イタリア初のユニコーン企業がBNPLサービスから誕生。Scalapayが資金調達を実施。

EcWork編集部

イタリア初のユニコーン企業がBNPLサービスから誕生。Scalapayが資金調達を実施。

EcWork編集部

日増しに注目が高まるBNPL(Buy Now Pay Later=後払い決済)市場ですが、イタリアのBNPLサービスScalapay(スカラペイ)がこのほど新たな資金調達を行いました。

この資金調達によりScalapayはユニコーン企業の仲間入りをはたしましたが、これはイタリア初のユニコーン企業が誕生した瞬間でもありました。

今回はBNPL市場への注目度の高さがうかがえるニュースを解説したいと思います。

BNPLサービスのScalapayが資金調達によりイタリア初のユニコーン企業に

2022年2月下旬、イタリアのミラノに拠点を置くBNPLサービスのScalapay(スカラペイ)が資金調達を行ったと発表しました。

金額は4億9,700万米ドル。Scalapayは昨年の9月にも1億5,500万米ドルの資金調達を発表しており、イタリア初のユニコーン企業の誕生かと期待が高まっていました。

今回の資金調達によりScalapayはイタリアの企業として初めてのユニコーン企業の仲間入りをはたし、市場関係者から大きな注目を集めています。

【参考記事】

イタリア初のユニコーン誕生——ファッションECに強いBNPL「Scalapay」、Tencent(騰訊)らから5億米ドルをシリーズB調達

Scalapayとは?

Scalapayは2019年にイタリアのミラノで創業したBNPLサービスです

ファッションECに強いサービスを展開しており、大手BNPLサービスと同様に無利子での分割払いを提供しています。分割払いは、3回払い・4回払い・14日後払いの3種類が用意されており、ユーザーにとってシンプルなサービス内容が特徴。

BNPLのサービスとしては新興ながら、加盟店に直接アプローチする手法でシェアを伸ばし、存在感を高めてきました。

BNPL市場は世界的に活発な動きが見られる

さて、今回のScalapayのニュースは、イタリア初のユニコーン企業誕生という面だけでなく、BNPLへの市場の注目度の高さがうかがえます。

Paidyが日本のスタートアップとして最高額の3,000億円で買収される

日本でBNPLへの注目が一気に高まったのが、PayPalによる日本のBNPLサービス・Paidyの買収でしょう。

2021年9月8日、アメリカの大手決済サービスPayPalが日本の後払い決済サービスPaidyを買収すると発表しました。買収額の3,000億円(約27億ドル)は国内のスタートアップの買収額としては最高額で、大きな話題となりました。

日本での市場拡大を狙うPayPalにとって、すでにシェアを広げているPaidyの存在は魅力的でした。BNPLの新たな市場と期待されるアジア圏への足がかりとなるのも買収劇の背景にあります。

世界各国でBNPLサービスの買収や資金調達が続く

また、BNPLサービスを巡っては、世界各国で買収や資金調達の動きが続いています。

アメリカのモバイル決済大手のSquareはオーストラリアのBNPLサービスAfterpayを290億ドルで買収。スウェーデンに本社を置く世界的なBNPLサービスKlarnaはソフトバンクGなどから資金調達をおこない、市場価値は456億ドル(約5兆円)に達しています。

また、EC最大手のAmazonがアメリカの大手BNPLサービスのAffirmと提携を発表するなど、世界各国でBNPLサービスに関連するニュースが連日取り上げられています。

PayPalによるPaidy買収も大きなトピックの一つでしたが、今回のScalapayの資金調達もBNPLの活況がうかがえるニュースです。

まとめ

今回は、イタリアのBNPLサービスScalapayの資金調達に関するニュースを解説しました。

Scalapayは今回の資金調達によりイタリアの初のユニコーン企業となりました。歴史的な企業の誕生がBNPLサービスから現れた点は特筆すべきポイントで、世界的なBNPLへの注目度の高さがうかがえます。

欧米ではすでに大きなブームとなっているBNPLですが、国内でも今後新たな決済サービスのスタンダードになり得る可能性を秘めています。