リミットは2022年5月末!改正商取引法の施行前に「最終確認画面」の表示項目をチェック

EcWork編集部

リミットは2022年5月末!改正商取引法の施行前に「最終確認画面」の表示項目をチェック

EcWork編集部

消費者庁は2022年6月1日に施行される「改正特定商取引法」について、EC事業者向けに周知を徹底するためのガイドラインを公表しました。

今回のガイドラインではカートシステムの「最終確認画面」で表示すべき項目の指定や変更について詳しく言及されています。

これまの特定商取引法は悪質な定期購入業者などをターゲットとしていましたが、今回の改正に合わせて発表されたガイドラインでは、適切にサイト運営をしている事業者にとっても影響が大きい項目も含まれており、すべてのEC事業者が内容を理解しておく必要があります。

改正特定商取引法が2022年6月1日から施行される

改正特定商取引法 とは
通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン  より

「改正特定商取引法(消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律)」が、一部の規定を除き、2022年6月1日から施行されます。

これにあわせて消費者庁ではEC事業者への周知徹底を目的に、「通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン」というガイドラインを公表しました。

最終確認画面で誤認させるような表示がある場合は罰金が科せられる

今回の改正でEC事業者がとくに留意すべき点として、カートシステムの「最終確認画面」で表示すべき項目の指定や変更が挙げられます。噛み砕いていえば、ユーザーが注文を確定してから不利益を被らないために、最終確認画面できちんと情報を表示しておかなければならいないということ。

定められた項目をきちんと満たしていない場合、消費者が購入をキャンセルできる「取消権」を行使することができ、販売事業者に100万円以下の罰金が科せられます。また必要な表示をしていない場合、法人には1億円以下の罰金を科されることになります。

改正特定商取引法では次の6項目を最終確認画面に表示する

改正特定商取引法 項目

これまでの特定商取引法は明らかな悪意をもった事業者への罰則を目的としていましたが、今回の改正では悪質な業者だけでなく適切なサイト運営を行っているEC事業者への影響が予想されます。

それだけにすべてのEC事業者は、今回の改正特定商取引法が施行される2022年5月末までに、自社サイトの最終確認画面を確認しておく必要があります。具体的な項目は、以下の6つです。

  1. 分量
  2. 販売価格・対価
  3. 支払の時期・方法
  4. 引渡・提供時期
  5. 申込みの撤回、解除に関すること
  6. 申し込み期間(期限のある場合)

1.分量

分量では、商品の数量、役務の提供回数等のほか、定期購入契約の場合は各回の分量も表示する必要があります。

役務の提供回数等は分かりづらい文章ですが、例えば化粧品であれば効果が見込めるまで「〇回程度」「〇ヵ月程度」といった具合に使用回数や購入回数を明確にしておく必要があります。

2.販売価格・対価

販売価格・対価では、複数商品を購入する顧客に対しては支払総額も表示し、定期購入契約の場合は2回目以降の代金も表示する必要があります。

はっきりと顧客が負担する金額が明確になっておかなければいけません。

3.支払の時期・方法

支払の時期・方法の項目は、定期購入契約の場合に該当し、各回の請求時期をきちんと表示します。

4.引渡・提供時期

引渡・提供時期の項目も定期購入契約に関連する部分で、次回分の発送時期について表示する必要があります。

5.申込みの撤回、解除に関すること

申込みの撤回、解除に関しては、返品や解約の連絡方法・連絡先、返品や解約の条件等について、顧客が見つけやすい位置に表示します。

なお、解除に関する項目では次のようにも記載されています。

「解除等に関する事項については、端的な表示が困難かつすべての事項を表示すると分量が多くなるなど、消費者に分かりにくくなるような事情がある場合に限り、リンク先に対象事項を明確に表示する方法やクリックにより表示される別ウィンドウ等に詳細を表示する方法も可」


通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン

つまり、最終確認画面でひと目で分かるような説明ができない場合は、別途リンク先で説明をおこなってもOKということです。

6.申し込み期間(期限のある場合)

今回の法改正の中でとくに留意したいのが、申し込み期間(期限のある場合)の項目です。

これは季節商品のほか、販売期間を決めて期間限定販売を行う場合は、その申込み期限を明示する必要があるという内容で、定期購入商品を扱っていないEC事業者にとっても大きく関係してきます。

例えば、購入期限のカウントダウンや期間限定販売など、一定期間を経過すると消費者が商品自体を購入できなくなるものに関しては分かりやすい表示をおこなうことが必要です。「今だけ」といった曖昧な表示はNGとなります。

具体的な表示方法としては、

  • 商品名欄等において商品名にわかりやすく併記する
  • バナー表示を置く
  • 消費者が明確に認識できるようなリンク先や参照ページ、クリックにより表示される別ウィンドウ等に詳細を記載する

といった表示方法が必要となります。

一方で、申込みについて「期間」に該当しない何らかの販売条件や提供条件があるケースはこの項目に該当しません。たとえば、個数限定販売や、価格その他の取引条件(価格のほか、数量、支払条件、特典、アフターサービス、付属的利益等)について、一定期間に限定して定めが設けられているケースは該当しません。

まとめ

今回は2022年6月から施行される、「改正特定商取引法」について解説しました。

同法では、カートシステムの「最終確認画面」で表示すべき項目の指定や変更について詳しく言及されており、すべてのEC事業者にとって関係する内容となっています。

自社でECを管理している場合はもちろんですが、他社のサービスを利用している場合もサービス会社側に対応の有無をきちんと確認しておく必要があります。ECの改修には時間がかかるケースも多いだけに、いますぐ表示項目の確認をおこなっておきましょう。