PayPal(ペイパル)とは?事業者目線でみるサービスの仕組みやメリット
2021.10.04PayPal(ペイパル)とは、世界で3億人以上のユーザー数をほこるオンライン決済サービスです。
サービスを利用することで、クレジットカードや銀行口座での支払いと受け取りを簡便にすることが可能。ユーザーはIDとパスワードのみの入力で決済を完了でき、事業者は各種の決済方法に一括で対応できるため、ユーザーの獲得や作業効率を高めることができます。
今回はPayPalのサービスの仕組みやメリットについて、事業者目線で解説します。サービスの概要を知りたいかたや、導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
目次
PayPalとは世界3億以上のユーザーが利用するオンライン決済サービス
PayPal(ペイパル)は、世界規模でサービスを展開するオンライン決済サービスです。
ユーザー数は世界3億6000万人以上、サービスを利用できる店舗数は2,400万件を超えるなど、世界有数のオンライン決済サービスとして知られています。
ユーザーは、事前にPayPalへの登録を済ませることで、以降の料金支払いではIDとパスワードのみの入力で決済を行うことが可能。
クレジットカードや銀行決済の際に発生する面倒な入力作業や認証をスキップして、手軽にオンライン決済を完結できます。
事業者は、サービスを導入することでクレジットカードや銀行決済を一括で導入することが可能。PayPalが対応しているサービスへの個別の登録が必要なく、自社サイトの幅広い種類の決済手法を導入できます。
また、初期費用や月額料金は発生せず、取引が発生した際の手数料のみが請求されることから、コストの削減にも貢献してくれます。
Paidyの買収により日本での利便性がさらに高まる
PayPalは2021年9月8日、日本の後払い決済サービスPaidyを買収すると発表しました。買収額は3,000億円(約27億ドル)。
グローバルサービスとして成長を続けるPayPalですが、日本市場のアカウント数は430万件と、思うようなユーザー獲得が進んでいませんでした。
日本は世界的に見てもオンライン決済の普及率が低く、現金主義的な文化が根強く残っています。一方で、コロナ禍の影響を受けて日本ではEC需要が大幅に増加。クレジットカードを持っていないユーザーやセキュリティリスクを警戒する思惑から、後払い決済へのニーズが高まっていました。
そこでPayPalは、国内で高い成長を見せる後払い決済サービスPaidyを買収することで、国内でのユーザーの獲得を狙った訳です。買収後もPaidyのサービスは現状のまま維持され、今後は、Paidy経由でのユーザー獲得や、PayPalの認知度アップが予想されます。
事業者目線でみるPayPalのメリット
さて、ここからは事業者目線で、PayPalのサービスを導入するメリットを見ていきましょう。
1.クレジットカードや銀行口座の支払に一括で対応できる
1つ目は、複数の決済手段を簡単に導入できるということ。
PayPalのサービスを導入すれば、各種クレジットカードや銀行口座からの支払いに一括で対応することができます。スムーズな決済手段の導入を実現することが可能です。
ECサイトなどでは、任意の決済手段の有無が購入を決断する重要な条件となります。自分が利用したい決済サービスが用意されていないと、ユーザーは別のサイトで購入してしまうでしょう。PayPalを導入することで、ユーザーの欲しい決済サービスに対応できれば、顧客の獲得や売上アップに繋げることができます。
また、IDとパスワードだけで簡単に利用できる利便性の高さは、顧客の購入満足度を高める効果も期待できます。
2.入金サイクルが早い
入金サイクルの早さもPayPalのメリットです。
PayPalでは決済が完了したタイミングで、代金が即時アカウントに入金されます。口座への着金は最短3日で対応しており、スムーズな現金受け取りが可能となります。
小規模の事業者にとって、入金サイクルの早さは事業運営に直結するポイントです。PayPalなら入金サイクルが早いため、資金繰りに不安を抱える心配がありません。
3.高いセキュリティで安心安全なショッピングを提供できる
高いセキュリティを提供できることで、安全・安全なショッピングを実現できる点もPayPalの強みです。
PayPalでは個人情報を最高水準の暗号化キーで保護。クレジットカード情報の保護では、国際セキュリティ基準であるPCI DSSに準拠し、すべての取引を2,000人の不正対策チームが365日24時間監視するなど、万全のセキュリティ体制が整っています。
また、事業者はユーザーのクレジットカード番号など決済情報を保持することがないため、セキュリティリスクが低く、セキュリティに関わるコストを抑えることができます。
4.越境ECにスムーズに対応できる
4つ目は、越境ECにスムーズ対応できるということ。
PayPalは世界200ヵ国でサービスが利用されており、対応している通貨は100種類以上を数えます。また、海外での知名度や信頼性も高く、越境ECを展開する際もスムーズな対応が可能となります。
PayPalの手数料
最後にPayPalを利用する際の手数料について見ていきましょう。
日本国内での手数料は3.60%+40円
日本国内でPayPalを利用する場合、利用料金や手数料は次のようになっています。
アカウント開設費 | 無料 |
月額手数料 | 無料 |
銀行口座への引き出し | 無料 |
手数料 (日本) | 3.60%+40円 |
海外取引を行う場合は、4.10%+各国の固定手数料が発生します。各固定手数料は、下記の一覧を参考にしてください。
通貨 | 手数料 |
オーストラリアドル | 0.30 AUD |
ブラジルレアル | 0.60 BRL |
カナダドル | 0.30 CAD |
チェココルナ | 10.00 CZK |
デンマーククローネ | 2.60 DKK |
ユーロ | 0.35 EUR |
香港ドル | 2.35 HKD |
ハンガリーフォリント | 90.00 HUF |
イスラエル新シェケル | 1.20 ILS |
マレーシアリンギット | 2.00 MYR |
メキシコペソ | 4.00 MXN |
新台湾ドル | 10.00 TWD |
ニュージーランドドル | 0.45 NZD |
ノルウェークローネ | 2.80 NOK |
フィリピンペソ | 15.00 PHP |
ポーランドズロチ | 1.35 PLN |
ロシアルーブル | 10.00 RUB |
シンガポールドル | 0.50 SGD |
スウェーデンクローナ | 3.25 SEK |
スイスフラン | 0.55 CHF |
タイバーツ | 11.00 THB |
英ポンド | 0.20 GBP |
米ドル | 0.30 USD |
まとめ
PayPalは世界で3億人以上のユーザー数をほこるオンライン決済サービスです。
サービスを利用することでクレジットカードや銀行口座での支払いと受け取りを簡単に行うことができ、ユーザーの利便性向上や事業者の作業効率化などさまざまなメリットがあります。
2021年の9月には日本有数の後払い決済サービスPaidyの買収を発表し、業界関係者を驚かせました。今後はPaidyのユーザーやノウハウを活かして、日本でのオンライン決済市場での存在感を高めてくことが予想されます。