知らずにステマ規制に違反しないために確認したい3つのポイント

EcWork編集部

知らずにステマ規制に違反しないために確認したい3つのポイント

EcWork編集部

本ブログでも過去に紹介したステマ規制が、2023年10月にいよいよスタートしました。これまでグレーゾーンだった部分にもはっきりと「No」が示される場合も多く、事業者は規制に違反しないためにきちんと認識をあらためておく必要があります。

とくに注意したいのが、「知らずにステマ規制に違反してしまう」ケースです。今回は知らずにステマ規制に違反しないためのチェックポイントを3つご紹介します。

ステマ規制とは?

ステマ規制 とは 知らずに

ステマ規制とは、あたかも一般ユーザーが投稿した口コミやSNSを装って商品を宣伝する“ステルスマーケティング(ステマ)”に対して設けられた新たな規制です。景品表示法に記載されており、2023年の10月からスタートしました。

たとえば、

  • 「インフルエンサーに金銭を払ってPRを依頼したにも関わらず、その事実を伏せて宣伝してもらった」
  • 「金銭や対価を払って商品やサービスに有利な口コミを依頼したが、その事実を伏せていた」

といったケースはステルスマーケティングにあたり、ステマ規制に違反します。

違反した場合、消費者庁や都道府県による措置命令の対象に。さらに措置命令に違反した場合、刑事罰として2年以下の懲役または300万円以下の罰金、あるいはその両方が科されることとなります。

これまでステマに対しての罰則規定は設けられておらず、かなり悪質なケース以外は見過ごされてきました。しかし今回ステマ規制が設けられてことで、これまでグレーゾーンだった事業者も明確に違反に該当するケースが増えています。

事業者として規制の内容や認識をしっかり確認し、法律に違反しないよう注意しておきましょう。

>消費者庁によるステマ規制に関する情報はこちら

知らずにステマ規制に違反しないための3つのチェックポイント

さて、悪質なステマが罰せられるのは当然ですが、規制スタート後に増えているのが「知らずにステマ規制に違反している」ケースです。うっかり違反に該当しないためのチェックポイントを3つご紹介します。

1.報酬を支払っていないが違反に該当するケース

1つ目のポイントは報酬を支払っていないが違反に該当するケースです。

ステマでは金銭の授受があった場合が違反にあたると認識されがちですが、たとえばインフルエンサーに商品を渡して紹介してもらう“ギフティング”も、ステマ規制に違反する恐れがあります。商品を紹介してほしいと依頼するのはもちろんですが、商品を渡す際に「○○さんはこんな投稿をしてくれました」と暗に投稿を促すようなやり取りがあれば、これも規制に違反する恐れがあります。

インフルエンサーや取引相手に対してこうした物品のやり取りをする場合は、両者で投稿や発信についての認識を共有する(例:PRタグを付けて投稿する。そもそも投稿しないようお願いする)などしてリスクマネジメントしておきましょう。

2.過去の投稿が違反しているケース

2つ目のポイントは過去の投稿です。

ステマ規制は過去に投稿したコンテンツに対しても罰則が適用されます。規制以前に投稿した内容で違反する恐れがある投稿は削除しておきましょう。投稿内容を編集できる場合は、違反に該当しない内容や「PR」「広告」表記を加えるなどして、対策を講じておきましょう。

3.PRや広告表記の仕方が違反するケース

ステマ規制後の大きな変更として、事業者は広告に対して「PR」や「広告」、「宣伝」といった表記が義務付けられました。ここまでご紹介した金銭の授受があったケースはもちろん、商品の紹介を依頼しているケースや、アフィリエイトを利用しているケースでもこうした表記は必須です。

ステマ PR 表記

しかしこうした文言を表記しているにも関わらず、違反するケースに該当する場合があります。たとえば、

  • PRと記載しているが表記が薄い
  • 大量のハッシュタグに隠されている
  • 意図的に見えづらいように装飾されている

といったケースです。今回のステマ規制では「消費者のより良い商品・サービス選び」や、「自主的かつ合理的に選べる環境づくり」が目的に据えられています。そのため、上記のような文言を表記していても消費者がそれに気付かなければ違反しているとみなされます。

知らずに違反しているケースでも表記の仕方は多い事例なので、自社のサイトや投稿の仕方を再度確認しておきましょう。

まとめ

今回は2023年10月からスタートしたステマ規制の概要と、知らずにステマ規制に違反しないためのチェックポイントとして3つの具体例をご紹介しました。

ステマ規制では企業側が広告(宣伝)に対して「PR」や「広告」、「宣伝」といった表記を義務付け、消費者を保護する目的があります。WebやSNSを使ったオンラインマーケティングは多彩な商品やサービスに接触できる一方で、消費者を欺くような手法がはびこるなど功罪があったのは事実です。

たしかに「PR」や「広告」といった表記は一時的な売上減につながる可能性がありますが、それ以上にユーザーは「虚偽」や「裏切り」に対して敏感に反応する傾向が強くなっています。とくにECのように直接顔が見えない業態は、一度信頼を失うとそれを取り戻すまでに多大な労力と時間を要します。しっかりと規制を守り消費者とフェアな関係性を築くことが、長く見積もる自社にとってプラスになるという認識を持って、真摯な対応を心がけましょう。