完全網羅!モール型ECとは?概要からおすすめサービスまで詳しく解説
2019.09.08ECサイトの運営を考えている方の中で、モール型ECを検討している人も多いのではないでしょうか?
モール型ECは抜群の知名度を武器とした集客力に優れており、EC運営が初めての方はもちろん、本格的に事業展開を考えている方まで幅広いユーザーから人気を集めています。
そこで今回は、モール型ECへの出店を目指している方に、サービスの概要や特徴をまとめてご紹介。モール型のメリット・デメリットから、人気サービスの内容までこの記事を読めば全て網羅できる内容となっています。
目次
モール型ECとは?
モール型ECとは、複数の店舗が一ヵ所のサイトに出店して事業を展開する、ネットショッピングのビジネス形態を言います。
ショッピングモール型と呼ばれることもあり、大元のサイトがモールの運営を務め、個別のショップがテナントを出店するイメージです。
ユーザー・事業者の双方にメリットがある
ユーザーにとっては、1つのサイトでさまざまな商品を購入することができる上、決済を1度にまとめて行えるなど利便性の高さが魅力。
また、事業者にとってもモールの知名度を生かした集客力を利用することができ、ネットショップのハードルの1つとも言える顧客獲得に、大きなアドバンテージを得ることが可能です。
国内モール型ECでは楽天・Amazon・Yahoo!ショッピングが人気
国内のモール型ECでは、
- 楽天
- Amazon
- Yahoo!ショッピング
の3つが人気を集めています。
2018年の国内流通総額を見てみると、楽天が3兆4,310億円で1位、Amazonが2兆7,513億円で2位に位置しています。そこに3位の7,314億円でYahoo!ショッピングが続く状況です。同年の国内流通総額(物販系)が9兆2,992億円であることを考えると、国内シェアの半数以上を3社が占める計算となります。
モール型ECの3つのメリット
それでは、モール型ECの概要をより詳しく知るために、サービスのメリットとデメリットについて深掘りしていきましょう。
モール型ECのメリットは、次の3つです。
- 集客力に優れる
- 出店の手間や労力を軽減できる
- 独自ECに比べてコストを抑制できる
メリット1.集客力に優れる
1つ目は、集客力に優れているということ。モール型ECは、その抜群の知名度から高い集客力をほこっています。ECサイトにおいては、いかにユーザーをショップへ導くかが重要なポイントとなりますが、この点においてモール型ECは大きなアドバンテージを持っていると言えるでしょう。
また、サービスの知名度が高いということは、比例してユーザーに対しての信頼度も高くなる傾向にあります。例えば、商品やブランドの知名度が高くない新興ショップでも、「楽天で販売している」という安心感から、商品の購入に繋がることも少なくありません。これもモール型ECのメリットと呼べるでしょう。
メリット2.出店の手間や労力を軽減できる
モール型ECでは、ネットショップを出店する際にかかる労力や手間を大きく軽減することが可能です。
独自ECを構築するとなると、サイトのデザインや機能、決済や管理システムなどさまざまな準備が必要となります。これは事業者にとっては手間と時間がかかる上、専門的なスキルも必要となってくるでしょう。
その点モール型ECなら、ショップページは基本的にすべて統一されたテンプレートを利用できるので、デザインや機能の導入にかかる労力を大きく軽減できます。事業者にとってみれば、商品さえ用意できればすぐにでも販売できる体制が整っているので、手軽にネットショップ事業に乗り出すことができます。
メリット3.独自ECに比べてコストを抑制できる
コスト面のメリットも、モール型ECの強みと言えます。
独自サイトを立ち上げるには、初期費用の面である程度の金額が必要となってきます。個人や小規模の事業者にとっては大きなハードルとなってくるでしょう。
モール型ECは独自ECに比べ、初期費用やランニングコストがかからず、基本的には成果ロイヤリティだけの支払いです。これなら、資金力に不安のある事業者やランニングコストを抑えたいユーザーでも手軽にショップを開設できるため、魅力的なポイントと言えるでしょう。
モール型ECの3つのデメリット
次に、モール型ECのデメリットについて見ていきましょう。モール型サービスを導入する際には、どのような点を押さえておく必要があるのでしょうか?
