【ECサイト構築向け】オープンソース型の3つのサービスを徹底比較!

EcWork編集部

【ECサイト構築向け】オープンソース型の3つのサービスを徹底比較!

EcWork編集部

ECサイトを構築する際に、オープンソース型のサービスを導入したい事業者も多いのではないでしょうか?

オープンソース型サービスは無料で自由度の高いサイトを構築できるとあって、事業者から人気を集めています。しかし、いざ導入するとなると、どのサービスを選べばよいのか迷ってしまいますよね。

そこで今回は、ECサイト構築向けの主要サービスを3つご紹介。各サービスの特徴を確認しながら、どのサービスがおすすめなのか比較を行ってみましょう。

オープンソース型サービスとは?

さて、サービスを比較する前に、そもそもEC構築向けのオープンソース型とはどのようなサービスなのでしょうか。

オープンソースとは、無料でソースコード(コンピューターのプログラム)が公開されているサービスのことで、誰でも自由にソフトウェアをインストールして使用することができます。

なぜECでオープンソース型が人気なのか?

ECサイトを導入する際に、オープンソース型のサービスが人気を集める理由は大きく2つです。

1つは、無料でサービスを利用できるということ。ECサイトの構築では、ASP型サービスが有名ですが、月額料金や初期費用など、コスト面での負担が大きいというデメリットがあります。その点オープンソース型のサービスでは、システムを構築するノウハウさえあれば、誰でも無料でサービスを利用することが可能です。

また、カスタマイズ性に優れている点も魅力の1つでしょう。ASPなどのパッケージ型のサービスでは、サイトのデザインや機能面でのカスタマイズ性に乏しく、サービス会社側への依存度が高くなります。

一方のオープンソース型であれば、自分で自由にデザインや機能を拡充することができるため、多様なサイト設計が可能です。ECサイトで他社との差別化を図る上では、大きなメリットといえるでしょう。

【ECサイト構築向け】主要オープンソース型サービスをご紹介

ここからは、ECサイト構築向けの、主要オープンソース型サービスの特徴を見ていきます。今回取り上げるのは、次の3つです。

  • EC-CUBE(イーシーキューブ)
  • Magento(マジェント)
  • osCommerce(オーエスコマース)

EC-CUBE│国内No.1のオープンソースサービス

国内シェアNo.1のサービス

多彩な機能で自由度の高いサイト設計が可能

EC-CUBE(イーシーキューブ) は、2006年にサービスの提供が開始された国産のオープンソース型サービスです。 サービス開始から現在まで、35,000店舗以上のネットショップを手掛けており、国内シェアはNo.1となっています。

オープンソース型サービスは海外拠点が多いですが、EC-CUBEは日本の企業が手掛ける国産サービス。そのため、国内向けのEC運営ノウハウや、機能面が充実しており、事業者から多くの信頼を集めています。

標準機能だけでも本格的なサイト構築が可能ですが、EC-CUBEでは800を超えるプラグインを用意。サイトのストアからオプションとして購入することで、多彩な機能を導入することができます。また、国内のパートナー企業との連携も充実。この点も、国産サービスの強みと言えるでしょう。

2019年2月には、クラウド型のサービス「ec-cube.co」の提供もスタートするなど、今後もオープンソース型サービスの大本命として躍進が期待されています。

Magento│越境ECに強い世界シェア第2位のサービス

オープンソース型サービスで世界第2位のシェア

越境ECに強いサービスを提供

Magento(マジェント) は、アメリカのロサンゼルス発のオープンソース型サービスです

ECサイト構築向けのサービスとしては、アメリカのWoo Commerce(ウーコマース)に次いで世界第2位のシェアをほこり、両社だけで世界シェアの約40%をカバーしています。

Magentoは世界規模で展開されているサービスとあって、越境ECに強いサイト構築が特徴。多言語や多通貨への対応が柔軟に行えるなど、外資系企業や海外展開を見据える企業にとっては魅力的なサービスとなっています。また、マルチサイトを1つのソフトウェアで管理できる点や、世界規模でのパートナーネットワークが構築されている点も魅力です。

しかし、日本向けの公式サイトがないことから、サービスを導入する際にはある程度の語学力が必要になる点がネック。こうしたユーザー向けに、国内企業によるサイト構築の代行サービスも展開されています。

とはいえ、サービスの質が高く、信頼・実績ともに申し分ないのは事実です。2018年にはAdobe(アドビ)社により16億ドル(約1,750億円)で買収されるなど、業界での評価もさらに高まっています。

osCommerce│9,000種類以上のアドオンとコミュニティが充実

9,000種類以上のアドオン

サービスコミュニティが充実

osCommerce(オーエスコマース) は、2000年にドイツで開始されたサービスです。日本国内での知名度はそれほど高くありませんが、欧米では認知度の高いオープンソース型のサービスとして知らています。

