チャットコマースとは?メリットや導入事例を解説

EcWork編集部

チャットコマースとは?メリットや導入事例を解説

EcWork編集部

チャットコマースとは、チャットアプリやチャットボットを利用して商品の紹介や問い合わせに対応するサービスのことです。

ECではこれまでオンラインという特性上、1対1での接客や顧客対応に課題を抱えていました。チャットはこの課題を解決するだけでなく、ユーザーに満足度の高い購入体験を提供できるため、近年EC事業者から注目が集まっています。

今回は、チャットコマース(※)の概要やメリット、導入事例などについて解説します。

現在では広く利用されているチャットコマースという言葉ですが、「チャットコマース」は株式会社ジールスの登録商標です。RPA技術により、API連携などの複雑な開発を行う必要がなく、手間やコストを最小限に抑えたサービスの導入が可能。また、
1.ユーザーに合わせたセグメント配信
2.専属のコミュニケーションデザイナーによる会話体験の継続改善
3.ブランドや商品を深く理解したオーダーメイドの施策提案
といった特徴から、接客体験や購買体験の向上に貢献してくれます。

株式会社ジールスの「チャットコマース」はこちら

※チャットコマースは株式会社ジールスの登録商標です。本記事では広義の意味においてのチャットコマースについて紹介しています。

チャットコマースとは?

チャットコマースとは

チャットコマースとは、LINEやMessengerといったチャットアプリや、AI機能を搭載したチャットボットなどを使って商品の紹介や問い合わせに対応するサービスのことです。

例えば、チャットアプリを使った新商品の紹介やセール情報の告知、ユーザーからの質問や問い合わせへの対応など、チャット機能を活用してEコマースでの販促につなげることが目的となります。

LINEの国内ユーザー数は2022年現在で約8,900万人。日本国民の8割近くが利用しており、チャットを使ってコミュニケーションを取る文化が広く浸透していることが分かります。チャットコマースはこうした文化をECに取り入れることで、ユーザーの利便性向上はもちろん、サイトの集客や売上アップ、ブランディングに活用されています。

チャットコマースのメリットとは?

チャットコマースには、大きく4つのメリットがあります。

  1. 1対1での接客を実現
  2. ユーザーとの関係性を強化できる
  3. データの蓄積に繋がる
  4. 問い合わせ対応への労力が軽減できる

1つ目は、1対1(one to one)での接客を実現できるということ。オンラインで利用するECは、その特性上1対1での接客に課題を抱えていました。チャットの利用は、この課題を解決しECでも実店舗のような接客を提供することができます。

2つ目はユーザーとの関係性を強化できるということ。チャットは店舗とユーザーが直接会話をしながらコミュニケーションを取ることができます。これは顧客との密な関係を築くには効果的で、ユーザーとの関係性を強化することができます。また、ユーザーは疑問や質問があれば24時間リアルタイムで問い合わせることが可能。これは顧客満足度の向上に繋がり、ブランドへのロイヤリティを向上させるでしょう。

3つ目は、データの蓄積に繋がるということ。チャットコマースで蓄積されたデータは、自社だけでのオリジナルのデータです。顧客の生の声を独占できるという意味では希少価値が高く、サイトの施策や販促活動に役立てることできます。

最後は、問い合わせ対応への労力が軽減できるということ。電話対応やメールへの返信は、時間がかかる上、24時間の体制を構築するには人件費がかかります。その点AI技術で自動返信に対応できるチャットボットを活用すれば、問い合わせ対応への労力が軽減でき、運営コストを抑えることが可能です。

チャットコマースが普及した背景は?

さて、気になるのがチャットコマースが普及した背景です。

まず理由として挙げられるのが、チャットツールが広く浸透したということ。冒頭でもLINEのユーザーは日本国民の約8割近くに達するとご紹介しましたが、「チャットを使って会話をする」という文化は、私たちの生活では当たり前のものとなりました。ユーザーにとって馴染みがあるツールを販促に活用するのは自然な流れで、チャットコマースが普及した大きな理由に挙げられるでしょう。

 また、ECでの競争が過熱化したことで、ユーザーとより密な関係性を構築することが重視され始めました。ユーザーも以前のように機能や価格だけで購入を決断するのではなく、ブランドの想いやストーリー、顧客対応といった要素を重視するようになりました。こうした変化も、チャットコマースが普及した理由の1つです。 

その他にも、チャットツールやAI機能が進化したことで、手軽にツールを利用でき、実店舗のような接客が可能になった点も背景に挙げられます。

【事例紹介】チャットコマースを活用した成功事例

では、実際にチャットコマースを活用した成功事例について見ていきましょう。

1.バルクオム

ナルクオム

メンズスキンケアブランドのバルクオムは、チャットコマースを活用して成功を収めた代表例の1つです。同社ではチャットボット機能を活用して、顧客のヒアリングを強化。要望や不安に応じて最適な商品を紹介することで、コンバージョン率の向上に成功しました。

また、チャットコマースにより得られたデータを活用して施策の最適化を図ったことで、CPAを240%も改善させるなど、コストの抑制にも繋げています。

2.ファンケル

ファンケル

化粧品ブランドのファンケルも、チャットコマースを活用して成果を挙げた事例の1つです。

ファンケルでは、ECでの売上がアップしたことにより、問い合わせが増加。電話対応やメールへの返信が遅れるなど、サービスの質低下が課題となっていました。そこでチャット機能を導入することで、ユーザーをFAQに誘導。必要に応じてオペレーターが対応するなど業務を効率化することで、自己解決の後押しや満足度の向上に繋げました。

3.アダストリア

アダストリア

大手アパレルブランドを複数持つアダストリアは、コロナ禍にチャットコマースを導入して成果を挙げた事例です。

緊急事態宣言の発令により巣ごもり消費が増加し、ECの売上は大幅に増加しました。一方で、アダストリアへの問い合わせの数も急増。しかしオペレーターの感染防止のためには、人員を抑制しオペレーションを回す必要がありました。

そこで同社では緊急事態発令時は電話による対応を全面的にストップ。チャットでの対応のみに切り替える措置を取りました。これはユーザーの利便性アップや業務の効率化にもつながりましたが、従業員の安全を守るという姿勢は企業イメージのアップにも繋がった事例でしょう。

まとめ

チャットコマース (※) とは、チャットアプリやチャットボットを利用して商品の紹介や問い合わせに対応するサービスのことです。

ユーザーにとって馴染みあるチャット機能を販促に活用することで、購入体験の向上や満足度の向上に繋がるだけでなく、業務の負担を軽減しコストを抑制できる点もチャットコマースのメリットといえます。

近年はチャットコマースを後押しするためのWeb接客サービスを提供する会社も多いことから、自社でのチャットコマースを検討する際はサービスを導入してみるのもアイデアの1つでしょう。