パーソナライズ化とは?ECでのメリットや成功事例をご紹介

EcWork編集部

パーソナライズ化とは?ECでのメリットや成功事例をご紹介

EcWork編集部

ビジネストレンドの1つとして、この数年大きな注目を集めているのがパーソナライズ化(パーソナライゼーション)です。

不特定多数にサービスを提供するのではなく、個人に最適化した形でサービスを提供する仕組みで、ECサイトでも導入を進める企業が増えています。

そこで今回は、パーソナライズ化の概要やEC業界での成功事例についてご紹介します。

パーソナライズ化とは?

パーソナライズ化(パーソナライゼーション)とは、個人の属性や購買行動に最適化したサービスを提供するマーケティング手法を指します。

従来までの不特定多数を対象としたマスマーケティングと違い、ユーザー1人1人のニーズに応える、きめ細やかなサービスを提供するのが特徴。顧客の属性や購買行動、興味・関心やニーズにいたるまでを詳細に分析し、それぞれにカスタマイズされた商品やサービスを届けます。

例えば、サービスを利用する最初の段階でユーザーにアンケートを実施。その情報を元に複数の商品の中からもっとも適したモノ(種類やタイプ)を選択し、ユーザーに訴求・販売を行います。

なぜパーソナライズ化が注目を集めているのか

では、なぜパーソナライズ化が注目を集めているのでしょうか。

1つはライフスタイルが多様化したということ。暮らし方や働き方など、現代のライフスタイルは実にバラエティに富んでいます。従来までのテンプレート的なライフプランを選択するのではなく、自分の希望や価値観を実現することが重要される社会になってきました。こうした社会生活の変化は、購買行動にも表れ、より多彩な選択肢の中から自分に最適化された商品やサービスを利用したいというニーズが高まっています。

また、機能性やスペックを重視した「モノ」消費から、体験を重視する「コト」消費へとトレンドが移るなかで、自身の希望や想いを体現して購入するというパーソナライズ商品は、時代との相性が良いといえます。

こうしたサービスを手軽に導入し提供できるデジタルテクノロジーの発展も追い風となっており、EC業界でもD2Cモデルに代表される仕組みが企業・ユーザー双方から注目を集めています。

ECでのパーソナライズ化をのメリット

ここでは、EC事業にピントを絞って、パーソナライズ化のメリットについて見ていきましょう。

ECでのパーソナライズ化のメリットとして、

  • 顧客の囲い込み
  • 継続的な関係の構築
  • 購入体験・ブランドイメージの向上

などが挙げられます。

パーソナライズ化はユーザーにとって利便性やニーズが高いマーケティング手法です。そのため、集客面でのメリットが大きく、新規顧客の獲得はもちろん既存顧客の囲い込みなどサイトの集客に貢献してくれます。

また、パーソナライズ化された商品・サービスは継続率が高く、LTV向上に繋がりやすいといえます。毎回商品を購入してもらう度にフィードバックを得られることで顧客情報が蓄積され、最適化の解像度が高まっていきます。長く使い続けるほどに、質の高いサービスを提供できるといえるでしょう。

質の高いサービスの提供は、顧客満足度や購入体験の繋がります。結果として、サイトのブランド力向上に繋がり、良質なサイクルを生み出せる点もメリットです。

ECサイトでのパーソナライズ化の成功事例3選

最後に、ECサイトにおけるパーソナライズ化の成功事例をご紹介します。

事例1.MEDULLA(メデュラ)

MEDULLA

MEDULLA(メデュラ)は国内初のカスタマイズシャンプーを販売するD2C企業です。

ユーザーは商品を購入する前にサイト内で10個の質問に回答。この結果からユーザーの髪質を診断し、3万通りの候補からパーソナライズ化されたシャンプーを購入することができます。商品はテーマに合わせて香りやパッケージカラーまで変更可能で、ライフスタイルや気分に合わせて「自分だけ」のシャンプーを楽しむことができます。

日本では気候の変動が大きく、既製品のシャンプーが合わないというユーザーも少なくありませんでした。こうしたユーザー向けに最適化された商品を提供することで、大きな成功を収めています。

事例2.FUJIMI(フジミ)

FUJIMI

パーソナライズビューティケアとして展開しているブランドがFUJIMI(フジミ)です。フジミでは、サイト内で実施できる美容分析の内容から、個人の状態や体質にあわせたサプリメントや美容液を調合。美容に特化したパーソナライゼーションを実現することで、「私らしい美(同社HPより)」を提供しています。

美しくありたいというニーズだけなく、個人に最適化することでより質の高い購入体験を得て、リピートユーザーの獲得に繋げています。

事例3.PostCoffee(ポストコーヒー)

PostCoffee

PostCoffee(ポストコーヒー)はパーソナライズコーヒーを提供するD2CモデルのECサービスです。世界約15カ国から高品質のスペシャルティコーヒーを厳選。サイト内のコーヒー診断に応じたお好みのコーヒーを毎月自宅まで届けてくれます。

組み合わせは約15万通りにものぼり、毎日のコーヒータイムを自分好みに最適化することが可能。コロナ禍による巣ごもり消費や在宅勤務の増加もあって、人気を高めているサービスです。

まとめ

パーソナライズ化は、個人の属性や購買行動に最適化したサービスを提供するマーケティング手法のことで、ユーザー1人1人のニーズに応える、きめ細やかなサービス提供が特徴です。

ライフスタイルが多様化し、ユーザーのニーズも複雑化する中で、個人に最適化したサービスを提供する手法は今後ますます注目が高まると予想されます。EC事業においてもパーソナライズ化を導入することで新規の顧客層の開拓や、既存ユーザーとの関係強化など得られるメリットは多いといえるでしょう。