いま、ECでコンテンツマーケティングが見直されている理由とは?

EcWork編集部

いま、ECでコンテンツマーケティングが見直されている理由とは?

EcWork編集部

コンテンツマーケティングといえば、ECでは定番のマーケティング手法です。ユーザーに対して価値あるコンテンツを提供し顧客の獲得に繋げることが目的ですが、近年その手法があらためて注目を集めています。

今回は、コンテンツマーケティングの概要と、なぜあらためて見直されているのかについて解説します。

コンテンツマーケティングとは?

コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供することで、潜在顧客の獲得や既存顧客のファン化、ブランド価値の向上を目指すマーケティング手法のことをいいます。

海外で注目が集まり、国内でも2010年頃からコンテンツマーケティングが急速に拡大。ECサイトを運営する企業もこぞってコンテンツの作成に乗り出すなど、集客や売上拡大に繋がる強力な施策として定着しています。


【コンテンツマーケティングとコンテンツSEOの違い】

コンテンツマーケティングと似たマーケティング手法に、コンテンツSEOが挙げられます。

コンテンツマーケティングにおけるコンテンツとは、ブログや動画、SNS、メルマガ、セミナーなど幅広い施策が該当します。一方でコンテンツSEOは、Web検索向けの施策で、あくまでもSEOによる検索順位の向上を目的としています。そのため、コンテンツマーケティングがオンライン・オフラインをまたいで施策を実行するのに対し、コンテンツSEOはオンラインに限定した施策となります。

ECでコンテンツマーケティングを実施する場合、実店舗をもたない企業はコンテンツSEOに特化するケースも少なくありません。ただ、どちらの手法でもユーザーに価値のあるコンテンツを提供するという原則に変わりはないことを押さえておきましょう。


コンテンツマーケティングの特徴

コンテンツマーケティングの特徴として、「ユーザーを起点としたマーケティング」手法であることが挙げられます。従来までのマスマーケティング(TVや新聞広告)では、商品やサービスの強みを伝えることが重視される「企業を起点としたマーケティング」が採用されていました。

しかしコンテンツマーケティングでは、ユーザーが知りたい情報や疑問・不安を持ったことなど、ユーザーの興味や関心に軸が置かれています。ユーザーに寄り添ったアプローチができるため顧客満足度も高まり、中長期的なファン獲得にも繋がります。

また、広告のような直接的な集客ではなく、あくまでもユーザーに価値のある自然な形で提供するため、広告に対してのアレルギーを起こしにくい点もメリットといえるでしょう。

ECでコンテンツマーケティングが再注目される3つの理由

潜在顧客の獲得やファン化に繋がるコンテンツマーケティングですが、実は近年その価値が見直されています。

実はコンテンツマーケティングは2016年前後に一度、大きな転換点がありました。背景にあったのは質が低く真偽が不透明なコンテンツが大量に出回ったこと。いわゆる「WELQ(ウェルク)」事件として社会問題にもなり、Googleによる大幅なアルゴリズムアップデートにも繋がりました。企業としてもコンテンツを作成する責任が一層高まり、制作に手間がかかることからコンテンツマーケティングから撤退する企業も続出しました。

こうした経緯からコンテンツマーケティングは「ブームが過ぎた」という声も聞かれますが、実は2021年現在、あらためてコンテンツマーケティングが評価される流れが生まれています。その理由を3つの視点から解説しましょう。

1.コロナ禍による対面型マーケティングの減少

コロナ禍により、対面型のマーケティングが減少したことは、コンテンツマーケティングがあらためて注目を集める大きなきっかけとなりました。

感染予防の観点から、対面型のマーケティング手法が敬遠されたことで、企業はWebやSNSといった非対面型のオンラインを重視。中でも質の高いコンテンツを発信する手法は、自宅で過ごす時間が増えたユーザーにとって、貴重な情報源となりました。

ECをこの機会に利用したというユーザーも多く、コンテンツマーケティングと組み合わせすることで潜在顧客を掘り起こすことに成功しました。

2.Web検索が定番化している

2つ目は、Web検索が定番化しているということ

コンテンツマーケティングブームだった2010年代もWeb検索は主要な情報収集の1つでしたが、2020年代現在ではWeb検索がもっとも利用される検索ツールとして定番化しています。とくにスマートフォンを利用した検索は若年層を中心に激増しており、検索エンジンだけでなくSNSを使った情報収集も一般化しました。

一方で、TVや新聞といったマスメディアを情報収集に利用する割合は減少傾向にあり、企業があらためてコンテンツマーケティングに力を入れる理由の1つとなっています。

3.ユーザーの「情報」に対して認識が変化している

ユーザーが「情報」に対して抱く認識に変化が生じている点も、コンテンツマーケティングにとっては追い風です。

Webツールの急速な拡大はリアルタイムで情報を手に入れられる点で利便性の向上に繋がりました。一方で個人ではとても処理できないほどの膨大な情報が溢れかえることで、かえって「何が正しいのか」「何を選べばよいのか」といった選択のパラドックスも招いています。ECのように大量の商品を扱う業態はとくにこの傾向にあり、ユーザーにいかにしてストレスのない購入体験を提供できるかが重要となってきます。

そこで価値を持ってくるのが、質の高いコンテンツです。信頼が置けるコンテンツを定期的にアップしてくれる企業なら、ユーザーは安心して商品を購入することができます。また、D2Cのようにこの信頼を「世界観」として表現する手法も近年のECではトレンドとなっており、コンテンツマーケティングが再注目される理由といえるでしょう。

まとめ

>「ECでのコンテンツマーケティングにおすすめのプラットフォーム4選」

コンテンツマーケティングは情報過多の現代社会において、ユーザーとの信頼関係を構築し「ファン化」を促す手法としてあらためてその価値が高まっています。質の高いコンテンツを提供し集客やブランディングに繋がれば、ECの売上アップに大きく貢献してくれるでしょう。