アクセス解析の定番Adobe Analytics(アドビアナリティクス)とは?特徴や導入事例をご紹介
2020.09.22Webサイトにおいて、ユーザーの行動や流入先を細かく分析するアクセス解析は欠かすことができないものです。とくにECサイトにおいては、詳細なデータを元にしてコンテンツの改善や修正を行うことで、売上を大きく高めることができます。
Adobe Analytics(アドビアナリティクス)は、アドビ社が提供するアクセス解析ツールです。今回は、Adobe Analyticsのサービス概要や特徴、料金について詳しく解説します。
目次
Adobe Analytics(アドビアナリティクス)とは?
Adobe Analytics(アドビアナリティクス)は、アドビ社が提供するアクセス解析ツールです。
アドビといえば、IllustratorやPhotoshopといったクリエイティブ向けのソフトが有名ですが、Webマーケティング向けのツールも数多く提供しています。アドビアナリティクスは、こうしたマーケティング向けのツールを利用できる「Adobe Marketing Cloud」のラインナップの1つ。
Webサイトのアクセスログの収集・解析や、キャンペーンのパフォーマンス測定など、サイトのアクセスを詳細に解析することが可能。顧客の行動や心理を分析することで、サイトの施策追加や改善に役立てることができます。
>Adobe Analytics(アドビアナリティクス)の公式サイトはこちら
ECで年々重視されている顧客体験を数値化
ECサイトでは、これまでも各種アクセス解析ツールを通して、ユーザーの行動や心理を分析してきました。しかし、年々ECにおけるニーズはより複雑で多様化してきています。
従来までの、商品を安く・早く購入できるという利便性だけでなく、サイトで商品を購入することで何が得られるかという「顧客体験」が重要視されるようになりました。D2Cモデルの台頭はその流れの1つといえるでしょう。
今後は、ユーザーの行動や心理をより深く把握し、施策に役立てることが求められていきます。アクセス解析ツールは、高度な分析機能を利用することで、顧客体験を素早く数値化。ニーズやトレンドを掴み、サイト運営を大きくサポートしてくれるでしょう。
Adobe Analyticsの4つのメリット
では、Adobe Analyticsのメリットについて詳しく見ていきましょう。
メリット1.高度な分析機能
1つ目のメリットは高度な分析機能を利用できるということ。
アクセス解析ツールではGoogleが提供するGoogleアナリティクス(GA)が有名ですが、Adobe AnalyticsはGAと比較しても優れた分析機能を備えています。データの粒度を細かく設定することで、実際のデータと遜色ない結果を表示することが可能。
AIや機械学習を採用することで、データを自動分析し異常値の検出などにも役立てることができます。
セグメントを詳細に設定して分析できる点もAdobe Analyticsの特徴で、高度で正確なアクセス解析を実現できるでしょう。
メリット2.カスタマイズ性が高い
2つ目のメリットは、カスタマイズ性が高いということ。
Adobe Analyticsは企業ごとに細かなカスタマイズを行い利用することができます。自社のニーズやサービス形態に応じて、分析項目やレポート画面を変更することが可能。視認性の高いインターフェースもサービスの強みで、事業者が使いやすいツールとして利便性の高さにもこだわっています。
アクセス解析はただデータをチェックするだけでなく、事業者がユーザーの行動や心理をイメージしやすいかもポイントです。カスタマイズ性や視認性の高さは、このポイントを押さえるには欠かせない項目と呼べるでしょう。
メリット3.アドビのツールと連携できる
3つ目は、アドビが提供する各種ツールと連携できるということ。
Adobe Analyticsは「Adobe Marketing Cloud」のラインナップの1つとご紹介しましたが、この強みを活かして他のツールとスムーズな連携を行うことができます。
具体的には、コンテンツの管理を行える「Adobe Experience Manager」やキャンペーンを実行できる「Adobe Campaign」。パーソナライズ化を後押しする「Adobe Target」など、さまざまなマーケティングサービスと連携を図ることができます。
デジタルマーケティングでは、施策を実行するだけでなく、効果測定を行いPDCAサイクルを回すことが重要です。その際、サイトのアクセスデータが貴重な材料となりますが、各ツールが連携していないと、1つ1つのデータをチェックし分析を行う手間がかかります。
Adobe Analyticsのように他のツールとの連携機能が構築できていれば、アナリティクス上でデータを共有しすぐに分析ができるため、作業負担も少なく効率性を高めることができるでしょう。
メリット4.データの独立性を確保できる
4つ目は、データの独立性を確保できるということ。
GoogleアナリティクスはAdobe Analyticsと並ぶアクセス解析ツールの代表各ですが、無料・有料を関わらずツールで収集したデータをGoogleが利用する可能性があります(個人情報は除く)。
その点、Adobe Analyticsでは、データをアドビ社が利用することは一切ありません。
例えば、金融や保険といったセキュリティ性が高い業界では、アクセスデータの独立性をしっかり確保しておきたいもの。サービスの性質上セキュリティ管理をしっかり行いたい事業者には、Adobe Analyticsがおすすめでしょう。
Adobe Analyticsの料金は?
