日本のBNPL(後払い決済)サービスを提供する企業7選

EcWork編集部

日本のBNPL(後払い決済)サービスを提供する企業7選

EcWork編集部

日本でも着実な広がりを見せているBNPL(後払い決済)サービス。

矢野経済研究所が発表した調査結果によると、2019年度の国内BNPL市場規模は6,870億円。2024年度には1兆8,000億円まで市場が拡大すると予測され、決済サービスを利用するEC事業者だけでなく投資家からも熱い視線を集めています。

そこで今回は国内の主要BNPLサービスをご紹介します。日本を代表するBNPLサービスの特徴やどのような企業が運営しているのかなど、詳しく見ていきましょう。

日本のBNPLサービス7社を紹介

BNPL(Buy Now, Pay Later)とは後払い決済サービスのことです。

「いま買ってあとから支払う」の言葉通り、手元に現金がないユーザーでもサービス会社が商品代金を立て替えておくことでECでの購入が可能。実際の支払いサービス会社から届く請求書やアプリ画面から後払いをすることができます。

クレジットカードに比べ与信判断のハードルが低い点や分割手数料がかからない(分割回数の制限や、延滞・債務超過の場合は利用できない)点が特徴。メールアドレスや電話番号などを使ったスピーディーな審査で、今すぐ商品を購入したいといったユーザーのニーズを満たします。

当初は海外で、「クレジットカードを持たない・持てない」ユーザーや「無駄な手数料を支払いたくない」といったユーザーから注目を集め、現在では日本でもユーザーが急速に増えています。

では日本のBNPLにはどのようなサービスがあるのか詳しく見ていきましょう。

1.Paidy

Paidy

Paidyは株式会社ペイディが運営するBNPLサービスです。

AmazonやQoo10、Rakutenラクマなど大手ECサイトに導入されており、ECプラットフォームとして人気のShopifyにも標準対応しています。メアドと携帯番号を使った4ステップの簡単登録でサービスを利用でき、3回までの分割手数料無料もサービスの特徴です。

2021年9月には、アメリカの大手決済サービスPayPalから3,000億円で買収され大きなニュースとなりました。金額は国内スタートアップの買収額としては過去最高で、日本人に世界的なBNPLニーズの高まりを印象付けるトピックとなりました。

2.NP後払い

NP後払い

NP後払いは株式会社ネットプロテクションズが提供するBNPL決済サービスです。

日本のBNPLサービスとしては先駆けと呼べ、2021年3月31日時点で全国69,000店舗で利用できるサービス網の広さが強みです。全国のコンビニ・郵便局・銀行・LINE Payなどから支払いが可能で、BNPLサービスとしては珍しいポイント特典が用意されています。

3.atone

atone

atoneも株式会社ネットプロテクションズが提供するBNPLサービスです。

atoneでは事前の会員登録をおこなうことで携帯番号とパスワードのみで利用が可能。またスマホユーザーをターゲットとしアプリから利用履歴を確認できる利便性も特徴です。

その他にもNP後払いではお店ごとに分けて請求されるのに対し、atoneでは1ヶ月分をまとめて支払いが可能です。支払いの手間をより軽減できるため人気を集めています。

4.GMO後払い

GMO後払い

GMOペイメントサービスが提供するBNPLサービスがGMO後払いです。

リアルタイム与信が可能で従来の後払いサービスよりもスピーディーなサービス利用を可能
としました。大手の事業者での導入が多く、事業者が負担する請求書発行手数料や決済手数料が安価に設定されています。

月額料金の違う複数のプランが用意されており、上位プランを契約すれば決済手数料をより低く抑えることが可能です。

5.メルペイスマート払い

メルカリ

メルペイスマート払いはメルカリが運営する決済サービス・メルペイで利用できるBNPLです。

メルカリ内の決済はもちろん、メルペイが利用できるショップであれば後払い決済を利用することが可能。またiDでの決済ができるので、実店舗での利用できるお店が多いのもメリットです。

支払いは翌月1回にまとめて支払われるほか、限度額を設定できるといった点も特徴といえます。

6.PayPayあと払い

PayPay後払い

国内の定番キャッシュレスサービスに数えられるPayPayでも、PayPayあと払いというBNPLサービスを提供しています。

これまではPayPayを利用しているユーザーに対し、属性情報や利用状況などを元に一括払いのみでサービスを提供していました。しかし2022年2月1日から本格的なBNPLサービスとしてPayPayあと払いをスタートし、BNPL市場に本格参入しています。

サービスを利用する際は審査が必要となり、通過後は仮想的なクレジットカード「PayPayカード」がアプリ上で発行され決済サービスを利用できます。

7.アトディーネ

アトディーネ

アトディーネはクレジットカードサービスを提供するJACCSのBNPLサービスです。4種類の料金プランが用意されており、上位プランを選べばサービス手数料を抑えることが可能。手数料の利率も業界で最安値とEC事業者にとって魅力的なサービスとなっています。

またこれまで決済サービスの運営実績が長いJACCSのサービスという点も信頼が高く、サービスの強みとなっています。

まとめ

今回は日本のBNPLサービスを提供する企業をご紹介しました。

国内の後払い決済の市場規模は6,870億円(2019年度)。2024年度には1兆8,000億円に達すると見られ、決済サービスの新たなスタンダードになり得るとして期待されています。PayPalによるPaidyの買収をはじめ、国内外でBNPL関連の買収や資金調達が相次いだけに、今後も市場の動向から目が離せません。