ECサイトのCVR改善に導入したい5つのツール
2020.10.11EC事業者にとって永遠の課題とも呼べるのが、CVR(コンバージョン率)の改善です。サイトを訪れたユーザーのどれくらいが商品の購入に繋がったかを測ることができるため、売上に直結する最重要指標の1つです。
今回は、ECサイトのCVRを改善するために必要な、施策について解説します。各施策ごとのおすすめツールもご紹介していますので、ツール選びの参考にしてください。
目次
ECサイトのCVRは平均で2~3%
CVRとはECサイトの訪問者のうち、何人が商品を購入したのかを測る指標です。
一般的にECでのCVRは平均して2~3%とされています。つまり、100人サイトを訪問した場合、実際に商品を購入してくれるユーザーはわずか2~3人程度ということ。事業者からすれば、この数値を少しでも改善させることが売上を拡大するために欠かせないポイントです。
CVRの改善には利便性と満足度を高める必要がある
では、ECサイトのCVRを改善するポイントはどこにあるのでしょうか?
鍵となるのは、サイトの利便性と満足度です。
ECサイトを訪れるユーザーは、スピーディーかつストレスレスな購入体験を求めています。使いづらく面倒なサイトは購入に繋がりにくく、CVRの改善には不向きです。また、ただ商品を安く購入するだけなら、大手モールにユーザーは流れます。中小規模のサイトが大手に対抗するには、ユーザーに対してきめ細やかな接客やそこでしか得られない購入体験の提供が必要です。こうした満足度を高めるアプローチが、CVRの改善に貢献してくれます。
ECのCVR改善に繋がる5つの施策
ここからは、より具体的にCVRを改善するための施策について見ていきましょう。合わせて、各施策のおすすめツールもご紹介していきます。
1.レコメンドエンジン
レコメンドエンジンとは、サイトを訪れたユーザーの行動や購入履歴を蓄積・分析して、最適な商品レコメンドを表示してくれる機能のことです。
ECサイトを利用していると、「あなたにおすすめの商品はこちら」といった項目が表示されることがあります。これは、レコメンド機能と呼ばれるもので、ユーザーの検索・購入履歴などを元に興味・関心のある商品を自動で表示してくれます。
ECサイトでは、膨大な数の商品が購入できるため、かえってどの商品を買えばよいのか悩んでしまいがちです。そこで、ユーザーに最適な商品をおすすめすることで、CVRのアップを狙います。近年はユーザー個人に密着したパーソナライズ化がビジネストレンドに挙げられますが、レコメンドエンジンはパーソナライズ化を実現するにはぴったりの施策と呼べるでしょう。
おすすめのレコメンドエンジンツール
- さぶみっと!レコメンド
- NaviPlus(ナビプレス)レコメンド
- アイジェント・レコメンダー
- Rtoaster(アールトースター)
さぶみっと!レコメンドは、業界No.1のレコメンドエンジンとして知られており、最短一週間で導入が可能。ユーザーのデータが不足している場合でも商品を自動補填する独自機能で、CVR改善を後押しします。
NaviPlusコメンドは、パーソナライズ化を実現する高性能エンジンを搭載。ユーザーを4つのロジックで分析し、最適なレコメンドを提供します。
アイジェント・レコメンダーは、複数の機械学習を組み合わせることで、高精度のレコメンド情報をリアルタイム表示。成果報酬制の料金システムなどで、費用対効果が高い点もサービスの強みです。
最後は、Rtoaster。掲載されるレコメンド情報を常に最適化するためのチューニング機能を搭載しており、独自のレコメンドをカスタマイズすることも可能。パーソナライズ化されたレコメンド情報を自動で掲載することで、CVR改善に繋げます。
2.Web接客ツール
Web接客ツールとはECサイトを訪れたユーザーに、デジタルテクノロジーを使った接客を提供するサービスをいいます。実店舗と変わらない接客を提供することで、ユーザーの満足度を高めCVRのアップやリピーターの獲得に繋げることができます。
例えば、ポップアップ表示やチャットボット、レコメンド機能などを搭載。ユーザーの行動履歴や属性を収集・分析し最適な接客を自動で提供することで、満足度の高い購入体験を実現できます。
おすすめのWeb接客ツール
- KARTE(カルテ)
- Sprocket(スプロケット)
- Repro(リプロ)
KARTEはユーザーの行動や購入履歴、属性を瞬時に解析・分析し、リアルタイムでの接客を提供可能。プラットフォームにはユーザーの感情や心理状態を可視化して表示する機能が搭載されているため、事業者が直感的にユーザーの状態を把握することができます。
Sprocketでは、IDCJと呼ばれる独自のスタイルを採用しています。Insight(ユーザーの観察)→Design(より最適な接客の提供)→Communication(ユーザーの要望を引き出す)→Judgement(効果測定を行う)の4つのサイクルを回すことで、Webによるおもてなしを実現します。
Reproは世界65ヵ国、7,300以上の企業への導入実績があり、Web接客に関する豊富な運営ノウハウを持っています。シンプルで分かりやすいサービスにも定評があり、ユーザーへの質の高い接客はもちろん、事業者の利便性にも配慮したツールに仕上がっています。
3.サイト内検索
サイト内検索とは、ECサイトを訪れたユーザーがサイト内で商品を探すために利用する検索エンジンのこと。
