デジタルサイネージとは?ECの新たな広告媒体として注目

EcWork編集部

デジタルサイネージとは?ECの新たな広告媒体として注目

EcWork編集部

「近頃、デジタル画面で表示される看板や広告、メニュー表をよく目にする」と感じる方も多いのではないでしょうか。

デジタルサイネージと呼ばれるこうした看板は、テクノロジーの進歩により近年急速に普及しています。

今回は、EC事業者も新たな広告媒体として注目し始めたデジタルサイネージについて解説します。その特徴やメリットはどこにあるのか、見ていきましょう。

デジタルサイネージとは?

デジタルサイネージ 東京

デジタルサイネージとは、液晶ディスプレイを使って情報や広告を表示するメディアの総称です。

サイネージとは「看板」や「標識」といった意味の言葉で、デジタル(=電子)との組み合わせを直訳すると「デジタル看板」や「電子看板」といった呼び方ができます。

デジタルサイネージ 地図

これまでも街中の大規模スクリーンや、駅や空港などの公共施設ではデジタルサイネージが活用されてきましたが、設置は一部の都市部やターミナル施設に限られていました。

しかし近年のテクノロジーの進化により設置個所が急速に増加。飲食店やオフィスビルといった日常的な空間でも、頻繁に目にするようになりました。

小型化や3D技術でより身近な存在へと進化

とくに近年のデジタルサイネージの進化で特徴的なのが、ディスプレイの小型化でしょう。

飲食店のメニュー表やアパレル店のポップを掲示する店舗什器など、私たちの生活により近い場所でデジタルサイネージを見かけるようになりました。この他にもコンビニやエレベーター、タクシーや電車まで、デジタルサイネージが活用される場所はどんどんと広がっています。

また新宿に掲載され大きな話題となった3D技術を搭載した大型ビジョンは、まるで映像から飛び出してくるような立体感と迫力が特徴。ここ数年で地方都市へも一気に拡大し、大型ビジョンの新たな定番として注目されています。

デジタルサイネージ タッチディスプレイ

この他にもタッチディスプレイ式でユーザーの利便性や検索性を備えたタイプも人気で、大型商業施設や公共施設で導入が進んでいます。

ECにも活用できるデジタルサイネージの4つのメリット

急速に普及しているデジタルサイネージですが、従来までの看板とはどのような違いがあるのでしょうか。ECでの活用も含め、デジタルサイネージのメリットについて見ていきましょう。

メリット1.素材費や人件費などのコストを軽減できる

1つ目はコストを軽減できること。

従来までの看板では、掲示する広告やポップをプリントする素材が必要でした。紙を使うなら紙代や印刷代、デザイン費などがコストとなります。また看板を掲示する際には人の手を介す必要があり、別途人件費が発生します。

その点デジタルサイネージは、素材費や印刷費、掲示作業に必要な人件費がかかりません。デジタルデータさえ用意すればすぐにでも看板に掲示できるため、コストを抑えられます。

これまで、小規模なEC事業者は広告に割ける予算も限られ、大規模なプロモーションは大手企業の独壇場でした。しかしデジタルサイネージであれば、広告料とデザイン費にコストが絞られ、従来よりも少ない予算で広告を掲載できます。

EC事業者にとっては広告戦略の自由度や柔軟性が高まったといえます。

メリット2.タイムリーな訴求ができる

2つ目はタイムリーな訴求ができること。

デジタルサイネージの強みは、広告が表示されるまでの時間を短縮できる点です。これまではデザインを提出後に印刷や制作、掲示といった手間がかかり、実際に広告がお披露目されるまでに時間を要しました。

デジタルサイネージであれば、デザインを入稿した段階ですぐに画面に表示でき、タイムロスを軽減できます。

また時間帯や期間で表示されるタイミングを設定しておけば、欲しい時に見せたい広告をタイムリーに届けられます。わざわざポップやメニューを取り外して、新しいものに貼りかえる「差し替え」の手間もかからないため、他の業務にリソースを注げるのもメリットです。

ECではタイムセールや期間セールの頻度が多い傾向にあります。これはデジタルサイネージとの親和性が高く、セール中の短期間だけ広告を掲載するといったピンポイントかつスピーディーな戦略が可能となるでしょう。

メリット3.AIによる効果測定が可能

3つ目はAIによる効果測定です。

これまで広告看板や大型ディスプレイでは、「どの程度の宣伝効果があったのか」効果測定が難しい点が課題となっていました。大規模なプロモーションを仕掛けても、成果につながらなければ意味がありません。

この課題を解決するとして期待されているのが、デジタルサイネージです。最新のデジタルサイネージには看板の前を通過した人の情報を計測できるAIカメラが搭載されています。撮影された年齢や性別といった属性だけでなく、看板への反応を計測可能。プロモーションの効果測定が実現できます。

EC事業者はデータ活用に長けており、戦略の根拠となるデータを欲しがっています。また、デジタルサイネージでデータ収集が可能となれば、これまでネットワーク上に限られていたユーザーとの接点を、一気にリアルの世界にまで拡大できます。

メリット4.視認性と訴求力が高い

最後が視認性と訴求力の高さです。

デジタルサイネージは最新のテクノロジーにより、鮮明でリアルな広告掲載が可能となりました。視認性の高さは大きなメリットで、視覚を通して鮮やかな画像や映像を届けられます。

また静止画だけでなく、動画を掲載できるのもデジタルサイネージのメリットです。動く広告は訴求力が高く、ユーザーが思わず立ち止まりたくなります。冒頭で紹介した3D技術や最新のアート表現を活用し、ユーザーにより直感的に広告を届けられます。

まとめ

今回は新たな広告媒体として注目される、デジタルサイネージについてご紹介しました。

デジタルサイネージは液晶ディスプレイを使って情報や広告を表示するメディアの総称で、電子看板やデジタル看板といった呼称でも知られています。

近年は飲食店のメニュー表やアパレル店のポップをはじめ、コンビニやタクシー、電車などさまざまな場所で普及。鮮明で美しい画像や動画をどこにでも掲載できる利便性や、視認性の高さが特徴です。

また従来の看板に比べコストを軽減できる点や、「差し替え」作業の手間がかからずタイムリーな訴求ができる点もメリットです。

AI技術を活用した効果測定も進んでおり、今後EC事業者にとっても魅力的な広告媒体として成長が予想されます。