Googleが日本向けに「About this result」をリリース。気になる機能の中身を解説

EcWork編集部

Googleが日本向けに「About this result」をリリース。気になる機能の中身を解説

EcWork編集部

Googleでは2022年11月1日に「About this result(この検索結果について)」と呼ばれる機能を日本向けにリリースしました。

同機能はGoogleの検索結果画面から、検索結果の詳細を確認できる機能です。サイトを開く前にページの情報やセキュリティの信頼性を確認でき、検索品質の向上が期待できます。

今回はAbout this resultの詳しい概要やなぜ導入されたのか、EC事業者の対策について解説します。

About this resultとは?

About this resultとは検索結果画面からサイトの詳細を確認できる機能です。日本語では「この検索結果について」と訳すことができ、言葉通りユーザーが検索した結果について、サイトを開く前に確認することができます。

同機能では

  • サイトの運営元
  • セキュリティ状況(SSL対応の有無)
  • サイトが登録された年月
  • 広告かどうか

といった情報をすぐに確認できます。またWikipediaに情報が掲載されている場合は、Wikipediaの文章が表示され、サイトの信頼性や内容の確認に役立ちます。

Googleでは同機能を2021年から英語版でリリースしていましたが、2022年11月1日から新たに日本を含む8言語でサービスの提供をスタートしました。

About this resultの確認方法

実際にAbout this resultを確認する方法を見ていきましょう。

About this resultは検索結果の横に表示される3個の「・」マークから確認できます。

About this result の検索結果

上記は本サイトの検索結果のAbout this resultを表示したものですが、サイトが登録された年月やサイトのセキュリティ状況、広告の有無などが表示されます。

About this result 楽天 検索結果

楽天で検索してみると、Wikipediaの情報が記載されているためより詳細な情報を確認できます。

このように、About this resultの機能を活用することでユーザーは検索結果の情報をいち早く確認し、信頼の置けるサイトにアクセスする手助けとなります。

機能の導入は検索品質とメディアリテラシーの向上が狙い

今回GoogleがAbout this resultの機能をリリースした背景は大きく2つです。

  1. 検索品質の向上
  2. メディアリテラシーの向上

1つ目は検索品質の向上です。

膨大な情報が飛び交う現代社会では、根拠や信頼性の乏しいページも数多く出回っています。Googleではこうした情報を整理し、質の高い情報に提供を目指しています。過去の検索アルゴリズムのアップデートを含め、今回のAbout this resultも検索品質を高めGoogleの理念を実現することが狙いです。

2つ目がメディアリテラシーの向上です。

新型コロナウイルスのパンデミックは、ウイルスの脅威だけでなく情報に対しての信頼性が大きく問われる出来事でした。例えば「新型コロナウイルス ワクチン 危険」と検索した場合、キーワードとの関連性だけを重視すると「ワクチンが危険である」といった情報だけが上位表示されてしまいます。これでは信頼できる情報に辿り着くことができず、ユーザーの不安や混乱を招く恐れがあります。

Googleは検索アルゴリズムのアップデートだけでなく、About this resultのようにユーザーが自らが情報の信頼性を確認できる機能を提供することで、メディアリテラシー(メディアの情報の真偽を確かめる力)の向上に結び付けることを目指しています。

about this result 再検索

例えば、「速報的な情報(ニュースやSNSでリリースされた場会の情報など)」は真偽がまだ定かではない可能性があり、情報の信頼性を担保できない可能性があります。Googleは検索されたトピックの情報が急速に変化している場合や、様々な情報源がまだ考慮されていない場合は、About this resultで上記のような画面を表示することで、ユーザーに対して冷静に情報を見定めることを求めています。

About this resultの導入に対してEC事業者ができることは?

ここまでAbout this resultの機能について解説してきましたが、EC事業者が気になるのが「どのような対策を取るべきか」という点です。

EATや専門家のコンセンサスを意識してコンテンツを制作する

About this resultは検索品質の向上を目指す機能です。なにか特別な対策を講じる必要はありませんが、これまでと同様に「質の高いコンテンツ」を制作する意識が大切です。質の高いコンテンツ制作のヒントとなるのが、Googleが提供している「検索品質評価ガイドライン」です。

同ガイドラインではEATと呼ばれる基準がGoogleの評価指標として公開されています。EATは、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の3つの頭文字を取ったもので、これまでもコンテンツ制作やSEOでは重要な基準とされてきました。また、ユーザーをだましたり、暴力やヘイトを広めてしまうコンテンツや、マルウェアなどの脅威があるサイトもGoogleは評価しないことを明言しています。

この他にも、近年とくに意識したいのが専門家によるコンセンサスです。「誰が書いたのか」「誰のお墨付きを得たのか」といった部分はGoogleが評価している部分で、事業者もしっかり意識したいポイントです。例えば、自社がノウハウに乏しいコンテンツは専門家の監修を依頼し、そのことを明記するといった取り組みは大切です。

最後に、SSLをはじめサイトのセキュリティ対策が未対応の場合は、対策を急ぎましょう。

まとめ

今回はGoogleがリリースした「About this result」について解説しました。Googleでは近年情報の信頼性や検索品質の向上に特に力を入れています。これまでも大規模なアップデートを繰り返してきましたが、近年は細かなアップデートを頻繁に実施し、信頼性や検索品質の向上を加速させている印象です。

一時的な上位表示欲しさにグレーなSEO施策に取り組むのではなく、「ユーザーにとって有益なコンテンツ」という原理原則を強く意識することが、EC事業者には強く求められています。