なぜクッキー(Cookie)は廃止されるのか?EC事業者の対策を紹介

EcWork編集部

Googleでは2023年の後半を目途に、クッキー(Cookie)を廃止することを発表しました。個人情報の保護や、プライバシーリスクへの影響を問題視する世論の声が、廃止にいたった理由に挙げられます。

そこで今回は、なぜクッキーが廃止されるのか?EC事業者にどのような影響があるのか?について解説します。また、クッキーレス時代へ向けてのEC事業者の対策についてもご紹介します。

そもそもクッキー(Cookie)とは何か?

クッキー(Cookie)とは…

クッキー(Cookie)とは、サイトを訪れた訪問者の情報を、一時的にブラウザに保存する仕組みのことです。

保存される情報は多岐にわたり、IDやパスワード、IPアドレスや利用環境、ユーザーの行動履歴などさまざまな情報が含まれています。

例えば、クッキーを利用するメリットとして、ログイン情報の入力の手間を省けるといった点が挙げられます。サイトやサービスにログインするためのIDやパスワードをクッキーを使って保存しておけば、毎回のログイン作業を簡略化することが可能です。

また、自身が検索した情報や購入した商品と関連性の高い情報が表示されるため、検索効率や閲覧時の利便性向上を期待できます。

事業者にとっては、ユーザーの属性や行動履歴を把握することができ、マーケティング施策や広告配信などに活用することが可能です。

クッキーには2つの種類がある

さて、クッキーの仕組みには大きく2つの種類があります。

  • ファーストパーティークッキー(1st Party Cookie)
  • サードパーティークッキー(3rd Party Cookie)

ファーストパーティークッキーとは、訪問したサイトのドメインから直接発行されるクッキーのことです。ECサイトでいえば、自社サイトのドメインを指します。

一方のサードパーティークッキーとは、外部のサイトから発行されたクッキーのことです。外部サイトからの流入やサイトを横断(ドメイン横断)した情報を入手することが可能で、ECではリターゲティング広告を運用する際に広く用いられています。

ファーストパーティークッキーでは自社サイトを訪問したユーザーにしかアプローチできないものの、サードパーティークッキーを活用すれば、外部サイトを利用したユーザーの情報を元に、マーケティング施策を実行することができます。

クッキー廃止は個人の情報保護が最大の理由

ECサイトのリターゲティング広告や顧客分析に広く用いられてきたクッキーですが、Googleは2023年の後半を目途にサードパーティークッキーを廃止することを発表しました。

最大の理由は、個人情報の保護が強く叫ばれるようになったためです。

>Googleによるクッキー廃止に関する発表

欧州でのGDPR施行でクッキー廃止の動きが加速

ことの発端となったのは、欧州で2018年に施行されたGDPR(General Data Protection Regulation)です。GDPRとは日本語で「一般データ保護規則」と呼ばれるもので、個人データ保護やその取り扱いについて、EU域内の各国に適用される法令のことを指します。

2018年の5月に施行された同法令は、インターネットを介してのデータの入手や利用に関して厳格な規定が設けられています。欧州で施行された法令とはいえ、インターネットはグローバルサービスとなるため、例え日本の企業であってもこの法令を遵守しなければならないません。

ここで問題となったのが、世界規模で利用されている大手検索エンジンやSNSサービスです。クッキーの中でも、サードパーティークッキーはGDPRの法令に違反していると判断されます。

直接ユーザーの情報を入手するファーストパーティークッキーと違い、外部サービスを介したサードパーティークッキーでの個人情報の収集はセキュリティリスクやプライバシーの侵害にあたると判断されます。

グローバル企業への風当たりが強まりクッキーの廃止へいたる

これまで、大手検索エンジンやSNSによる行き過ぎた個人情報の収集は度々問題視されていました。GDPRの施行は、こうした世論の声をさらに強め、GoogleやFacebook、Appleといったグローバル企業への風当りは強まっていきました。

こうした流れを受けて、SafariやFirefoxなどは相次いでクッキーをデフォルトで無効にする判断を下します。

世界最大の検索エンジンであり、ネット広告の分野を独占してきたGoogleも世論の風当たりに耐えきれず、2023年の後半を目途にサードパーティークッキーの廃止を発表しました。

EC事業者への影響と対策は?

EC事業者にとってクッキーの廃止は、どのような影響があるのでしょうか?

例えば、従来までのサードパーティークッキーを用いたリターゲティング広告は利用することができなくなります。また、外部サイトからの流入やユーザーの行動履歴を活用したアプローチができなくなり、新規顧客獲得への影響も考えられます。

やや大げさな表現を使えば、従来までのマーケティング活動を根底から見直す必要に迫られる訳です。代替案の検討もされていますが、現状では「クッキーレス」の状態で今後の戦略を考えておくことが重要です。

では、具体的な対策としてどのような手段が挙げられるのでしょうか?

対策1.ファーストパーティークッキーの活用

1つ目の対策は、ファーストパーティークッキーをしっかりと活用するということ。

自社サイトを訪れたユーザーに対して、きちん許諾を受けて活用する分には、ファーストパーティークッキーは事業者が自由に活用することができます。これまでサードパーティークッキーに依存していたいマーケティング戦略を実施していた場合は、ファーストパーティークッキーを軸とした戦略に切り換えることが効果的でしょう。

これは既存顧客へ対してのマーケティングを強化すると言い換えることができます。パーソナライズ化や顧客体験の向上などを強化することで、既存顧客との関係性を築くことができればLTVを高めることに繋がります。

クッキーレス時代を生き抜く上では、こうした「ファンベース」の戦略を軸とした取り組みが必要でしょう。

対策2.コンテンツマーケティングの強化

2つ目は、コンテンツマーケティングの強化です。

Web広告が全盛となって以降、手間がかかり即効性に乏しいコンテンツマーケティングを敬遠する企業が増えています。

しかしクッキーレス時代にユーザーとの接点を獲得するためには、自社のコンテンツを通してユーザーを獲得していくことが不可欠です。対策1でもご紹介したように、これはファンベースの戦略の1つです。

SNSの運用や、SEOコンテンツの発信などを利用して、今のうちから種まきを行っておきましょう。

まとめ

今回は、なぜクッキーが廃止されるのか?EC事業者にはどのような影響があるのか?といったポイントについて解説しました。

個人情報の保護やプライバシー侵害への注目が高まるにつれ、個人情報を収集するクッキーの仕組みへの風当たりが強くなっています。こうした影響を受けて、Googleでも2023年の後半を目途に、外部サイトからの情報を収集するサードパーティークッキーの廃止を発表しました。

EC事業者は今後、これまでマーケティングに活用してきたリターゲティング広告や外部ユーザーの分析といった手法が使えなくなる恐れがあります。クッキーレス時代を迎えるにあたり、ファーストパーティークッキーを活用した戦略への転換や、自社コンテンツの強化など、ファンベースを軸とした戦略に取り組むなど対策を講じておく必要がありそうです。