ShopifyのAIコマースアシスタント「Sidekick」とは?サービス内容を解説

EcWork編集部

ShopifyのAIコマースアシスタント「Sidekick」とは?サービス内容を解説

EcWork編集部

Chatgptの登場以降、テクノロジーの進化が止まらない生成AI分野。Shopifyでも2023年4月に生成系AIを導入したサービス「Shopify Magic(ショッピファイマジック)」を発表し、EC×AIで新たな領域を切り拓くのではと期待が高まっていました。

そんなShopifyが2023年7月末に開催された「Shopify Editions Summer ‘23」で発表したのが、初のAIコマースアシスタント「Sidekick(サイドキック)」です。

今回はEC事業者(マーチャント)から大きな注目を集めているSidekickの概要について解説します。

ShopifyがAIコマースアシスタント「Sidekick(サイドキック)」をリリース

Shopifyがアップデートや最新のテクノロジーについて発表するShopify Editions。毎年夏と冬の2回開催され、毎回大きな話題となるリリースが飛び出してきました。

2023年7月28日に開催されたShopify Editions Summer ‘23では、過去最大となる100種類以上の機能アップデートが紹介されましたが、中でもマーチャント(事業者)の注目を集めたのがAIコマースアシスタントのSidekick(サイドキック)です。

Shopifyでは2023年4月に生成系AIを導入したサービス、Shopify Magic(ショッピファイマジック)のリリースを発表。すでにマーチャント向けに商品レビュー機能などを提供していましたが、今回のSidekickはAIを用いたサービスの中核を担う存在と期待されています。

SidekickではAIが事業の改善や効率化を支援してくれる

SidekickではShopifyのサービスページ上でAIと会話をしながら、ECの業務改善や効率化を実現できます。例えば、

  • 顧客分析
  • テーマ編集
  • 商品の割引
  • ブログの自動投稿

といった機能にAIが対応してくれます。

これまでは事業者はShopifyに関する疑問やサイト運営の不安があった場合、FAQやエンジニアにわざわざ問い合わせる必要がありました。しかしSidekickを利用すれば、チャット形式でAIが質問に対して瞬時に回答。よりスマートに、よりスピーディーにECサイトの運営を実現できます。

※Shopifyの公式YouTubeでは実際にShopify MagicやSidekickを操作する画面が紹介されています(字幕視聴推奨)

【使用例】チャットで指示を出すだけでEC業務をサポートしてくれる

ではShopifyの公式ページで紹介されている情報を元に、Sidekickの具体的な使用例を見ていきましょう。

割引設定

こちらは6月のシーズンセールに向けて割引設定(Shopifyではクーポンコードを発行する仕組み)を行う内容です。必要な要素を満たしさえすれば、その場ですぐにクーポンコードが発行されます。

顧客分析

Shopifyには独自のレポート機能が用意されていますが、毎回必要なデータをチェックし分析するには手間がかかります。Sidekickではそんな場面でも会話形式で簡単に顧客分析データを抽出でき、正確な判断をサポートしてくれます。

ブログの自動投稿

言語生成AIがもっとも能力を発揮する分野に、ブログやメルマガといった文章作成業務が挙げられます。

Sidekickでもコンテンツを手軽に作成でき、SEO向けのKWを元にしたブログ記事や、ユーザーの属性に合わせたメルマガの作成などを手軽に実行できます。

まとめ│サービスは2023年8月よりベータ版をリリース。機能は無料で利用可能

直近のAIテクノロジーの進化は、これまでのビジネスのあり方を大きく変える可能性を秘めています。今回Shopifyが発表したSidekickもEC分野で大きなインパクトを与えると予想されます。すでに生成AIを使ったサービスは国内外でリリースラッシュが続いていますが、Shopifyのサービス内でECに特化した機能を利用できる点は事業者にとって計り知れないメリットです。

Shopifyでは2023年8月にベータ版としてSidekickをリリース予定。サービスは現在のサブスクリプションに含まれるため、無料で利用できます(今後プランにより使用できる機能を指定する可能性はあり)。

まずは限定公開期間として一部の事業者にのみサービスが提供され、対応する言語は、英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、イタリア語、日本語、ポルトガル語(ブラジル)、中国語(簡体字)の8つ。日本語も含まれており、国内のEC事業者も続報に期待が高まります。