ではAdobe Analyticsの利用料金はどのようになっているのでしょうか?
サーバコール数による従量課金制
Adobe Analyticsは、サーバーコール数による従量課金制を採用しています。
サーバーコール数とは、サーバーを通して何かしらのデータをやり取りした回数で、PVやトラッキングごとに発生します。料金はこの回数に応じて計算される仕組みで、詳細な金額はサイトの規模によって変動します。
詳細は金額はAdobe Analyticsへの問い合わせ後に見積もりを行う流れになりますが、相場として100万円程度が目安とされています。
Adobe Analyticsの導入事例をご紹介
最後に、Adobe Analyticsを実際に導入していう企業の事例をご紹介します。
事例1.株式会社カカクコム
「価格.com」や「食べログ」など、膨大なデータを管理するカカクコムでは、リスティング広告による集客の効果測定に課題を抱えていました。数百万件におよぶキーワードの管理には膨大な負担がかかり、作業効率アップさせ負担を軽減するためのツールを求めています。
そこで導入を決めたのが、Adobe Marketing Cloud。オンライン広告の効果測定はもちろん、Adobe Analyticsを利用したユーザーの行動分析がスピーディーに実行できることで、事業の効率化を実現。費用対効果の高い広告運用が可能となりました。
事例2.アスクル株式会社
個人向けのECサイト「LOHACO」を提供するアスクル株式会社も、Adobe Analyticsを導入している企業の1つです。
ツールを使って顧客を細かくセグメント化して分析することで、効率的な施策の投入が可能に。とくにターゲッティングの精度が高まり、売上を大きく伸ばすことに成功しました。
事例3.Lenovo
パソコンやタブレットといったデジタルデバイスを販売するハイテクメーカー「Lenovo」。同社ではECによる販路の拡大を目指してAdobe Marketing Cloudを導入。同ツールの特徴を活かした施策や改善を実行することで、1,100万ドルのコスト削減やコンテンツ量の53%増加、クリックスルー率の12.5%増加といった目に見える成果に繋げてきました。
同社のECとデジタル戦略を統括するAjit Sivadasan氏は、
「アドビはオンラインのカスタマージャーニーを管理するための、最も包括的なエンドツーエンドのソリューション」
https://www.adobe.com/jp/customer-success-stories/lenovo-case-study.html
と語るなど、ツールに対して絶大な信頼を寄せています。
まとめ
今回は、アクセス解析ツール「Adobe Analytics(アドビアナリティクス)」についてご紹介しました。
Adobe Analyticsは、アドビ社が提供するアクセス解析ツールで、Googleアナリティクスと並びデータ解析の定番として知られています。AIや機械学習を利用した高精度の分析機能や、高いカスタマイズ性、アドビツールとの連携機能などが強みで、収集したデータの独立が保たれセキュリティ性が高い点もメリットの1つです。
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