EC向けのパッケージ型サービス比較│各サービスの特徴は?

EcWork編集部

EC向けのパッケージ型サービス比較│各サービスの特徴は?

EcWork編集部

本格的なEC事業に乗り出すなら、パッケージ型のEC構築サービスがおすすめです。大規模のサイト運営にも対応しており、カスタマイズ性の高さから自由度の高いサイトを構築できます。

そこで気になるのが、パッケージ型ではどのサービスがおすすめなのかということ。各サービスにはそれぞれ特色に違いがあることから、自社に最適なサービスを選びたいもの。

今回は、パッケージ型サービスの主要3社を徹底比較。サービスの概要や特徴の違いをまとめてご紹介していきます。

パッケージ型サービスとは?

パッケージ型とは、サービス会社が提供するソフトウェアを利用して、ECサイトを構築するサービスを言います。

カスタマイズ性が高い点が特徴で、より自由度の高いサイト設計が可能。大規模ECにも対応できるサービスが多く、本格的なEC事業に乗り出す際はパッケージ型を導入するのが定石の1つとなっています。

ASPサービスではクラウド上にあるソフトウェアにアクセスしてサービスを利用しますが、パッケージ型では自社サーバーを使って運営をおこなうことで、サービス会社のテンプレートに過度に依存しないフレキシブルな運営が可能になるなど、メリットの多いサービスと呼べます。

人気のパッケージ型サービス3社の特徴は?

EC向けパッケージ型サービスの中でも人気を集めるのが、次の3社です。

  • ecbeing(イーシービーイング)
  • EC ORANGE(イーシーオレンジ)
  • コマース21

各社のサービス概要や特徴を詳しくみていきましょう。

ecbeing│業界シェアNo.1の人気パッケージサービス

多種多様な業種・業態に対応できる

専任スタッフによる充実のサポート体制

「ecbeing(イーシービーイング)」は1983年に創業した老舗のパッケージ型サービスです。業界でのシェアは11年連続No.1の実績をほこり、全体の実に45%が同社のサービスを利用しています。

これまでに構築・運営を手掛けた数は1,200サイトにのぼり、膨大なEC構築ノウハウの積み上げも同社の強みの1つ。

多種多様な業種・業態に対応しており、BtoCやBtoBといった定番のパッケージはもちろん、越境ECやモール運営、オムニチャネル化といったトレンドを取り込めるのもサービスの魅力。あらゆる業種のサイトを立ち上げてきた経験から、サイトごとの最適解を提供してくれるでしょう。

また、インスタでのSNSマーケティングを加速させる「visumo(ビジュモ)」や、オムニチャネル向けの分析ツール「Sechstant(ゼクスタント)」といった支援ツールもリリース済み。こちらは、ツールだけでの導入も可能とあって、ECビジネスを手掛ける事業者から人気を集めています。

ecbeingのサポートスタッフは総勢600名を越え、万全の体制でサイト運営をバックアップしてくれる点も、心強いポイントです。

EC ORANGE│拡張性の高さと売り切り型の料金スタイル

拡張性が高く外部との連携機能が充実

多様なビジネスモデルに対応可能

「EC ORANGE(イーシーオレンジ)」は、2006年にスタートしたEC向けのパッケージ型サービスです。これまで960社を超えるサイトの導入実績をほこっており、パッケージ型サービスとして確かな地位を築いています。

サービスの特徴は、拡張性の高さ。EC ORANGEでは、サイトの拡張をサポートするコンサル体制が用意されており、事業者の要望を汲み取りながら最適なアイデアを提供してくれます。また、外部機能との連携も充実しており、トレンドやユーザーのニーズに合わせて機能の追加が可能。欲しい機能をすぐに導入できる点は、サービスを利用する上で大きな魅力となるでしょう。

EC ORANGEでは、事業者の目指すビジネスモデルごとにサービスを提供しており、「マルチテナント」「BtoB」「越境EC」「オムニチャネル」といった多様な形態にしっかり対応できます。モデルに適した機能を利用できるので、売上の最大化が図れるでしょう。

また、パッケージ型では珍しい売り切り型の料金スタイルであることも特筆すべき点です。導入費用は高くなるものの、ランニングコストを抑えることで中長期的には割安にサービスを利用可能です。

コマース21│大規模ECの構築に強いサービスを提供

大規模ECの構築に対応できる高い技術力

大手ECを手掛けた実績

1999年にサービスをスタートした「コマース21(commerce21)」は、大規模向けのECサイト構築に強いサービスを展開しています。

事業規模が大きいサイトでは、データ容量や顧客情報が膨大になることから、高い技術力を必要とします。コマース21では、自社で高度なスキルを有しており、大規模ECの構築にも難なく対応可能です。

