Threads(スレッズ)とは?新SNSはなぜ注目を集めたのか

EcWork編集部

Threads(スレッズ)とは?新SNSはなぜ注目を集めたのか

EcWork編集部

7月6日(日本時間)にMeta社からローンチされたテキスト共有アプリ「Threads(スレッズ)」。

ローンチから24時間を待たずに登録者数が3,000万人を突破。Twitterに代わる新たなテキスト系SNSの登場に、世界中の注目が集まっています。本記事ではThreadsの概要やなぜこれほど注目を集めたのかについて解説します。

また、ローンチ直後のいま、ECをはじめとした事業者はどのような活用方法を検討すべきかについてもご紹介します。

Threadsを知るはじめの一歩としてご活用ください。

Threads(スレッズ)とは?

Threads とは
出典:Meta社 プレスリリース

Threads(スレッズ)は、FacebookやInstagramを運営するMeta社が開発したテキスト共有アプリです。

Threads とは

開発にはInstagramチームが携わり、ユーザーはアプリ上でテキスト(文字・文章)をメインに、画像や動画といったコンテンツを投稿可能。仕様はTwitterによく似ており、「Instagram版のTwitter」といった表現がイメージしやすいツールです。

ローンチから24時間を待たずに、世界での登録者数が3,000万人を突破。最近ではオープンAI社が開発した言語生成AI・Chat GPTの登場時に爆発的な注目を集めましたが、Threadsはそれをはるかに凌ぐスピードでユーザー数を伸ばしています。

Threadsでできること・できないこと(2023年7月12日現在)

Threadsは公開直後とあって、まだ機能は限定的です。Meta社では今後も機能の拡充を進めると述べていますが、現状ではどのような機能が利用できるのかご紹介します。

【できること】

  • 500文字までのテキスト投稿
  • 動画や画像コンテンツ共有(画像は10枚まで。カルーセル投稿に対応)
  • スレッド返信によるユーザー同士の会話
  • メンション
  • リンク投稿(OGP表示あり)
  • 再投稿(Twitterのリツイートのような機能)
  • 引用(Twitterの引用ツイートのような機能)
  • Instagram フィード投稿、ストーリーズ、ツイート、リンクコピーなどのシェア
  • アカウントの公開範囲(公開/非公開)
  • スレッドごとのリプライ可能範囲設定(全ての人/フォローしている人/メンションしている人)

ThreadsではほぼTwitterと同様の機能が用意されており、テキスト系のSNSとして基本的な機能が網羅されています。Twitterとの違いとしてテキストの文字数が500文字まで投稿可能なこと。Twitterでは140文字(無料アカウント)と制限されていますが、500文字の投稿が可能となれば用途の幅がぐっと広がります。

【できないこと】

  • 広告
  • ハッシュタグ
  • 分析(インサイト)
  • 投稿の検索機能(検索はアカウント情報のみ)
  • 投稿時の画像トリミング
  • 投稿後のテキスト編集
  • 投稿テキストの翻訳機能
  • ダイレクトメッセージ(DM)

Threadsではまだ広告機能が搭載されています。そのため、SNS広告を使った集客や認知度獲得といった活用法は、機能がリリースされるまで時間を待つ必要があります。

またハッシュタグや投稿の検索機能が用意されていないため、現状ではフォローしているアカウントや自動で表示される投稿をのみを閲覧する仕組みとなっています。

ただ、Instagram CEOのアダム・モッセーリ氏は自身のThreadsで投稿で、今後下記のような機能を追加する予定だと述べています。将来的にはInstagramのように検索やハッシュタグの活用といった機能が用意され、より利便性の高いサービスへ進化すると予想されます。

【追加予定の機能】

  • 検索
  • ハッシュタグ
  • フィードのフォロー
  • ソーシャルグラフの同期
  • フェディバースのサポート
  • メッセージング
  • フィードの時系列オプション

なぜこれほどThreadsへ注目が集まったのか?2つの理由

では、なぜこれほどThreadsへの注目が集まったのでしょうか。理由は大きく2つです。

Twitterサービスに対しての不満の高まり

1つはTwitterに対しての不満の高まりです。

これまでテキスト共有アプリとしては世界トップの座に君臨してきたTwitterですが、イーロン・マスク氏の買収以降は立て続けに仕様の変更を発表。これは収益性を高めるための取り組みですが、既存のユーザーからは少なからず不満の声が挙がっていました。またAPI制限によりサービスの自由度が制限されるなど、サービスの先行きが不安視されていました。

