Web広告の出稿前に知りたい!顕在層と潜在層の違い
2022.12.14ECサイトではWeb広告を出稿して集客につなげる取り組みが一般的です。その際、出稿する広告の種類はユーザーに合わせた使い分けが必要となってきます。とくに顕在層と潜在層のターゲットの違いは、広告出稿前にしっかり意識しておきたいポイントです。
今回は顕在層と潜在層の違いや、それぞれのターゲットに対してどのようなWeb広告を出稿すればよいのか解説します。
目次
Web広告では顕在層と潜在層の使い分けが重要
ネット上で取引を行うECサイトではWeb広告を出稿してサイトへの集客につなげます。近年では数多くのWeb広告の種類が存在し、それぞれの広告には特徴や掲載する媒体に違いがあります。
事業者はこうした特徴の違いを把握した上でWeb広告を出稿しますが、出稿前にターゲットとなるユーザーの属性についても理解しておく必要があります。とくに意識しておきたいのが、顕在層(けんざいそう)と潜在層(せんざいそう)です。
まずは両者の違いについて見ていきましょう。
顕在層とは│ニーズがはっきりとしているユーザー
顕在層とは、ニーズが顕在化している(はっきりしている・表面上にあらわれている)ユーザーのことを意味します。
例えば「ランニング用のスニーカーを購入したい」といった具合に目的や課題がはっきりしており、商品やサービスに関してすでに興味や関心が高い層を指します。
こうしたユーザーは「自分に合う商品はどれか」「性能が良いブランドはどこか」など、どの商品やブランドを購入すれば良いのか絞り込んでいく段階にあります。つまり購入に対してのモチベーションが高いということ。EC事業者からすればCV(コンバーション=購入)につながりやすいと言え、集客に成功すれば売上アップが期待できます。
こうしたユーザーには商品やサービスのメリットをしっかりと訴求し、購入につなげる戦略が効果的です。
潜在層とは│ニーズがはっきりしていないユーザー
潜在層とは、ニーズがまだはっきりとしておらず、潜在している(内側に隠れている・表面化していない)ユーザーのことを意味します。
例えば「運動不足を解消したい」「スポーツに挑戦したい」といった課題意識は持っているものの、それを解決するための具体的な方法には辿り着いていません。顕在層の説明で挙げた「ランニング用のシューズを購入したい」といった具体的な商品やサービスには直結しないため、CVにはつながりにくいと言えます。
しかし広告やコンテンツを使って上手に訴求すれば、将来的には見込み客としてサイトの売上に貢献する可能性を持っています。
こうしたユーザーには課題意識をはっきりと持ってもらい、その解決策として自社の商品が候補になるような意識付けを行うのが効果的です。
顕在層だけでなく潜在層の獲得にも広告を出稿する
さて顕在層と潜在層の違いを比べてみると、集客や売上につながりやすいのは顕在層です。ECの目的が「商品を購入してもらい売上を上げること」だと考えれば、顕在層をターゲットに絞った方が効果的に感じます。
しかし顕在層に対しては競合他社もWeb広告を出稿しており、ビッグキーワードには必ずと言っていいほど大手企業が広告を出稿しています。顕在層の獲得はレッドオーシャンという訳です。大手企業と広告予算で戦うとなると中小企業は分が悪く、思ったほどの成果が上がらないケースも少なくありません。
ここで注目したいのが潜在層です。潜在層は購入には直結しにくいものの、顕在層の獲得に比べブルーオーシャンの領域が残っています。こうした領域に広告を出稿し、しっかり潜在層への意識づけを行えば、未来の顧客を獲得することが可能です。また顕在層に比べて潜在層の母数は多いことから、少ないコストの広告費でも中長期的にみれば大きな成果を上げられる可能性がある点もポイントです。
このように顕在層と潜在層の獲得は、競争のハードルに違いがあります。Web広告の出稿は売上につながりやすい顕在層だけに絞るのではなく、潜在層の獲得にも予算を割くことが大切です。
【顕在層・潜在層】出稿したWeb広告の種類は?
さて、ここまで顕在層と潜在層の違いや特徴について解説しました。合わせて顕在層と潜在層はどちらもバランスよくWeb広告を出稿することが大切と解説しましたが、具体的にどの種類のWeb広告を出稿すればよいのでしょうか。顕在層と潜在層でそれぞれ出稿したいWeb広告の種類を見ていきましょう。
顕在層に効果的なWeb広告
- リスティング広告
- リターゲティング広告
- アフィリエイト広告
顕在層へのWeb広告では、購入に直結しやすい広告が効果的といえます。例えば検索キーワードに連動するリスティング広告は、顕在層に効果的なWeb広告です。また過去の訪問履歴から表示されるリターゲティング広告も、モチベーションの高いユーザー向けの広告という点で顕在層向けといえます。この他にもアフィリエイト広告のような成果報酬型の広告も、購入に直結しやすい広告の種類です。
潜在層の効果的なWeb広告
- ディスプレイ広告
- SNS広告
- 動画広告
潜在層へは、商品やブランドへのニーズや認知を高めることを目的として広告を出稿します。例えば、Webサイトの広告枠に掲載されるディスプレイ広告は、商品やブランドの認知を高めるのに効果的です。またSNSやYouTubeなどの動画プラットフォームは、不特定多数のユーザーが頻繁に利用する媒体です。こうした媒体にSNS広告や動画広告を出稿し、潜在層にアプローチしていく方法は効果的といえます。
もちろん潜在層が検索しそうなキーワードを抽出し、リスティング広告を表示するのもおすすめです。この場合はキーワードの選定にじっくり時間をかけて、自分達の商品やブランドに興味を持つ潜在的なニーズを掘り起こす作業から取り組みましょう。
まとめ
今回はWeb広告の出稿前に知っておきたい、顕在層と潜在層の違いについてご紹介しました。
顕在層はニーズが顕在化しているユーザーを意味し、商品やサービスを購入するモチベーションが高い層です。一方の潜在層はまだニーズがはっきりしていないものの、何かしらの課題を解決したい層を意味します。
顕在層は商品購入につながりやすいものの、競合も多くWeb広告を出稿しています。こういった場合は潜在層に対しても広告を出稿し、時間をかけて意識づけを行うのがポイントです。意識づけによりニーズが顕在化すれば、商品の購入につながる見込み客へと成長していきます。
両者の特徴や相性の良いWeb広告の種類を見極めながら、広告の効果を高めていきましょう。