今話題のDXとは何か?ECでの活用方法は
2022.10.19近年ビジネスの現場で盛んに取り上げられているのがDXです。DXとはデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略で、デジタル技術を用いて、生活やビジネスが変容していくことを意味します。
言葉は理解できても実際にどのような目的や意味があるのか、きちんと理解できていない方も多いのではないでしょうか。そこで今回はDXとは何か?ECにどのように取り入れていくのか?について解説します。
DXとは?
DXとはデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略で、企業がデジタル技術を用いて、生活やビジネスを変容していくことを意味します。
日本の経済産業省では2018年にDXについて次のように定義しています。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
https://www.meti.go.jp/index.html
例えば、ECはDXの分かりやすい事例の一つです。これまで実店舗で購入するのが当たり前だった世の中に、デジタル技術を用いることでオンラインで商品が購入できる選択肢を提供しました。まさにデジタル技術を用いて生活やビジネスを変容させた事例です。
またスマートウォッチのようなIoT機器もデジタル技術を用いた変容という意味ではDXの一部と呼ぶことができます。
DXとデジタル化の違いは?
さて、DXとデジタル化は違うのか?という話題はよく挙がる疑問の一つです。
デジタル化はITツールや技術を用いることをいい、DXにおける「手段」と言えます。例えば、CDやDVDで楽しんでいた音楽や映画が、音楽配信や映像配信といったデジタル上で楽しめるようになったのはデジタル化です。
これがサブスクリプションモデルで、いつでも・どこでも使い放題でコンテンツを楽しめるようになった、という場合はユーザーの生活やビジネスモデルそのものに「変容(トランスフォーメーション)」が行っています。これがDXです。
つまりDXはデジタル化にプラスして、ビジネスモデルの変化やユーザーの行動変容、業務形態の変化といった「トランスフォーメーション」が起こる事象を指します。これがデジタル化とDXの違いです。
ECにどうDXを取り入れていくのか
さてEC事業者として気になるのが、ECにどうDXを取り入れていくのか?です。冒頭でも触れたように、ECはDXの分かりやすい事例で、ビジネスモデルそのものはすでにDX化されているといえます。
とはいえ、まだまだDXに取り組む余地が残されています。ECにおけるDXの具体策としては、次の2つが軸となってくるでしょう。
1.業務の効率化
1つ目は業務の効率化です。ECはデジタル技術と相性がよく、まだまだ業務の効率化や変容に取り組む可能性は秘められています。
例えば、ITツールや自動化ツールを導入することで、顧客管理や在庫管理、物流の効率化を図ることができます。また、顧客データの分析や活用にAIを用いることで、より精度の高い行動情報を取得することが可能です。社内ですべてのデータを共有できる仕組みを採用すれば、業務効率の改善やカスタマー対応の向上が期待できるでしょう。一例を挙げると、チャットボットの導入は電話やメールによるカスタマー対応の負担を軽減し業務効率改善する「変容」を実現できます。
まだまだEC事業者でもレガシーシステムで業務を進めている事例は多く、オペレーションにデジタル技術による無駄の削除や効率化できる箇所がないか洗い出してみましょう。
2.顧客体験の向上
ECでのDXのもう1つの軸が、顧客体験の向上です。
例えばサイト内検索機能の向上やレコメンド機能の充実は、顧客体験の向上につながります。この他にも、チャットボットの活用やパーソナライズ化、オンライン決済の充実といった分野も顧客体験の向上につながるDX施策です。
ECでは近年、商品をただ販売するだけでなく、サイトの訪問時や購入時にどんな体験ができるかといった「付加価値」が重要視されています。DXによる顧客体験の向上はこうした付加価値を提案する上での打ち手としても期待されます。
まとめ
今回は、DX(デジタルトランスフォーメーション)についてご紹介しました。
ECはWeb上でビジネスに取り組むという点で、DX化に取り組みやすいビジネスです。近年は各企業でも、各種ツールを用いることで、DX化を加速させる取り組みが増えています。とくにECでは、1.業務の効率化と2.顧客体験の向上がDX化の両輪と呼べ、ビジネス“変容”のポイントとなります。