こうした状況でダメ押しとなったのが7月2日に発生した大規模な閲覧制限です。認証済みアカウントで1日10,000件、未認証アカウントで1日1,000件、未認証の新規アカウントで1日500件と閲覧数に上限が設定され、上限に達したユーザーからは「Twitterが見れない」と大混乱が起きました。

Twitterでは閲覧制限に対して、「プラットフォームに害を及ぼしているbotやその他の悪質な行為を働いている者を検出して排除する」目的で事前告知をせずに実施したと公式で発表。しかし、一般ユーザーだけでなくSNSマーケの一環としてとしてアカウントを運用していた事業者にも大混乱を与えたため、「サービスが終わるのでは?」という悲観論が一気に広まりました。

こうした背景からユーザーの間でTwitterの代替となる“引っ越し先”探しが過熱。そこに救世主のように現れたのがThreadsだったという訳です。

Meta社ではTwitterの混乱を受けて、サービスを前倒しして公開。そのため機能面ではまだ改善途上にあると述べています。しかしユーザーのTwitterへの不満が高まったタイミングでのローンチは、話題性も相成って爆発的なユーザー獲得に繋がりました。

Instagramのアカウント保持者は数タップでアカウント開設が可能

もう1つの理由は、Instagramのアカウント保持者は数タップでThreadsのアカウント開設が可能な点です。

Threadsはアカウント開設時に、Instagramへの登録が必要となります。しかし、すでにInstagramのアカウントを保有しているユーザーはわずか数タップでアカウントの開設ができ、簡単に登録が完了します。

Instagramのアカウント登録者数は、2023年2月発表で世界20億人を突破。SNSを利用するユーザーの多くはアカウントをすでに保持しており、ほとんどストレスなくThreadsを開設できたことになります。

また、Twitterからの“引っ越し先”を探していたユーザーを悩ませたのが、新たに開設するSNSの信頼性です。Meta社はFacebook、Instagramと世界でもトップクラスのユーザー数を持つサービスを運営しており、ローンチ時点でThreadsに対しては水準以上の信頼性が集まったといえます。この点も、Threadsが爆発的に注目を集めた理由です。

ローンチ直後のいま事業者はThreadsをどう活用すべきか

さて、ローンチされて間もないThreadsですが、事業者はどのような活用法を検討すべきなのでしょうか。

まずはアカウントの取得から。現状は他のSNSとの連携でユーザー獲得を図る

  1. アカウントを取得する
  2. Instagramをはじめ他のSNSからユーザーを呼び込む
  3. 新サービスでのポジションを獲得する

事業者としてまず考えたいのが、アカウントの取得です。「なにを当たり前な…」と考えてしまいますが、こうした新サービスに対しては法人ほど様子見をしがちです。まったく新しいサービスであればその姿勢も大切ですが、今回はMeta社がInstagramと連携させているサービスとあって、ユーザーからの信頼感や注目度は桁違いと言えます。とくに偽アカウント対策として、サービス名や社名のアカウントを先に取得しておく動きは効果があるといえます。

次にすでに運営しているSNSアカウントがあるなら、そのアカウントからThreadsへユーザーを呼び込んでいきましょう。Threadsではまだ広告機能も用意されておらず、機能にも制限があります。Threadsだけでユーザーを集めるとなるとまだまだ打ち手は限られますが、他のアカウントで「Threadsを開設しました」「登録をお願いします」といった形でユーザーを誘導するのは効果的です。また、投稿内容もInstagramやオウンドメディアのコンテンツを転用する形でも問題ありません。もちろんオリジナルのコンテンツを投稿するのは良策ですが、まずはユーザーに「○○(自社)がThreadsを開設した」という認識を植え付けていきましょう。

最後に、先行者利益を獲得するという点では、今の段階からThreadsを積極的に活用しておくのは得策です。現在の機能だけでなく、新機能に関しても早い段階で活用できれば、Threadsの企業アカウントとしてポジションを確立できます。

まとめ

今回はMeta社が発表したテキスト共有アプリ、Threadsの概要やなぜ爆発的な注目を集めたのかについてご紹介しました。

Twitterの相次ぐ仕様の変更や頻繁なトラブルにユーザーが不満を募らせる一方で、“引っ越し先”となる代替サービスが見当たらないのが現状でした。こうしたタイミングでTwitterとほぼ同等の機能を備えたThreadsが注目されたのは自然な流れと言えます。

同時に、InstagramやFacebookを運営するMeta社のサービスという信頼性の高さも爆発的なユーザー増の要因となっています。今後はさらなる機能追加が予定されるThreads。マーケ利用を見据えて、いまの段階からサービスに慣れておくのは賢い選択となりそうです。