なぜ音声コンテンツが流行るのか?ECでの活用法を探る

EcWork編集部

なぜ音声コンテンツが流行るのか?ECでの活用法を探る

EcWork編集部

近年「ながら」作業の需要が増加したことで、大きな注目を集めているのが音声コンテンツです。

2020年現在の市場規模は16億円に達し、2025年には420億円にまで拡大すると予想されています。こうした流行を受けて企業がマーケティングの一環として音声コンテンツを配信する動きが増えるなど、ビジネストレンドの一つとして注目が高まっています。

この記事では、なぜ音声コンテンツが流行しているのか、その理由を解説します。また、ECにおける音声コンテンツの活用法についてもご紹介していきます。

音声コンテンツとは?

音声コンテンツとは

音声コンテンツとは、音声で配信されるメディアのことをいいます。

音声コンテンツと聞いて真っ先に思い浮かべるのはラジオですが、近年のブームを牽引しているのはインターネットやアプリを使って配信される種類です。

具体的には、

種類種類の内容
ポッドキャスト インターネット上に音声ファイルなどを公開して配信する仕組み
オーディオブック 本の内容が音読されるコンテンツ
インターネットラジオ ラジオの電波ではなくインターネットを使って配信するラジオ
音声コンテンツプラットフォーム さまざまな音声コンテンツを聞くことができるプラットフォーム
音声配信サービス・配信アプリ 音声コンテンツを手軽に配信できるサービスやアプリ

などが挙げられます。記憶に新しいのが、2021年初頭に大ブームとなった音声SNS・Club House(クラブハウス)。海外から上陸すると芸能人や有名ビジネスマンを中心に火が付き、日本での音声コンテンツの認知度を一気に高めました。

特徴としてはユーザーが音声を聞くだけではなく、自らが配信者となってコンテンツを配信する傾向が強いということ。個人や小規模から人気の配信者が登場する流れは、動画コンテンツにおけるYouTuberに近しいものがあります。

なぜ音声コンテンツが流行しているのか?市場規模は?

株式会社デジタルインファクトの調査によると、2020年の音声コンテンツの市場規模は16億円。これは前年(2019年、7億円)と比べて倍増しており、音声コンテンツ市場の活況がうかがえます。また、同調査では2025年の市場規模を420億円と推計しており、今後も音声コンテンツの市場は成長の余地があることが分かります。

では、なぜ音声コンテンツがこれだけ流行しているのでしょうか?理由は大きく3つです。

1.「ながら」作業の需要が増加した

1つ目は、「ながら」作業の需要が増加したこと。

スマートフォンが広く普及したことで、誰でも音声や動画を手軽に楽しめる環境が整いました。これに比例して、作業と並行してコンテンツを楽しむ「ながら」需要も増加。耳から音声を聞いておくだけで楽しめる音声コンテンツは「ながら」作業との相性が良く、スポーツの合間や趣味の時間など、手軽に楽しめる存在として人気を集めています。

また、コロナ禍による「おうち時間」の増加も流行を後押ししています。屋内での活動が増えたことで、BGM感覚で音声コンテンツを楽しむ人が増えています。リモートワークやステイホームでは孤独を感じるという人も多く、音声コンテンツの配信で誰かとのつながりを感じられる点は、ブームを後押ししたといえるでしょう。

2.スマートスピーカーなどのデジタル機器が充実した

2つ目は、スマートスピーカーやワイヤレスイヤホンなどのデジタル機器が充実したこと。

近年デジタル技術が大きく進歩し、スマートスピーカーやアップルのAirPodsに代表されるワイヤレスイヤホンなどが普及しました。高音質で音声を聞くことができるこうしたデジタル機器が充実したことで音声コンテンツを楽しむ人も増加。

また、ワイヤレスイヤホンは「ながら」作業でもコードが邪魔にならない点やノイズキャンセリング機能で没入感が増すなど、音声コンテンツを楽しむ幅を広げています。

3.制作コストが安い

3つ目は、制作コストが安いということ。

音声コンテンツはスマホさえあれば、誰もがコンテンツを配信することができます。動画に比べ編集作業も少なく、制作コストを安く抑えることができます。

これは音声コンテンツをマーケティングに活用したい企業にとって魅力的なポイントで、手軽にユーザーとのタッチポイントを作れる点もメリットです。コスト面だけでなく、制作の負担が下がるとなれば、継続的なコンテンツ配信にもつなげやすいといえるでしょう。

ECでの音声コンテンツの活用法

さて、企業のマーケティングツールとしても注目を集める音声コンテンツですが、EC事業ではどのような活用法が考えられるのでしょうか?

新規ユーザーの獲得やファンの育成

ECで音声コンテンツを活用する方法として、新規ユーザーの獲得やファンの育成と相性が良いでしょう。

音声コンテンツはリスナーの耳に直接声を届けることができるため、親近感を抱きやすいコンテンツといえます。近年のEC市場では商品の機能性や価格だけでなく、販売する企業の想いやストーリーが購入を決断する重要な材料となっています。

企業の想いや取り組みに共感が生まれれば、そこから購入につながるだけでなく、ファンの育成やブランディングにも効果を発揮します。

音声広告を配信する

音声コンテンツ市場が注目を集めると同時に、配信プラットフォームやサービスでも音声広告を導入するケースが増えています。

音声広告はよりマーケティング色が濃いアプローチですが、「ながら」作業での利用が多い音声コンテンツは動画と違い広告をスキップされる頻度が低い傾向にあります。また、接触回数を多く持つことができるため、いわゆる「ザイオンス効果(単純接触効果)」を高め、信頼感や好印象を与えることができます。

制作コストが安いことから、広告コストの抑制につながるのも音声広告のメリットです。

まとめ

音声広告 市場規模 EC

音声コンテンツとは、音声で配信されるメディアのことをいいます。音声コンテンツが流行した理由として、

  1. 「ながら」作業の需要が増加した
  2. スマートスピーカーなどのデジタル機器が充実した
  3. 制作コストが安い

といった理由が挙げられます。

また、音声コンテンツの市場規模は2020年現在で16億円に達しており、2025年には市場規模が420億円に増加すると推計されています。こうした市場の活況を受けて、EC事業者でも音声コンテンツをマーケティングに取り入れる動きが増えています。

具体的には、リスナーの耳に直接声を届けることができる距離の近さを活用して、新規顧客の獲得やファンの育成に効果を発揮するでしょう。また、音声広告は動画広告に比べスキップされにくい傾向が強く、接触回数を多く持てることから高い費用対効果が見込めます。