ECサイトを訪れるユーザーは、ある程度購入する商品を絞ってから訪れるケースが少なくありません。その場合、素早く商品を探せるサイト内検索が用意されていれば、スムーズに商品ページまで誘導し、購入を後押しすることができます。
また、検索エンジンにサジェスト検索や0件ヒット防止といった機能を設けることで、ユーザーの満足度や利便性を高め、CVRの改善に結びつけることができます。
おすすめのサイト内検索ツール
- NaviPlus(ナビプラス)サーチ
- sui-sei
- goo Search Solution
NaviPlusサーチはナビプラスが提供するサイト内検索ツール。「検索精度」・「検索ユーザビリティ」・「システムパフォーマンス」の3つの領域でシステムを細分化し、検索制度を格段に高めることができます。サイトのパフォーマンスを最大限引き出すためのバックアップ体制も整えられており、事業者が安心して利用できるサービスです。
sui-seiは、超高速の検索スピードを実現できるサイト内検索ツール。サイト内検索のレスポンススピードは業界でも屈指で、ユーザーの行動ログやキーワードログを元に分析を行い、細かなチューニングを実施するなど、検索結果の最適化にも効果を発揮します。
goo Search Solutionはポータルサイト「goo」で蓄積した情報を元に、検索エンジンで発生する表記のゆれを抑制。機能は高精度のAI学習を用いて提供されているため、ユーザーの検索意図を汲んだ検索結果を導き出すことができます。
4.決済
近年ECサイトでは、豊富な決済機能の有無がコンバーションに大きく影響を与えています。自分が普段利用している決済サービスが用意されていれば、決済情報の入力を簡略化でき、スムーズな購入に結び付けられるでしょう。
一方で、任意のサービスが用意されているないと、他のサイトへと移動してしまい、コンバーションにいたらないケースも少なくありません。CVRを改善するには、豊富な決済機能を用意して、ユーザーのニーズに対応することが不可欠です。
おすすめの決済ツール
- GMOペイメントゲートウェイ
- ペイジェント(PAYGENT)
- Amazonペイメント
- 楽天ペイ
- NP後払い
- Paidy
GMOペイメントゲートウェイはGMOグループが提供する決済代行サービス。幅広い決済手段を一括で導入できるため、個別のサービスごとの手続きを簡略化でき、ユーザーに幅広い選択肢を提供できます。
ペイジェントは、スピーディーな入金サイクルが特徴。締日から最短5日でのスピード入金可能なため、安定したキャッシュフローを維持することができます。
Amazonペイメントは、Amazonのアカウントを利用して決済を利用できるID決済サービス。登録済みのユーザーは住所・氏名・電話番号・クレジットカード情報といった面倒な入力作業をスキップして購入ができるため、利便性を格段に高めることができます。
楽天ペイも、ID決済サービスの代表格で、楽天経済圏と呼ばれる各種サービスと連携して利用できる点もメリットの1つ。ポイント還元率が高いため、ユーザー人気も高いサービスの1つです。
NP後払いは、近年ニーズを高めている後払い決済サービス。請求書の送付や督促作業といった業務をすべてサービス会社が代行する他、クレジットカードを利用したくない・持っていないといったユーザーのニーズも満たすことが可能です。
Paidyは携帯電話番号とメールアドレスを入力するだけで決済を行える後払い決済サービスで、手軽に利用できる利便性の高さからシェアを伸ばしています。請求書はMSもしくはメールで送信するため、ペーパーレスによる業務でコストの削減を実現できます。
5.カゴ落ち対策
カゴ落ちとは、ユーザーがサイト上で一度商品をカートに入れたにも関わらず、購入(コンバーション)せずに離脱してしまう現象をいいます。
データによればECにおけるカゴ落ち率は、約7割。この数字を少しでも改善し購入へ繋げることができれば、CVRを大きく引き上げることができます。カゴ落ち対策ツールでは、カゴ落ちを軽減させるための施策を導入することが可能。メールマーケティングや回遊率のアップ施策を通して、購入に結びつけることができます。
おすすめのカゴ落ち対策ツール
- カートリカバリー
- KaiU(回遊)
カートリカバリーは、カゴ落ちに特化したMA(マーケティングオートメーション)ツールです。メールマーケティングをサービスと軸に据えており、カゴ落ちメールやステップメール、Htmlメールなどを使ってカゴ落ち率を軽減することが可能です。
KaiUはサイト内の回遊率を高めることを追及した対策ツール。フリークエンシーコントロール機能を使ってユーザーの行動履歴やログイン時間に合わせて広告の表示回数を最適化。また、複数のアニメーションバナーを使い分けることで視覚的・感覚的なアプローチを実現することで、ユーザーの回遊率を高めることができます。
まとめ
今回は、ECサイトのCVRを改善するための施策と、おすすめのツールをご紹介しました。
ECにおけるCVRは2~3%と、非常に低い数字です。それだけに事業者は購入率を高めてCVRを改善させることが求められています。今回ご紹介した施策や各種ツールは、CVR改善を実現し、事業を成長させる強み味方となってくれます。売上の伸び悩みに頭を悩ませているなら、ぜひ各種ツールの導入を検討してみましょう。