ECサイトの構築に特化したサービスを提供しており、標準機能だけでも本格的なネットショップの立ち上げが可能です。また、osCommerceの最大の強みが、膨大な数のアドオン(拡張機能)が用意されていること。2019年10月現在、9,010種類以上のアドオンが利用でき、すべての機能を無料で追加することができます。

また、ユーザー同士で情報をシェアするコミュニティが充実しており、常時活発な交流が行われている点も魅力でしょう。オープンソースは自分たちで自由にソースを書き換えることができるため、より便利で使いやすいサイト構築を考えるなら、こうしたコミュニティを有効に活用したいものです。

osCommerceのネックも、海外発のサービスなので、語学力がハードルになってしまう点でしょう。国内向けのサイトもありますが、情報量がやや乏しく、導入時は苦労するかもしれません。派生版の「ZenCart」(ゼンカート)では日本語にも対応しているので、そちらを選ぶのもおすすめです。

各サービスの導入事例をチェック

次に、各サービスを使って構築されたECサイトの導入事例をチェックしてみましょう。

EC-CUBEの導入事例 │YOSEIDO

まず、EC-CUBEを使って構築されたのが、化粧品ブランド「YOSEIDO」です。洗練されたデザイン性の高さを感じさせてくれるサイトで、ブランドイメージを高める狙いも見て取れます。

日本人は欧米に比べ、細やかなサイトデザインを好む傾向にあり、そうしたニーズをしっかりと捉えている点も国産サービスならではと言えるでしょう。

YOSEIDOの公式サイトはこちら

Magentoの導入事例 │Japan Lure Shop

Magentoのサービスを利用して導入されたのが 「Japan Lure Shop」 です。フィッシングルアーを扱うサイトですが、海外ユーザーが好むとされるシンプルで分かりやすいサイトデザインを採用しています。

Magento自体がアメリカを拠点とする海外サービスとあって、デザインテンプレートの種類も海外ユーザー向けのものが多いようです。

Japan Lure Shopの公式サイトはこちら

osCommerceの導入事例 │システムギアダイレクト

「システムギアダイレクト」はosCommerceを利用して構築された日本企業のECサイトです。

osCommerceの標準デザインは、よりシンプルで無駄のない作りが特徴と言えます。導入事例のサイトでも、メニューバーやおすすめ商品を分かりやすく配置するなど、「ECサイトのスタンダードデザイン」を形にしてくれると言えるでしょう。

システムギアダイレクトの公式サイトはこちら

国内向けサイトの構築ならEC-CUBEがおすすめ

ここまで、オープンソース型のEC構築サービスを3つご紹介してきましたが、結局のところどのサービスがおすすめなのでしょうか?

結論から言うと、国内でサイトを構築するならEC-CUBE(イーシーキューブ)がおすすめでしょう。

国産サービスなので語学力が問われない

EC-CUBEをおすすめする理由の1つが、国産サービスだということ。各サービスの紹介でも触れましたが、MagentoとosCommerceを導入する最大のネックが「語学力」です。

両サービスとも日本語へは公式対応しておらず、サイトの構築には一定水準の語学力が必要となります。オープンソース型のサービスでは、サイト構築に関するノウハウも必要で、そこに語学力というハードルが追加されると、難易度は格段に高まってしまいます。

無料という強みを最大限に発揮できる

語学力をカバーするために、サポート企業に構築を依頼するという手も有効ですが、この場合サイトを立ち上げるためのコストが余計にかかってしまいます。これでは、オープンソース型の強みの1つである「無料」という特徴を生かすことができません。

EC-CUBEなら、自分たちでサイト構築に取り組むことが容易なため、 余計なコストを発生させず無料という強みを最大限発揮できるでしょう。

まとめ

今回は、ECサイト構築向けのオープンソース型サービスの比較をお届けしました。オープンソース型は、無料でサービスを利用できる上、拡張機能も豊富に揃っていることから、自由度の高いサイト設計を可能にしてくれます。

ご紹介したサービスの特徴をまとめると、 EC-CUBEは多彩な機能と国産サービスが強み。国内シェアもNo.1です。

また、 Magentoは世界第2位のシェアをほこるオープンソース型サービスで、越境ECに強いという特徴を持っています。

osCommerce は、欧米を中心に利用している事業者が多く、豊富な拡張機能とコミュニティの充実度が売りです。

各サービスともそれぞれ強みがありますが、日本国内でECサイトを構築するなら、語学力を問われない EC-CUBEがおすすめ。 わざわざ翻訳せずにサイトの構築や運営面に注力することができる点は、大きなアドバンテージと言えるでしょう。