。導入・運営を手掛けたサイトは1,200サイトを超えるなど、膨大なノウハウの蓄積をほこっています。

サービスの特徴は、多様な業種・業態に対応した複数のパッケージを提供しているということ。「BtoC」や「BtoB」といった定番パッケージはもちろん、「モール型」や「クラウド型」パッケージも提供するなど、ユーザーのニーズに合わせて最適なサービスを提供してくれます。

高いカスタマイズ性をほこる拡張機能や、専門知識に優れたサポートスタッフが整えられているなど、売上アップに繋がるサービスをまるごと利用できるのも魅力です。

EC ORANGE(イーシーオレンジ)│拡張性の高さと多彩な外部連携が魅力

「EC ORANGE(イーシーオレンジ)」は、2006年に提供をスタートしたパッケージ型サービスの1つです。

パッケージ型として珍しい売り切り型の料金スタイルを採用しており、導入コストがやや割高になる分、ランニングコストを抑えることでトータルではお得にサービスが利用できる体制を整えています。これまでに960を超えるサイトを手掛けるなど、導入実績も豊富です。

サービスの特徴は、拡張性の高さと外部連携機能が充実していること。最新のトレンドやサービスにいち早く対応できることで、商機を逃さず、収益性を高めることができます。

「マルチテナント」「BtoB」「越境EC」「オムニチャネル」といった各種モデルへのノウハウも豊富で、事業者の目指すジビネスモデルへの最適解を提供してくれるでしょう。

コマース21│大規模ECの構築に強いサービスを展開

「コマース21(commerce21)」は、1999年から提供されているパッケージ型サービスです。

サービスは、大規模ECの構築に強いという特徴を持っており、これまでにも大手企業のサイト構築を多く手掛けています。事業規模が大きいサイトでは、サイトに掲載する商品点数が多いことや、取り扱う顧客データ多くなるため、高い技術力と大量のデータを扱える体制を整えることが重用です。その点、コマース21では両方の条件をしっかり満たしており、最適な事業運営を可能としてくれるでしょう。

これまでも100億円規模のサイトを手掛けた実績もあるなど、大規模ECに対するノウハウの蓄積は同サービスの大きな魅力です。

まとめ

今回は、ECサイト向けのパッケージ型サービスについての情報を、まとめてご紹介しました。

パッケージ型サービスは、EC向けのソフトウェアを利用してサイトを構築する手法の1つです。EC構築に必要な機能がパッケージ化されて提供されていることから、事業者はサービスを利用してECサイトを構築することができます。

とくに、大規模ECの構築には最適で、カスタマイズ性の高さやサポート体制の充実から、本格的なEC運営にぴったりのサービスと言えます。一方で、導入コストやランニングコストが高くなる点は、デメリットと言えるでしょう。

本記事内では、パッケージ型の中でもとくに人気を集める3つのサービスをご紹介しています。サービスの特徴と自社のニーズを見比べながら、最適なサービスを選んでみましょう。