GoogleAdsの動的リマーケティング広告とは?特徴やリターゲティングとの違いを解説

EcWork編集部

GoogleAdsの動的リマーケティング広告とは?特徴やリターゲティングとの違いを解説

EcWork編集部

ECをはじめとしたWebサイトへの集客には、Web広告が欠かせません。中でもGoogleが運営するGoogleAds(グーグル広告)は、代表的なサービスの1つです。

そんなGoogleAdsから提供されているのが「動的リマーケティング広告」。リマーケティング広告という言葉はよく耳にしますが、具体的にどのようなサービスを提供しているのでしょうか。

今回は動的リマーケティング広告の特徴やメリット、リターゲティング広告との違いについて解説します。

Googleが運営する動的リマーケティング広告とは?

動的リマーケティング広告とは、GoogleAds(グーグル広告)が運営するWeb広告サービスです。

GoogleAdsといえば、Web広告サービスの代表的な存在ですが、動的リマーケティング広告は、そのサービス内の広告形式の1つと考えると分かりやすいでしょう。

動的リマーケティング広告の仕組みは?

動的リマーケティング広告とは、従来までのリターゲティング広告をさらに進化させた広告形態です。

リマーケティング広告とは、ユーザーが過去にサイトを訪問した情報をもとに広告を配信する仕組みです。みなさんも、過去に検索・閲覧したECサイトやWebサイトの広告が、別のサイトで掲載された経験があるのではないでしょうか?あれこそまさにリマーケティング広告で、ユーザーを後から追いかけるようにして広告を配信することができます。

さて、このリマーケティング広告をさらに進歩させて、ユーザーに最適化された広告を配信するのが、動的リマーケティング広告です。

動的リマーケティング広告では、ユーザーの行動や購入、興味・関心といった詳細なデータを元に、個人のユーザーに最適化された広告を配信してくれます。通常のリターゲティング広告に比べ格段にパーソナライズ化された広告を配信できるため、集客やコンバージョン、費用対効果を高めることが可能です。

「リマーケティング」と「リターゲティング」と違いは?

リマーケティング広告と似たようなマーケティング用語に、リターゲティング広告という言葉があります。この2つに違いはあるのでしょうか?

結論から言うと、この2つの言葉は同じ意味のマーケティング用語です。

  • 動的リマーケティング → Googleが提供する広告配信サービスの名称
  • 動的リターゲティング → 広義での広告配信形式の名称

リマーケティング(リターゲティング)を用いたWeb広告の配信は、Googleのみならず他社サービスでも多く提供されています。そこでGoogleでは、サービスの差別化を図る意味も込めて「動的リマーケティング」という言葉を用いてサービスを提供しています。

他社サービスでは、同じように動的リターゲティングを用いたサービスとして「Criteo(クリテオ)」などが有名ですが、Google動的リマーケティングは広義のリターゲティングと言葉が似ているため、ユーザーが混乱すること

どうして動的リマーケティング広告が注目されるのか?

動的リマーケティング広告がリマーケティングをより進化させた広告形態とご紹介しましたが、どうして従来のリマーケティング広告でなく動的リマーケティング広告が注目を集めているのでしょうか?

EC業界の広告費は年々増加し競争が過熱している

1つのデータを見てみましょう。

EC advertising costs

こちらは電通グループが行った物販系ECにおける広告費の統計データです。これを見ると、2017年の広告費は931億円だったのに対し、2018年は1,123億円と業界全体で広告費が増加していることが分かります。

同発表では、2019年は推定で1,441億円に達すると予想しており、今後もEC系業界の広告費は右肩上がりの状態が続きそうです。

これは、業界全体の市場規模が広がっているといることや、ユーザーがデジタルデバイスを利用する頻度が高まっていると読み取れます。一方で、こうしたユーザーを自社サイトに取り込む顧客獲得競争が過熱しており、サービス同士の争いが加速している状況が窺えます。

電通グループの調査結果はこちら

いかに効率的にWeb広告で顧客を掴むか

こうした激しい競争の中で、各社とも広告費を増やして顧客獲得に動くのは自然な流れです。しかし、莫大な広告費を投下できる大企業ならまだしも、中小規模の企業では形勢が不利と言えます。

そこで注目されるのが、いかに効率的にユーザーを獲得するかということ。動的リマーケティング広告は、従来のリマーケティング広告よりも顧客獲得に有効な広告形態といえ、費用対効果も高いサービスです。

少ない広告費でも大手と戦うための賢い選択肢とし、動的リマーケティング広告が注目を集めていると言えるでしょう。

Google動的リマーケティングのメリットは?

