EC事業者が注目すべきO2Oの成功事例5選

EcWork編集部

近年のEC業界ではオンラインとオフラインを連動させたマーケティング戦略が広く浸透しています。中でもO2O(Online to Offline)戦略は、オンラインからオフラインへという本来の概念に捉われないフレキシブルな取り組みが増えており、成功事例も多く報告されています。

そこで今回は、EC事業者が注目すべきO2Oの成功事例を5つのご紹介します。

O2Oとは?

O2OとはOnline to Offlineの略で、ECなどのオンライン上のユーザーをオフラインである実店舗に誘導し、集客や購入に繋げるマーケティング手法をいいます。

基本的な概念はオンライン→オフラインという方向性ですが、近年ではこの枠に捉われず両社を横断的に行き来することで、ユーザーの購入を促すといった考え方でも用いられます。実際はOMO(Online Merges with Offline)に近い施策を採用しているものの、企業としてはO2O戦略として打ち出しているケースも多く、このあたりの線引きはまだ業界でも過渡期と呼べそうです。

国内EC事業者のO2Oの成功事例5選

さて、O2OとOMOの線引きが過渡期にあるということは、それだけ企業の取り組みにバリエーションが生まれてきた裏返しともいえます。単純なクーポンの配布やプッシュ通知で終わらせるのではなく、各企業が特色ある取り組みを続々と打ち出してきました。

ここからは、国内EC事業者の中でもとくに注目しておきたいO2Oの成功事例を5つご紹介します。

1.ユナイテッドアローズ

ユナイテッドアローズ

ユナイテッドアローズは、積極的なO2O戦略を進めるアパレル企業の1つです。

アパレルは実店舗での販売が定番ですが、近年はECで購入するユーザーが多く、同社でもオンラインでのユーザー獲得に力を入れています。例えば、店舗とECのポイントを共通利用可能にするといった取り組みや、店舗で試着したものの購入に至らなかったお客さまに商品の種類やサイズをメモで渡し、ECでの購入を促すといった施策です。

また、ECから実店舗への来店を促す施策としてスマートフォンからの店舗在庫の確認や、通販で気になった商品を最寄りの店舗で取り寄せ試着できるといった施策も特色ある取り組みです。

ユナイテッドアローズでは2019年に自社ECをZOZOから独立する動きがありましたが、これもO2O戦略を加速させるための取り組みの一貫。いまのところ、ZOZOでの売上シェアが多い点や開発中のシステムが求めるレベルに達していないとして棚上げとなっていますが、再度こうした動きが本格化することも十分予想されるでしょう。

2.ユニクロ

ユニクロ

アパレル業界の覇者と呼べるユニクロでもO2O戦略に力を入れています。とくにアプリとの連携に優れており、実店舗の在庫確認はもちろん、来店時にアプリからバーコードを読み込むことで商品情報やレビュー、オンラインでの購入などを行うことができます。定番のアプリによる割引やクーポンの配布なども人気で、実店舗を多く持つユニクロの強みを活かしつつ、ECやアプリのユーザーを増やす戦略が伺えます。

コロナ禍の影響を受けて実店舗での売上が伸び悩むとみるやライブコマースなどオンラインでの戦略をすぐさま導入。大企業でありながらスピード感のある戦略を採用できるのも、O2O・OMOという視点が企業内で共有できている証左ともいえるでしょう。

3.ニトリ

ニトリ

コロナ禍でECの売上を大きく伸ばしたのが、ニトリです。ニトリといえば大型店舗での対面販売のイメージが強いですが、ここ数年同社では顧客のオンラインシフトを見越してO2Oの取り組みを強化していました。今回の売上増はこうした先手の取り組みが功を奏した格好です。

戦略の中でも重要な役割を担うのが、ニトリの公式アプリ。同アプリでは利用したユーザーへのポイント付与やECでの購入といった定番の機能に加え、特色あるサービスを搭載。大型店舗での商品購入をスムーズにするため、商品の位置情報をアプリのマップで掲載する機能や、画像検索機能も搭載。とくに画像検索機能はユーザー人気が高く、画像で撮影したニトリの商品をすぐに検索できるだけでなく、ニトリ以外の商品でも似た商品を検索し画面に表示してくれます。

インテリア商品はSNSや雑誌などで気になる商品があっても、どこの商品か分からず購入できないケースも少なくありません。ニトリの画像検索機能はこうしたユーザーの課題を解決しつつ、自社商品をPRすることでECでの購入促進に繋げました。

4.東急ハンズ

東急ハンズ

豊富な雑貨を取り扱う東急ハンズでも、O2Oに軸足を置いたさまざまな取り組みを行っています。例えば、全国の実店舗の在庫情報をオンラインで確認できるシステムをはじめ、店舗で購入された商品を「今、コレ売れました!」とリアルタイムで表示。ユーザーの購入意欲を高め、ECの利用や来店を促します。

また、東急ハンズでは店舗やWebで利用できる体験型コンテンツを提供しています。ワークショップや動画によるレシピ紹介など、ユーザーが楽しめる企画を用意して、オンライン・オフラインを問わずブランドの利用を促します。店舗で時間を予約して、専門スタッフによる接客を受けられるサービスも特色ある試みでしょう。

5.ビックカメラ

ビックカメラ

ビックカメラでは、同社のアプリと位置情報を連携させることで、ユーザーが店舗の近くを訪れると来店を促すプッシュ通知を配信しています。家電製品は実際に手に取って確認したいというニーズも多く、プッシュ通知が届いたタイミングで「気になっていた商品を見てみよう」という行動を後押しします。

また、店舗での画期的な取り組みとして導入したのが電子棚札。これは店舗の値札を電子化して表示するシステムですが、ビックカメラでは棚札に自社ECでのレビュー評価も表示。値段と一緒にレビューサイトでお馴染みのの星(☆)が表示され、店舗での購入を後押しします。また、自社アプリを棚札にタッチすれば、すぐさま商品レビューや詳細なスペック情報を確認することが可能です。

実店舗を訪れた際に、大手ECモールやレビューサイトで評価を検索した経験がある方も多いのではないでしょうか?ビックカメラはこうした消費行動のトレンドを掴み、店舗での購入を後押しする一環として電子棚札を採用しました。業界内でも反響は大きく、競合他社が次々と追随していることからも、このサービスの人気の高さが伺えます。

まとめ

今回は国内のEC事業者の中から、O2Oの成功事例を5つピックアップしてご紹介しました。

事例からも分かるように、近年のO2Oはフレキシビリティが増し、OMOに近い形態となっています。冒頭でもご紹介したようにO2OからOMOへの変化は今がまさに過渡期で、今後はよりデータ分析を用いた戦略や、顧客のオンライン・オフラインデータを紐づけた戦略が増えていくでしょう。

EC事業者はこうした動きをきちんとチェックしながら、自社の施策がトレンドやユーザーのニーズから取り残されないよう、絶えずアップデートする姿勢が重要でしょう。