Shopifyに月額5ドルで利用できるスタータープランが登場
2022.10.04カナダ発のEC構築サービスとして全世界でユーザーの支持を集めるShopify 。今回Shopifyは、月額5ドルで利用できるスタータープランの提供をスタートしたと発表しました。
従来のベーシックプラン(月額25ドル)に比べ5分の1という安価で提供されるスタータープランですが、クリエイターや小規模でのEC構築を目指すユーザーにとってはメリットが大きいプランと言えます。
Shopifyのスタータープランとは
スタータープランは、Shopifyが新たに提供を開始した料金プランです。
2022年9月13日から提供が開始され、料金は月額5ドルで提供。これは従来までの最安値であったベーシックプランの月額25ドルに比べ5分の1の価格で、これまで料金の負担からShopifyの利用を敬遠していたユーザーにとっては願ってもない朗報と言えます。
プラン名 | スタータープラン(新プラン) | ベーシックプラン |
料金 | 5米ドル/月 | 25米ドル/月 |
取引手数料 | 5% | 3.4% |
利用可能なページ | ✔ 商品ページ ✔ 問い合わせ対応ページ ✔ 404、カート、チェックアウト、ホームページ | ✔ 商品ページ ✔ 問い合わせ対応ページ ✔ 404、カート、チェックアウト、ホームページ、ブログ、ページ、ナビゲーション |
Linkpop・Inbox | ✔ LinkpopとInbox | ✔ LinkpopとInbox |
ページのカスタマイズ | ✔ デザイン済みのテンプレートを基に一部カスタマイズが可能(ブランド設定あり) ※詳細なテーマ編集は不可 | ✔ デザイン済みのテンプレートに加え、詳細なテーマ編集が可能 |
スタータープランではECで必要な基本機能だけに特化し、構築ノウハウやITを苦手とするユーザーでも簡単にネットショップをオープンできる利便性の高さが売りです。ユーザーはテンプレートを使って商品の画像と説明文さえ追加すれば、わずか数分でストアを開設可能。これまでECでの販売に二の足を踏んでいたユーザーにもハードルが低いシンプルな操作性を採用しています。
クリエイターや小規模事業者がメインターゲット
今回スタータープランを提供するにあたって、Shopifyはクリエイターや小規模のEC事業者をメインターゲットに据えています。
スマートフォンやSNSをはじめ、デジタルツールが身近な存在となった現代では個人のクリエイターや小規模事業者が積極的にコンテンツを発信しています。こうしたクリエイターや事業者の中には自分の作品をECで販売したいというユーザーが多く、Shopifyはここに狙いを定めました。
スタータープランを利用することで、販売する商品のリンクを自分のブログやSNSで公開することが可能。Messenger、Instagram、TikTok、YouTubeなどさまざまなSNSと連携が可能で、簡単に商品リンクを共有できます。
Linkpopやサプライヤーとの提携で自由度の高いEC運営を実現
またShopifyではLinkpopと呼ばれるサービスを利用できます。Linkpopとはブランドやクリエイターが持つさまざまなSNSのプロフィールや関連リンクを1つのページにまとめることができるサービスです。リンクインバイオツールと呼ばれる仕組みですが、複数のSNSやプラットフォームで活動しているユーザーはLinkpopに自身のアカウントやプロフィールを集約でき、同ページの商品リンクへ誘導が可能です。
またShopifyの強みとして、さまざまなサプライヤー(製造や流通を担う業者)と提携している点が挙げられます。例えば自分のイラストを入稿するだけで提携先のサプライヤーがTシャツやマグカップにオンデマンド印刷を実施。その後、別のサプライヤーが梱包や発送といった流通業務を担当するといった具合です。ユーザーからすれば多数の在庫を抱えるリスクを抑えつつ、ECでの商品販売に取り組めます。業務は専門のサプライヤーに任せ、自身の活動に注力できる仕組みです。
起業や独立のスタート地点としての役割も
またスタータープランは起業や独立を目指すユーザーにとってもメリットが大きいプランです。EC事業に取り組みたいものの、アイデアが固まらず最初の一歩を踏み出せずにいる人は少なくありません。こうしたユーザーがトライ&エラーを試みる場としても、スタータープランの利用価値はあります。
Shopify Japanのカントリー・マネージャーの太原真氏はプレスリリースで
「新しい世代の起業家を生み出し、かれらの潜在能力を最大限に発揮させることを期待する」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000094.000034630.html
と述べていることからも、次代の起業家をShopifyから誕生させる狙いも込められています。もちろん、スタータープランからベーシックプランをはじめ上位プランへの移行は可能。事業規模の大きさや欲しい機能に合わせてステップアップできる点も、スタータープランの魅力です。
まとめ
今回はShopifyが新たにスタートしたスタータープランについてご紹介しました。
月額5ドルの安価な料金で手軽にECを開設できる新プランは、クリエイターや小規模事業者にとってメリットが大きいサービスです。SNSとの連携にとくに優れている点からもP2C(Person to Consumer)をターゲットに据えており、次世代のクリエイターや起業家を後押しするプランと呼べそうです。