すでに100億円規模のサイトを構築・運営した実績もあることから、今後事業規模の大きいサイト立ち上げを検討しているユーザーには魅力的なサービスと言えるでしょう。

また、パッケージ型サービスの特徴でもあるカスタマイズ性にも優れており、機能の追加や独自色あるデザインの導入もOK。ソースコードがオープンになっているため、自社で高度なセキュリティを導入できる点も同サービスの特徴でしょう。

各サービスの特徴を比較

ここまで、パッケージ型サービスの主要3社の特徴を詳しくご紹介してきましたが、各サービスの特徴を一覧にして比較してみましょう。下記の表を見てみると、サービス各社の特徴が見えてきます。

サービス名ecbeingEC ORANGEコマース21
サービスの特徴業界シェアMo.1
多様な業種・業態に対応
充実のサポート体制
拡張性の高さ
外部連携
売り切り型
大規模EC構築
大手ECの実績
自由度の高いサイト設計
事業規模中・大規模小~大規模大規模
導入実績約1,200サイト約960サイト約300サイト
創業1983年2006年1999年

ecbeingは、多様な業種や業態へ対応することができ、中規模~大規模向けのECサイト構築向けのサービスを展開しています。

EC ORANGEは、より柔軟なサービスに対応しており、拡張性の高さや外部連携を活かして小規模~大規模まで幅広いユーザーに対応可能です。

また、コマース21では、大規模向けのECに強いサービスを展開しており、同規模の運営ノウハウを多く積み上げています。

サービス各社の導入事例をご紹介

サービスを比較する際は、各サービスのスペックだけでなく、導入事例も参考にしてみましょう。ここからは、各サービスの導入事例をご紹介していきます。

ecbeingの導入事例│BEAMS(ビームス)

ビームス

ecbeingの「BtoCパッケージ」を利用して構築されたのが、ファッショントレンドの中心として多くのファンを集める「BEAMS(ビームス)」です。

同社のサイトは、アパレル系らしいおしゃれなサイトでありながら、各項目ごとに一体感のあるデザインを採用。縦スクロールしても掲載する商品やコンテンツの数を統一することで、ユーザーにとって見やすいサイトを意識。欲しい情報をすぐに見つけることができ、ユーザビリティの高いサイトに仕上がっています。

サイトのリニューアルに合わせて、ecbeingのサービスを活かした自社物流の導入やカスタマーサポートを取り入れるなど、新しい要素も導入。サイトの完成度の高さはecbeingのサービスの魅力が存分に詰まっていると言えるでしょう。

BEAMSの公式サイトはこちら

EC ORANGEの導入事例│株式会社ムトウユニパック

ムトウユニパック

封筒やカードといった、紙媒体の商品を扱う「株式会社ムトウユニパック」はEC ORANGEのサービスを利用した導入事例の1つです。

同社ではBtoB向けの物販ECをメインに扱っていましたが、EC ORANGEのサービス導入にあわせてサイトをリニューアル。自社サイトでデザインの指定から注文までを行える「印刷加工注文」を取り入れ、より利便性の高いサイトを構築しました。

また、BtoC向けへのアプローチにも力を入れ、「封筒女子部」というSNSの運営もスタート。アナログな紙媒体の魅力を、あえてSNSで売り出すユニークなアイデアで人気を集めています。

こうした柔軟な施策に対応できる点は、EC ORANGEの魅力が活かされているポイントです。

株式会社ムトウユニパックの公式サイトはこちら

コマース21の導入事例│ディノスオンラインショップ

ディノス

コマース21の導入事例の中でも、事業規模が大きいのがカタログ通販王手の「ディノスオンラインショップ」です。

同社は2018年のECサイトの売上において、総合8位にランクインするメガECサイトの1つ。取り扱う商品点数や画像、顧客情報といったデータが膨大になりますが、サイトは機能性・デザイン性ともに優れており、コマース21の強みがしっかり活かされています。

総合通販ではいかにユーザーが欲しい商品にスムーズに誘導できるかがポイントですが、ディノスオンラインでは細かなカテゴリ設定を設けることでユーザービリティを高める工夫がなされています。トレンドやセール商品の情報を見やすい位置に配置するなど、商機を逃さないデザインが採用されている点は、EC構築においても良いお手本となるでしょう。

ディノスオンラインショップの公式サイトはこちら

まとめ

今回は、EC構築向けのパッケージ型サービスの中から、特に人気を集める主要3社をご紹介しました。

ecbeingは、業界シェアNo.1をほこる人気サービスで、多様な業種・業態のサイト構築に対応しています。中規模~大規模のサイトを立ち上げる際におすすめです。

EC ORANGEは、小規模~大規模までさまざまなビジネスモデルに対応可能。拡張性も高く外部連携優れていることから、より柔軟なサイト構築が可能です。

コマース21は大規模ECの構築ノウハウに優れており、事業規模の大きいサイトを手掛けるのはお手の物と言えるでしょう。

パッケージ型サービスを選ぶ際は、各サービスの特徴と得意分野を見極めながら、自社の商材や方向性に最適なサービスを選ぶようにしましょう。