ネタバレ消費とは?Z世代に流行する新たな価値観を解説

EcWork編集部

ネタバレ消費とは?Z世代に流行する新たな価値観を解説

EcWork編集部

1990年後半頃から2012年頃に生まれた若い世代を意味するZ世代。マーケティングの世界では次世代の消費の中心となるZ世代の動向に注目が集まっていますが、そんなZ世代で流行しているのが「ネタバレ消費」です。

本記事では新たな価値観として広がりを見せるネタバレ消費の意味や、流行する理由について解説します。またネタバレ消費を好むZ世代向けのマーケターが意識すべきポイントをご紹介します。

ネタバレ消費とは?

ネタバレ消費 とは

ネタバレ消費とは、コンテンツや商品、サービスの内容や中身を知った(ネタバレした)うえで購入する消費行動のことです。

これまではコンテンツや商品、サービスは購入してみなければわからないのが一般的でした。しかしネタバレ消費ではこうした消費を好まず、しっかりと内容や中身を確認したうえで購入するのが好まれます。

たとえば、

  • 映画やドラマのストーリーを知ってから視聴する
  • 商品の性能や評価を確認してから購入する
  • 施設や旅行地の評判をSNSなどで確認してから出掛ける

など、事前に中身や内容がネタバレされた状態で消費行動に移るのがネタバレ消費の特徴です。

この新しい価値観はZ世代を中心に流行しています。Z世代といえば、「新たなトレンドの発信源」・「次世代の消費の中心」とされマーケティングの世界ではその動きが絶えず注目される世代です。今回ご紹介するネタバレ消費をはじめ、タイパ(タイムパフォーマンスの略。時間効率を重視する価値観)やイミ消費など、新しい価値観を生み出す彼らの動向は、社会のトレンドを把握するうえでもしっかり理解しておきたいポイントです。

なぜZ世代にネタバレ消費が流行しているのか?

ネタバレ消費が流行している背景には、Z世代が育ってきた社会環境が影響しています。

デジタルネイティブ(生まれてからデジタルツールが身近な存在だった)にあたるZ世代は、SNSや動向投稿サイト、ネットニュースなど絶えず大量の情報やコンテンツにさらされています。サブスクサービスを利用すれば大量の映画やアニメ、音楽を無制限に視聴できるなど、時代は大きく変化しました。

しかし、こうした大量の情報やコンテンツをすべて消費するのは難しく、いかにして「当たり」を引き効率的に消費するかが求められるようになりました。事前に内容や中身を知ったうえで購入するネタバレ消費もその一貫で、ハズレや失敗を回避しタイパを重視するZ世代の心理的傾向がよく表れています。

またSNSが日常に浸透し、投稿する写真や動画の見映えを意識する心理もネタバレ消費に影響しています。SNSへの投稿を前提とするとなると、商品の中身や見映えは気になるものです。他のユーザーの投稿を参考にして商品を購入する傾向が強いのも、こうしたSNS文化の拡大が一因といえそうです。

ネタバレ消費時代にマーケターが意識したい3つのポイント

さて、Z世代を中心に流行するネタバレ消費ですが、ECや店舗のマーケターはどのようなポイントを意識すればいいのでしょうか。

1.追体験したくなるコンテンツを制作する

1つ目は追体験したくなるコンテンツを制作すること。

追体験とは、商品やサービスといったコンテンツを購入後も利用したくなる体験を意味します。たとえば、商品購入者限定のオフラインイベントの開催や、ウェビナーへの招待、オリジナル動画の視聴など商品購入で体験を終わらせない工夫が挙げられます。

こうしたコンテンツづくりは映画やドラマでは近年多く、作中に伏線を多数散りばめて、視聴後にSNSやブログで考察を楽しむ追体験を促しています。

狙いは2つあり、1つは特別感のあるコンテンツだと意識づけることで、ユーザーの購入意欲を高めること。もう1つは購入以後の付加価値を提供し、ユーザーのファン意識を向上させることです。

ネタバレが前提となっている以上、商品のスペックだけで勝負するよりも、購入後の満足感を高める方法が得策です。期待以上のコンテンツであればSNSや動画で紹介したくなるため、そこから新たなネタバレ消費が生まれます。

2.ストーリー性で感情に訴えかける

2つ目はストーリー性で感情に訴えかけること。

消費の最大のトリガーは感情です。ユーザーは何かしらの感情が動機となり、商品を購入しています。たとえば、商品を製造する背景やエピソード、込められた想いといったストーリー性は感情に訴えかける有効な手段です。こうした手法はD2Cブランドが自社の世界観を売りにして成功を収めた点からも、効果的といえます。

また「ストーリーを語る」というアプローチは、ネタバレを好む世代とも相性が良いといえます。自社サイトやオウンドメディア、SNSを上手に活用して、感情に訴えかけるアプローチに力を入れてみましょう。

3.レビューやレコメンド機能を充実させる

3つ目は、レビューやレコメンド機能の充実です。

これまでも口コミやレビューはマーケティングにおける重要な要素とされてきましたが、ネタバレ消費を意識するZ世代には「不可欠」な情報となっています。こうした情報が掲載されていないと、商品購入はおろか、そもそも選択肢から除外されるといった恐れもあります。レビューや口コミの投稿機能が用意されていないなら、しっかりと機能を準備して対応しましょう。また、SNSでのレビューや口コミはUGCとして活用するのもポイントです。

まとめ

今回はネタバレ消費の意味とマーケターが意識したいポイントを解説しました。

ネタバレ消費とはZ世代を中心に流行する消費行動で、あらかじめ商品の内容や中身を知ってから(ネタバレしてから)購入する行動を意味します。大量のコンテンツが溢れる現代では、玉石混交の情報の中からいかにして「当たり」を引くかが重要視されています。

デジタルネイティブであるZ世代はこうした「当たり」を引き能力に長けており、商品やコンテンツを購入する際も慎重に内容を吟味する傾向が強くなりました。ネタバレ消費の流行はこうした心理をよく表しており、マーケターとしてもしっかり理解して施策に反映しておく必要があります。