ECパッケージ型サービスのメリットとデメリットを解説
2019.07.03ECサイトを構築する手法の1つである「パッケージ型サービス」。大規模ECにも難なく対応してくれることから、中規模~大規模のサイトを運営する大手企業にユーザーが多いのが特徴です。
サービスを導入するとなると、サービスのメリットとデメリットはしっかり確認しておきたいところ。
そこで今回は、パッケージ型の導入を検討する事業者の方に向けて、サービスのメリットとデメリットをご紹介していきます。
目次
パッケージ型とは?
パッケージ型とは、ECサイトを構築するサービス手法の1つです。
あらかじめEC運用に必要な機能がパッケージとして整えられており、事業者はサービスを導入することでECの運営の基幹システムをまるごと利用することができます。
また、機能の追加やカスタマイズ性に優れているのも特徴で、自由度の高いサイト設計が可能。サービス会社によるサポート体制も充実していることから、オープンソース型のように事業者が高度なスキルを求められる心配もありません。
人気のECパッケージサービスは?
パッケージ型にはさまざまなサービスが展開されているますが、中でも人気を集めるのが次の3つです。
- ecbeing(イーシービーイング)
- EC ORANGE(イーシーオレンジ)
- コマース21
「ecbeing」(イーシービーイング)は、パッケージ型の定番サービス。業界シェアは11年連続No.1の実績を残しており、これまで1,200を超えるECサイトの導入や運営を手掛けてきました。多様な業種・業態に対応できるサービス体制が整えられており、専任のスタッフによるカスタマーサポートも特徴の1つです。
「EC ORANGE」(イーシーオレンジ)は、小規模~大規模まで幅広いサイトの構築に対応するパッケージ型サービスです。越境ECやオムニチャネル化といった業界のトレンドにも敏感で、カスタマイズや外部サービスとの連携機能にも優れています。960サイトを超える導入実績からノウハウの蓄積が豊富な点も人気を集める理由でしょう。
「コマース21」は、大規模ECの構築に強いサービスを展開しています。事業規模の大きいサイトは、商品点数や顧客情報といったデータ量も多く、高い技術力が必要となります。その点、同サービスでは、これまでにも100億円規模のECを手掛けるなど実績も豊富で、大手企業からも人気を集めるサービスです。
パッケージ型サービスの3つのメリットとは?
ここからは、パッケージ型サービスのメリットとデメリットについて深掘りしていきましょう。
まずは、サービスのメリットからご紹介していきます。
メリット1.カスタマイズ性が高く自由度の高いサイト構築が可能
1つ目のメリットは、「カスタマイズ性が高い」という点です。
ECサイトは年々サイトの数も増加傾向にあり、競争は過熱を極めています。こうした状況を抜け出し、ユーザーを引き付けるようなサイトを構築するにはオリジナリティのあるサイトを目指す必要があります。
パッケージ型サービスは、カスタマイズ性に優れており、機能の追加はもちろん、サイトデザインにも独自色を出すことが可能。そのため、自社の商品やブランドの魅力を引き出す、オリジナリティあるサイト構築を目指すことができ、他社との差別化を図るにはぴったりです。
また、機能の追加に柔軟に対応できるため、ユーザーのニーズやトレンドに対して柔軟な対応も可能。機能が充実し、ユーザビリティが高まれば、サイトの収益性も向上するでしょう。
メリット2.大規模ECに対応可能
パッケージ型サービスのメリットとして、「大規模ECに対応可能」という点も挙げられるでしょう。
大規模ECの構築には、高い技術力はもちろん、大量の商品データや顧客データを管理するだけのデータ容量も必要となってきます。パッケージ型は自社独自のサイトを構築することになるため、サイトの規模にあわせ容量を設定することができ、柔軟な運営が可能となります。
また、パッケージ型サービスを提供する各社は、これまでも大規模ECを構築・運営してきたノウハウに優れています。事業規模が大きくなれば、求められるニーズやトラブル対応の種類も増えるため、蓄積されたノウハウが大きな意味を持ってきます。事業者にとっては、強い味方となってくれるでしょう。
メリット3.サポート体制が充実している
サービス会社による「サポート体制が充実している」点も、パッケージ型のメリットです。パッケージ型を導入する事業者は、比較的規模の大きいサイトの構築を目指しているため、多様なタスクへの対応が求められます。
その点パッケージ型は、サービス会社に専任のスタッフが多く在籍しており、サイトの管理・運営はもちろん、トラブル対応やセキュリティ、マーケティングといったさまざまなタスクに対してきめ細かいサービスを提供してくれるでしょう。
パッケージ型サービスの3つのデメリットとは?