- オリジナリティを出しづらい
- 機能面での制約がある
- 利益率が低くなる
1.オリジナリティを出しづらい
まず考えられるデメリットとして、ショップのオリジナリティを出しづらいという点が挙げられます。
先ほども少し触れましたが、モール型ECではショップページは統一されたデザインです。これは手間や労力がかからないというメリットがある一方、自社のオリジナリティを出しづらいというデメリットが発生してしまいます。
ともすれば、モールの名前は覚えていても、ショップや商品名までは覚えてくれない…といったケースも考えられるなど、ブランディングを強化する上ではネックとなってくるでしょう。
2.価格競争に陥りやすい
価格競争に陥りやすい点も、モール型ECのデメリットです。
オリジナリティが出しづらくなると、どうしても価格面での競争に傾きがちです。とくにモール型ECでは同じ商材を取り扱うショップも多数存在することから、モール内での競争も激しくなります。
ユーザーからすれば、同じ商品ならより安い方を選ぶのが消費者心理でしょう。こうなってくると、事業規模の大きいショップが有利となるため、売上にも影響を受けることになります。
3.機能面での制約がある
3つ目のデメリットは、機能面での制約があるということ。
モール型ECではショップの機能をサービス側に依存してしまうため、機能面に制約が発生してしまいます。自分たちが欲しい外部サービスも、モール側の対応を待つことになり、自由なショップ運営の足かせになりかねません。
こういった点では独自ECの方が断然優れており、サービス選びの判断が分かれる部分です。
人気のモール型ECの特徴をご紹介
最後に、国内の人気モール型EC3社の特徴について見ていきましょう。
1.楽天(楽天市場)
- 知名度を生かした集客力
- 充実したサポート体制
楽天(楽天市場)は1997年にスタートしたモール型ECサービスです。
日本でもいち早くEC事業に乗り出し、2000年には株式を公開。2018年の国内流通同額ではNo.1に輝くなど、モール型ECではトップの地位を築いています。
楽天の強みは、同社の知名度を生かした集客力。楽天は近年プロスポーツチームの運営や提携をはじめ、多様なサービスに積極的に進出することで企業価値を高めてきました。この取り組みはモールの集客にも大きく貢献しており、事業者にとっては魅力的なポイントと言えるでしょう。
また、サポート体制の充実も、楽天の魅力です。楽天では、ショップごとに専任のコンサルタントを用意。サイト運営に関する不安や疑問に真摯に向き合ってくれます。加えて「楽天大学」を通してマーケティングに関する専門的な知識を学ぶことができるなど、同サービスの大きな特徴となっています。
2.Amazon
- 初期費用・月額料金が安い
- FBAでサイト運営を代行してもらえる
Amazonは、世界に名立たるモール型のECサービスです。1995年に書籍販売事業からスタートすると、一気に業界を席巻。2000年に日本法人の設立とともに国内事業を本格化すると、瞬く間に売上を拡大していきました。
Amazonでは「Amazon出品サービス」を利用して、ネットショップを開設することができます。店舗単位ではなく、商品単位で出品できる「マーケットプレイス型」を採用することで、より手軽にEC事業を運営することが可能となりました。
また、初期費用は無料、月額料金は4,900円と手頃な価格でサービスを利用できます。同社が手掛けるFBA(フィルメントby Amazon)を利用すれば、商品の保管から注文処理、配送、返品までをすべてAmazonに代行してもらえるため、事業者の負担を大きく軽減することが可能です。
3.Yahoo!ショッピング
- 出店料が無料
- ソフトバンクグループという強み
Yahoo!ショッピングは、Yahoo!JAPANが運営するモール型ECサービスです。1999年にサービスを開始すると、Yahoo!の知名度を生かした集客力を武器に着実に成長。Tポイントとの連携など、ユーザーにとってメリットが多い点も人気の秘密です。
Yahoo!ショッピングでは2003年「eコマース革命」の合言葉のもと、初期費用・月額システム利用料・売上ロイヤルティをすべて無料化することを発表しました。この取り組みは事業者からの反応が大きく、サービス拡大の転換点となりました。
また、サービスはソフトバンクグループが提供していることから、同グループ内の他サービスとの連携も充実。例えば、キャッシュレス決済で人気を集めている「PayPay」にいち早く対応するなど、グループならではの強みを発揮しています。
まとめ
今回は、モール型ECへの出店を検討している方に向けて、サービスの概要やメリット・デメリット、人気のモール型サービスについてご紹介しました。
モール型ECは、サービスの知名度を生かした集客力が大きな特徴で、手軽にネットショップを開設できる点も魅力の1つです。
国内では、楽天・Amazon・Yahoo!ショッピングが3強を形成しており、今後もこの3社を中心とした競争が予想されます。各社ともサービス内容に違いがあることから、強みがどこにあるのか見極めて、出店先を検討してみましょう。