では、ここからはGoogle動的リマーケティング広告のメリットについて見ていきましょう。

メリット1.個別のユーザーに最適化した広告を配信できる

1つ目のメリットは、個別のユーザーに最適化した広告を配信できるということ。

一般的なリマーケティングでは、ユーザーの過去の行動履歴にあわせて、あらかじめ設定していた広告が掲載されます。しかし、そのターゲッティングの範囲は広く、1つのバナー広告やテキスト広告が掲載されるなど、リーチできる層がアバウトになってしまいます。

一方、動的リマーケティング広告では、ユーザーの行動履歴はもちろん、購入や閲覧した商品、ユーザー属性にあわせてより細かく広告を配信することが可能。具体的には、ECサイトで興味を持った商品を個別に広告配信するなど、個人のユーザーに最適化された広告を配信することができます。

ユーザーごとにパーソナライズされた広告が配信されるため、広告効果が高くクリック率やコンバージョン率の向上が期待できるという訳です。

メリット2.費用対効果が高くコストを抑制できる

2つ目のメリットは、費用対効果が高くコストを抑制できるということ。

Web広告を配信する目的として、サイトへの流入増加や商品のコンバージョン率向上があげられます。そのためには掲載した広告をユーザーにクリックしたもらう必要があり、その有無が広告の費用対効果にも影響してきます。

動的リマーケティング広告では、個人に最適化された広告を配信できることから、ユーザーのアクションを促しやすく、流入やコンバージョンに繋がりやすい特徴があります。これは費用対効果の面から見ても魅力的で、コスト抑制の効果も期待できるしょう。

実際、動的リマーケティング広告を導入することでCPA(1コンバージョンにかかった費用)やCPC(1クリックにかかる費用)を大幅に抑制できるという結果が出ており、EC事業者が動的リマーケティング広告を導入する理由の1つと言えます。

メリット3.バナー作成の手間が省け作業効率がアップ

3つ目のメリットは、バナー作成の手間が省け作業効率がアップするということ。

動的リマーケティング広告では、事前に商品のデータフィードを登録しておけば、自動で広告が配信されます。従来までは商品ごとに別途バナーを作成する必要がありましたが、動的リマーケティング広告を導入すればこうした作業負担を大幅に軽減することが可能です。

作業効率がアップすれば、それだけ別の作業にリソースを割くことができます。事業全体の効率化が図れる点は、事業者にとって魅力的なポイントです。

メリット4.複数の商品を1度に掲載できる

4つ目は、複数の商品を1度に掲載できるということ。

動的リマーケティング広告では、1つの広告枠に複数の商品を掲載することができます。これも広告配信を自動でおこなえる仕組みが有効に活用されているポイントで、ユーザーに対して複数の選択肢を提示することができます。

例えば、広告枠1つに1種類の商品だけとなると、この商品に興味や関心を持たないユーザーにリーチすることができません。しかし、複数の商品が掲載されれば、それだけリーチできるユーザー層が広くなります。

ECサイトなど販売する商品が多い業態ではこの形式はメリットが大きく、コンバージョン率の向上に貢献してくれるでしょう。

メリット5.Googleのサービスに広告を出稿できる

最後のメリットは、Googleのサービスに広告を出稿できるということです。

GoogleAdsでは200万を超えるWebサイトに広告を掲載しています。これは全世界のネットユーザーの90%にリーチできる数字で、驚愕すべきものです。

広告を出稿するとなれば、いかに多くのユーザーに見てもらいアクションに繋がるかが鍵を握りますが、これだけの巨大なフィールドを網羅できるとなれば、広告の影響力も莫大なものとなるでしょう。これは出稿する事業者には無視できないポイントといえます。

まとめ

今回は、GoogleAdsが提供する「動的リマーケティング広告」について解説しました。

動的リマーケティング広告は、従来のリマーケティング広告を進化させたWeb広告の形態で、個別のユーザーにパーソナライズ化された広告を配信することで、クリック率やコンバージョン率の向上が期待できます。

EC業界では年々Web広告費が増加する傾向にあり、それだけ企業間の競争も苛烈を極めています。少ないコストで最大限の効果を得るという意味では、動的リマーケティング広告は実に魅力的なサービスと呼べるでしょう。