次に、パッケージ型サービスのデメリットについて見ていきましょう。どんなサービスでもコインの表と裏のように、良い点もあれば悪い点もあります。デメリットを知ることで、サービスの全体像をより詳しく把握できるでしょう。
デメリット1.導入コストが高い
パッケージ型サービスを利用する上での最大のデメリットは「導入コストが高い」ということです。
パッケージ型は基本機能も充実しており、カスタマイズ性も高いことから、どうしても導入コストが高額になってしまいます。例えば、ASP型サービスではサービスの機能を限定して、クラウド上で利用することでコストを軽減します。また、オープンソースは専門的な知識を必要としますが、サービス自体は無料で利用することが可能です。
パッケージ型は、機能の制限を取り払い自由度を高めた上、サービス会社側が専門的な知識を提供してくれる形式を取っています。幅広いエリアをカバーしている分、費用も高くなるという仕組みです。
デメリット2.ランニングコストが膨らむ
費用の面では、「ランニングコストが膨らむ」点もデメリットの1つでしょう。
パッケージ型は、サービス会社側が運営やセキュリティの大部分をサポートしてくれるため、保守や点検の作業にコストが発生してしまいます。また、カスタマイズ性が高いという点はパッケージ型のメリットですが、新たに機能を追加するとなると、それだけ費用の負担も増えるということ。この点は、導入前にしっかり確認しておきたいポイントです。
大規模ECを運営するとなると、扱うデータや機能の数も増加することから、ランニングコストがさらに膨らんでしまうことも考えられるでしょう。
デメリット3.導入までに時間と手間がかかる
パッケージ型のデメリットとして盲点なのが、「導入までの時間と手間がかかる」ということ。
自社オリジナルのサイトを構築できるということは、既存のテンプレートを極力使わない方法を選択するため、製作時間が長くなってしまいます。また、自社独自の機能を追加するとなると、開発期間も確保しなければならないでしょう。
事業規模が大きくなれば、細部の設計により時間を割くことになるため、時間と手間がかさんでしまうことになります。できるだけ早くサイトをオープンしたいという事業者には、気になるデメリットと言えるでしょう。
パッケージ型サービスはどんな人におすすめ?
ここまで、EC構築向けのパッケージ型サービスについて、メリットとデメリットをご紹介してきましたが、実際にパッケージ型サービスを導入するなら、どんな人(事業者)がおすすめなのでしょうか?
こんな人はパッケージ型がおすすめ
まず、大規模ECの構築を目指しているなら、パッケージ型サービスの導入はおすすめです。導入や運営コストはかさみますが、その分高品質なサービスと、自由度の高いサイト設計が可能となります。他社との差別化を図り、自社のオリジナリティやブランディングを高めたいなら同サービスが最適でしょう。
また、本格的なEC運営におけるサポート体制を求めているなら、パッケージ型がぴったりです。運営ノウハウにも優れていることから、収益性の高いサイト構築を可能としてくれます。
じっくりと腰を据え、EC事業に打って出たい事業者もパッケージ型がおすすめです。
こんな人はパッケージ型はNG
手軽にECサイトをオープンしたいという方は、パッケージ型は不向きといえるでしょう。導入コストも高く、サイトの構築に時間がかかってしまうため、ニーズを満たすことができません。
また、できるだけコストを抑え、小規模で運営したいという方にもおすすめできません。とくに初めてECに取り組む方や、個人でスタートするという方は、無料のECサービスやASPサービスを選択するのがおすすめです。
まとめ
今回は、EC構築向けのパッケージ型サービスについて、メリットとデメリットをご紹介しました。
パッケージ型サービスは、カスタマイズ性に優れており、自由度の高いサイト構築が可能です。また、大規模ECの構築には最適で、機能面はもちろん、運営ノウハウの蓄積も豊富にあります。専任スタッフによるサポート体制も充実していることから、本格的なEC事業に取り組みたい事業者にとってはメリットが多いサービスといえるでしょう。
一方で、導入コストやランニングコストが膨らんでしまう点は、サービスのデメリットに挙げられます。機能、デザインともに細部までこだわることができる分、サイトの構築まで時間と手間がかかる点も覚えておくとよいでしょう。